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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」、米&グローバルで連覇達成

(※追記(12時15分):当該エントリー公開までに米ビルボードはグローバルチャート記事に関するポストをアップしていませんでしたが、エントリー公開後にポストを投函しています。つきましては発信されたポストを貼付しました。)

 

 

 

現地時間の12月25日月曜がクリスマスのため翌26日に発表された、最新12月30日付米ビルボードソングチャート(集計期間12月15~21日)。マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が2週連続、通算14週目の首位を獲得しました。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比15%アップの4840万(同指標2位)、ダウンロードが同7%ダウンの7,000(同指標4位)、ラジオが同21%アップの3170万(同指標17位)を記録しています。

マライア・キャリーによる14週以上の首位獲得は今回が3曲目となり、単独最多となりました(ボーイズIIメンは13週以上首位獲得曲を3作品保持し、歴代2位に)。ボーイズIIメンとの「One Sweet Day」(1995-1996 16週)、「We Belong Together」(2005 14週)および今回の「All I Want For Christmas Is You」(2019-2023 14週)が該当作品となります。

 

マライア・キャリーは今回の首位獲得により、首位在籍記録が通算93週に。自身の持つ最長首位獲得週数記録を更新しています。

<米ビルボードソングチャート 歴代首位獲得週数記録>

93週 マライア・キャリー

60週 リアーナ

59週 ザ・ビートルズ

56週 ドレイク

50週 ボーイズIIメン

47週 アッシャー

43週 ビヨンセ

37週 マイケル・ジャクソン

34週 アデル

34週 エルトン・ジョン

34週 ブルーノ・マーズ

34週 テイラー・スウィフト

マライア・キャリーの首位獲得は19曲であり、これはザ・ビートルズの20曲に次ぐ歴代2位の記録に(ソロ歌手では最多)。またマライアは1990年8月に「Vision Of Love」が初めてチャートを制して以降、4つの年代で首位を獲得しています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は米ビルボードソングチャートにおいて首位を獲得したクリスマス関連曲では最長となる14週目の首位に。デヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週首位)、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(2023年12月 2週首位)が続いています。なお「The Chipmunk Song」「Rockin' Around The Christmas Tree」共に1958年のリリース作品となります。

「All I Want For Christmas Is You」は当週が64週目のエントリーであり、64週目での首位獲得はグラス・アニマルズ「Heat Waves」を上回りました。「Heat Waves」は登場59週目となる2022年3月に初の首位を獲得し、5週連続で(登場63週目まで)首位の座をキープ。最終的には91週に渡りソングチャートに在籍していました。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、2011年に開始したクリスマス関連曲のチャートであるHoliday 100でも首位をキープし、同チャート67週のうち60週において首位の座に就いています(Holiday 100は総合ソングチャートと計算方法が同一となります)。また「All I Want For Christmas Is You」はHoliday 100のランクイン曲のみで構成されるGreatest Of All Time Holiday 100 Songsでも首位を記録しています。

 

ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」は総合2位をキープ。ストリーミングは前週比17%アップの4940万を記録し、同指標5週目の首位に。トップストリーミングゲイナーを獲得しています。

 

アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」は7位をキープ。アンディはキャリア初のトップ10ヒット(「Lonely Street」が1959年10月に記録)から今回のトップ10入りまでの記録が64年2ヶ月と3週に伸び、自身の持つ最長記録を更新しています。

 

ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」が12→9位に上昇。ストリーミングは前週比19%アップの2490万、ダウンロードは同12%アップの2,000、ラジオは同5%アップの2380万を記録しています。1970年リリースのクリスマスソングは、2020年のクリスマスシーズンに最高位となる6位を記録しています。

 

ザ・ロネッツSleigh Ride」は8→10位へ後退しましたが、ザ・ロネッツはキャリア初となるトップ10入り(1963年9月に最高2位を記録した「Be My Baby」)から今回のトップ10入りまでの期間が60年3ヶ月と1週になり、グループにおける最長記録を更新しました(クリスマス関連曲を除けば、ザ・ビートルズの59年9ヶ月と3週が最長記録となります(「I Want To Hold Your Hand」(1964)から「Now And Then」(2023)まで))。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (2位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

3位 (3位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

4位 (4位) ワム!Last Christmas

5位 (5位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

6位 (6位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

7位 (7位) アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」

8位 (10位) ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」

9位 (12位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

10位 (8位) ザ・ロネッツSleigh Ride

 

クリスマス関連曲が米ビルボードソングチャートトップ10のうち9曲を占拠。この寡占状況は2021年1月2日付に並ぶ最高記録となります。同日付チャートの記事はこちらで確認可能です。

クリスマス関連曲以外で唯一トップ10入りしたジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は総合6位をキープ。ラジオは前週比16%アップの5020万を記録しています。

 

 

なお当週はクリスマス関連曲が他にも大きく上昇を果たしています。

メーガン・トレイナー「Jingle Bells」が81位に初登場(ストリーミングは前週比26%アップの740万を記録)。Amazon Musicによるオリジナルホリデーソングとして登場したこの著名なクリスマスソングは、フランク・シナトラ版に続く形で総合100位以内に登場しています。

なおフランク・シナトラ版「Jingle Bells」は20→16位へ上昇しています(ストリーミングは前週比24%アップの2090万、ラジオは同3%アップの1580万を記録)。シナトラは1967年に娘のナンシー・シナトラと共演した「Somethin' Stupid」が1967年に4週首位を獲得して以来となる高位置到達となりました。なおフランク・シナトラ版「Jingle Bells」は1957年の作品ですが、オリジナルは1857年に発表されています。

 

シェール「DJ Play A Christmas Song」が94位に初登場。ストリーミングは前週比33%アップの500万、ダウンロードは同49%アップの4,000、ラジオは同550万(前週比未記載)を記録しています。これはケリー・クラークソンが自身のテレビ番組にて、12月19日放送回で同曲をカバーしたことも影響しています。

シェールのソングチャート100位以内エントリーは、2002年5月の「Song For The Lonely」以来となり、キャリア34曲目のチャートインを果たしました。シェールは1965年7月にボブ・ディランが書いた「All I Really Want To Do」にて初めてチャートに登場し、最高15位を記録。また同曲がチャートに初登場した翌週、ソニー & シェールとして「I Got You Babe」をチャートに送り込んでいます。同曲は1965年8月に3週首位を獲得、またソニー & シェールとしては1973年までに18曲がチャートインしています。

 

クロイー(Chlöe)による「Winter Wonderland」が96位に登場。ストリーミングは前週比18%アップの610万を記録しています。こちらもメーガン・トレイナー「Jingle Bells」同様、Amazon Musicによるオリジナルホリデーソングとして登場した作品です。

「Winter Wonderland」は元々1934年の作品ですが、ソングチャート100位以内エントリーはこれが初。ただしクリスマス関連曲によるソングチャート(Holiday 100)ではこれまで9つのバージョンが登場しており、ダーレン・ラヴ、およびペンタトニックス feat. トリー・ケリーのふたつのバージョンが最高位となる31位を記録しています(後者はボビー・マクファーリン「Don't Worry Be Happy」とのメドレーとして披露)。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月30日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方でマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が今シーズン4週連続の首位を獲得しています。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200においてストリーミングが前週比12%アップの1億1530万、ダウンロードが同2%ダウンの12,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比11%アップの7200万、ダウンロードが同8%アップの5,000を、それぞれ記録しています。

「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200において歴代最長となる通算17週目の首位となりました(2020年のクリスマスシーズンに4週、2021年に4週、2022年に5週、2023年に4週首位を獲得)。またGlobal Excl. U.S.では12週目の首位を記録しています。

 

ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」が11→7位となり、Global 200にて初のトップ10入り。ストリーミングは前週比19%アップの5100万、ダウンロードは同2%アップの2,000を記録しています。同曲は1959年にリリースされています。

また米でもトップ10入りしたホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」は12→10位に。ストリーミングは前週比18%アップの4880万、ダウンロードは同20%アップの4,000を記録。1970年リリースのこの作品は、昨年のクリスマスシーズンに最高5位を記録しています。

 

ケリー・クラークソン「Underneath The Tree」がGlobal Excl. U.S.にて11→9位となり、初のトップ10入り(Global 200では10→6位に上昇)。2013年リリースの同曲はストリーミングが前週比16%アップの2890万、ダウンロードが同12%アップの1,000を記録しています。ケリー・クラークソンはGlobal Excl. U.S.にて初のトップ10入りを果たしました。

またディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」はGlobal Excl. U.S.において13→10位となり、こちらもキャリア初の同チャートトップ10入り。ストリーミングは前週比19%アップの2820万を記録しています。