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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】シャブージー、サブリナ、ガガ&ブルーノが記録的なヒットに

現地時間の9月30日月曜に発表された、最新10月5日付米ビルボードソングチャート(集計期間:9月20~26日)。シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」が11週連続、通算12週目の首位を獲得しています。

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」はストリーミングが前週比3%ダウンの2780万(同指標通算7週目の首位)、ダウンロードが同8%ダウンの8,000(同指標2位)、ラジオが同4%アップの7820万(同指標通算9週目の首位)を記録しています。

今回の首位獲得に伴い、シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は2024年における首位獲得週数がポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」の倍となりました。

<米ビルボードソングチャート 2024年に複数週首位を獲得した曲>

・12週 シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」 (2024年7月13日付以降)

・6週 ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」 (2024年5月25日付以降)

・5週 ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」 (2023年12月2日付以降) ※ 通算6週首位

・3週 フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」 (2024年4月6日付以降)

・2週 ケンドリック・ラマー「Not Like Us」 (2024年5月18日付以降)

・2週 テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」 (2024年5月4日付以降)

・2週 ビヨンセ「Texas Hold 'Em」 (2024年3月2日付以降)

また総合ソングチャート(Hot 100)と集計方法を同一とするホットカントリーソングチャートでは、「A Bar Song (Tipsy)」が16週目の首位を獲得しています。

さらに「A Bar Song (Tipsy)」は、2020年代の首位獲得作品として歴代3位タイとなりました。

<米ビルボードソングチャート 2020年代において10週以上首位を獲得した曲>

・16週 モーガン・ウォレン「Last Night」 (2023)

・15週 ハリー・スタイルズ「As It Was」 (2022)

・12週 シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」 (2024)

・12週 マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」 (2020-2023)

 (※ 通算14週首位 (2019年12月に2週首位を獲得))

・11週 ロディ・リッチ「The Box」 (2020)

・10週 アデル「Easy On Me」 (2021)

・10週 BTS「Butter」 (2021)

ビルボード66年の歴史において、12週以上の首位獲得はシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」が24曲目。すべての首位獲得曲の中でわずか2%のみが達成している記録となります。なお24曲すべて、米ビルボードが電子モニターによるルミネイト社のデータを採用した1991年11月以降に達成しており、この採用に伴い以前よりも長く首位を獲得することが一般的となっています。1991年11月以降、首位を獲得した曲で12週以上その座に就いたのは全体の6%となります。

 

「A Bar Song (Tipsy)」はシャブージーにとって、共演や客演を伴わない形で初めて総合ソングチャート100位以内にエントリーした作品。それまではビヨンセ『Cowboy Carter』に収録された2曲(リンダ・マーテルも参加した「Spaghetti」が4月に31位、「Sweet * Honey * Buckiin」が同じく61位を記録)がチャートインしていました。

ビルボードソングチャートの歴史において単独の主演歌手として初エントリーし、12週以上首位を獲得した曲を輩出したは4組のみとなります。

・リル・ナズ・X「Old Town Road (feat. ビリー・レイ・サイラス)」 (2019 19週)

・マーク・ロンソン「Uptown Funk! (feat. ブルーノ・マーズ)」 (2015 14週)

・ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」 (1996 14週)

・シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」 (2024 12週)

 

サブリナ・カーペンターが今週もトップ10内に3曲ランクイン。いずれも『Short N' Sweet』収録曲であり、「Espresso」は3位をキープしたほか、「Please Please Please」は9→8位、「Taste」は8→9位と逆転しています。

サブリナ・カーペンターの3曲以上同時トップ10入りは今回で5週連続となり、カーディ・Bが2018年に記録した3曲同時トップ10入りの記録(4週)を上回り女性歌手として単独最長を達成しています。なおこの3曲以上同時トップ10入りの記録については下記記事でも公開されており、5週以上を記録したのはザ・ビートルズ(1964 10週)、アッシャー(2004 6週)、50セント(2005 11週)、T-ペイン(2007 9週)、ジャスティン・ビーバー(2015-2016 10週)、ドレイク(2018 9週)に続き、サブリナ・カーペンターが7組目となります。

 

テディ・スウィムズ「Lose Control」は7位をキープ。米ビルボードソングチャートにおいて、史上7位タイとなる37週目のトップ10内在籍となります。

<米ビルボードソングチャート トップ10在籍記録>

・57週 ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」 (2020-2021)

・44週 ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」 (2021‐2022)

・41週 モーガン・ウォレン「Last Night」 (2023‐2024)

・41週 デュア・リパ「Levitating」 (2021)

・39週 ポスト・マローン「Circles」 (2019-2020)

・38週 ハリー・スタイルズ「As It Was」 (2022‐2023)

・37週 テディ・スウィムズ「Lose Control」 (2024)

・37週 グラス・アニマルズ「Heat Waves」 (2021‐2022)

・34週 テイラー・スウィフト「Cruel Summer」 (2023‐2024)

・33週 ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into The Spider-Verse)」 (2018-2019)

・33週 マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」 (2018-2019)

・33週 エド・シーラン「Shape Of You」 (2017)

 

総合10位はケンドリック・ラマー「Not Like Us」がキープ。ホットラップソングチャートでは20週目の首位となり、同チャート35年の歴史においてリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」と並び最長タイとなりました。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週1位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

2位 (2位) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」

3位 (3位) サブリナ・カーペンター「Espresso」

4位 (4位) チャペル・ローン「Good Luck, Babe!」

5位 (5位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

6位 (6位) ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」

7位 (7位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

8位 (9位) サブリナ・カーペンター「Please Please Please」

9位 (8位) サブリナ・カーペンター「Taste」

10位 (10位) ケンドリック・ラマー「Not Like Us」

 

『Mixtape Pluto』が最新10月5日付米ビルボードアルバムチャートを制したフューチャーは、アルバム収録の17曲すべてを総合ソングチャート100位以内に送り込んでいます。

これによりフューチャーの総合ソングチャート100位以内エントリーは217曲となり、ドレイク(338曲)、テイラー・スウィフト(264曲)に次ぐ3位に。また2024年においては最多となる49曲を100位以内に送り込んでいます。

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月5日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方にて、レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」が5連覇を達成しています。

レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」はGlobal 200でストリーミングが前週比1%弱アップの1億1780万およびダウンロードが同2%ダウンの9,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比1%アップの9390万およびダウンロードが同2%ダウンの5,000を、それぞれ記録しています。「Die With A Smile」は両者にとって、2020年9月に双方のチャートが始まって以来初となる首位獲得曲となります。

Global 200において、「Die With A Smile」はストリーミングが4週連続で1億回超えを記録しています。今年通算3週以上1億回超えを記録したのはケンドリック・ラマー「Not Like Us」(5~7月 3週)およびサブリナ・カーペンター「Please Please Please」(6~7月 3週)に続き「Die With A Smile」が3曲目となりますが、「Die With A Smile」はストリーミング再生回数が上昇を続けています(8月31日付の初登場時に7520万を記録して以降、9720万、1億580万、1億1140万、1億1740万そして1億1780万と推移)。クリスマス関連曲以外で4週続けて1億回超え、且つ増加を続けた曲はザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021年8~9月 4週連続)以来となります。

 

サブリナ・カーペンターがふたつのグローバルチャートにおいて、トップ10内に3曲エントリー。Global 200では「Espresso」が4→3位、「Taste」が3→4位、そして「Please Please Please」が6位をキープしていますが、2024年においてトップ10内に3曲同時エントリーを5週達成したのはサブリナが初となり、ビリー・アイリッシュおよびテイラー・スウィフトが2週で続いています。またGlobal Excl. U.S.では「Espresso」が4→3位に上昇したほか、「Taste」が6位、「Please Please Please」が7位をキープしており、このチャートでトップ10内に複数週3曲同時エントリーを果たしたのはサブリナが2024年で初、今回が5週目の記録となります。