イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

卒業関連曲のチャート動向、そしてRADWIMPS「正解」から考えるビルボードジャパン”合算”基準について

最新3月6日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、レミオロメン「3月9日」が74位に登場。総合100位以内登場は今年初となります。

上記は「3月9日」の直近150週分におけるCHART insight。カラオケ指標(緑で表示)がトップ20に入っていますが、獲得ポイントのおよそ半数はストリーミング(青)で占められています。一方でこの指標は100位未満(300位圏内)であることから、この指標の獲得が総合ソングチャートにおいて如何に重要であるかがよく解るはずです。

 

卒業ソングとして人気を集めるレミオロメン「3月9日」は、こちらのアンケートでも回答者の半数近くから支持を受けています。

さて今回、このアンケートで2位に入ったRADWIMPS「正解」についても紹介。最新のビルボードジャパンソングチャートではこの曲が「3月9日」を上回りトップ50入りを果たしていますが、CHART insightからは興味深い動きがみえてきます。

 

 

(上記はRADWIMPS「正解」における直近11週分のCHART insight。)

2月28日にフィジカルシングルが発売されたRADWIMPS「正解」は、最新のビルボードジャパンソングチャートで46位に。フィジカルセールス指標(黄色で表示)が初加算され、卒業シーズンであることも相まって総合100位以内に進出しています。この曲(厳密には”このバージョン”)はデジタルが1月に先行リリースされていますが、実は2018年からチャートを賑わせていることが下記150週分のCHART insightから解ります。

 

さて、こちらの動画は【2018年に放送されたNHKRADWIMPS 18祭 』のために書き下ろされ、アルバム『ANTI ANTI GENERATION』に収録した「正解(18FES ver.)」】の、番組でのパフォーマンス映像となります(【】内の引用元は後述)。

(NHKの公式YouTubeアカウント発ゆえ、通常の貼付ができません。NHK MUSICのアカウントも同様の対応が敷かれており、動画のスムーズな紹介を妨げかねないものとしてNHKに対し疑問を示します。)

この「正解 (18FES ver.)」は2018年12月19日公開分のビルボードジャパンソングチャートにおいて初めてダウンロード指標を獲得しますが、これは同バージョンを収録した『ANTI ANTI GENERATION』のアルバムチャート初登場週に当たります。

そしてこのリリースからおよそ5年3ヶ月後、初となるスタジオレコーディング版、いわばオリジナルバージョンが登場することに。なお、先述した【】内引用元もこちらとなります。

2018年に放送されたNHKRADWIMPS 18祭 』のために書き下ろされ、アルバム『ANTI ANTI GENERATION』に収録した「正解(18FES ver.)」を、この度スタジオレコーディングした正式な音源として5年越しにリリースすることが決定しました。

 

つまり、ビルボードジャパンソングチャートではRADWIMPS「正解」において、ふたつのバージョンが合算されているということになるのです。

 

ビルボードジャパンでは、言語のみの違いを除き合算しないというチャートポリシー(集計方法)を採用しており、問い合わせにて判明した内容(上記リンク先参照)は現在も変わっていないはずです。ただし、ライブパフォーマンス映像(THE FIRST TAKEを含む)については、オリジナル版と同様のISRC(国際標準レコーディングコード)がYouTubeに付番されていれば合算されます。この点に矛盾が発生しているというのが私見です。

RADWIMPS「正解」では音源において、異なるバージョンが合算されたことに。また、このタイミングにてビルボードジャパンのチャートページを確認すると、過去にランクインした際の曲名が「正解 (18FES ver.)」ではなく「正解」名義なのが気になっています。過去のダウンロード指標速報記事では「正解 (18FES ver.)」名義でのランクインが確認できていることもあり、この違和感は拭えません。

 

 

今回のRADWIMPSによる「正解 (18FES ver.)」と「正解」は、ライブレコーディングかスタジオレコーディングかで音源が異なります。進行が一緒ならば合算は理解できるとして、ならば合算についての基準をビルボードジャパン側が、(こちらから問い合わせて判明という形ではなく)一度はっきり説明してほしいと願います。それにより判断の是非を受け手共々考え、議論に至り、より好いチャートを作るきっかけとなるでしょう。

 

なお、このブログエントリーでは、すべてのバージョンの合算を提案し続けています(最新の提案内容は以下に掲載)。様々な理由を挙げていますが、ビルボードジャパンにおけるチャートポリシーの矛盾が解けることも、提案に至る理由です。