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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

LE SSERAFIM「EASY」から見える韓国、日本そして世界のチャート上位を目指す徹底した姿勢

K-POPの歌手は海外展開にも積極的です。チャートアクションの最大化をきちんと行っているというのが、そう考える理由です。

今回は上記ポストの理由について、詳しくお伝えします。

 

LE SSERAFIM「EASY」は2月19日月曜にリリースされたミニアルバムのタイトルトラック。

そして、アルバムリード曲の英語版、そして複数のリミックスが2月23日金曜にリリースされています。

(上記は「EASY (English ver.)」の公式ヴィジュアライザー。)

注目は、「EASY」の英語版等が金曜リリースだということ。金曜は米ビルボードによるグローバルチャート、また米ビルボードソングチャートやアルバムチャートにおける集計初日となります。つまりリリース初週のチャートアクション最大化を目指すには、金曜に配信を開始し1週間フル加算となることが大事となります。

K-POP歌手は金曜リリースも少なくないながら、基本的には月曜リリースが目立つ印象。これは韓国の音楽チャートが月曜を週間期間初日とするためであり、LE SSERAFIM『EASY』も月曜がリリース日となっています。その中にあってリミックスは金曜に設定され、グローバルチャート加算2週目(2月23~29日を集計期間とする3月9日付)での上昇が見込める形です。各種リミックス版もグローバルチャートでは合算されます。

(ちなみにLE SSERAFIM『EASY』はユニバーサルミュージック傘下からのリリースであり、このユニバーサルミュージックグループは現在TikTokから音源を引き上げている状態です。LE SSERAFIM「EASY」におけるスピードアップ(Sped Up)やスローダウン(Slowed + Reverb)のリミックスは、(他のショート動画サービスもさることながら)TikTokで使用されることを想定して用意されたものと考えます。)

 

LE SSERAFIMは昨秋配信の「Perfect Night」が米ビルボードによるグローバルチャートのうちGlobal 200で18位、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では8位を記録し、双方でキャリア最高位を更新。同曲はリリースからおよそ3か月後に最高位を更新した形ですが、そのリリース日は10月27日金曜ということも特筆すべきであり、初の英語詞曲ということも含め「Perfect Night」では海外仕様の施策が採られたといえます。

この「Perfect Night」を踏まえ、韓国語曲の「EASY」は韓国をベースにしつつ、ワールドワイドでも訴求可能な施策が実行されたと捉えています。

 

さて、日本では別の施策が登場しています。

LE SSERAFIM「EASY」を対象としたLINE MUSIC再生キャンペーンは2月21日水曜から開催。日本の音楽チャートにおける集計期間3日目ながらフィジカルの標準リリース日である水曜は現在でも重要な曜日と位置付けられており、またLINE MUSICでは週間チャートの集計初日に当たることから、同曲では日本的(そしてLINE MUSIC的)なキャンペーンもきちんと行っているといえます。

(なおLINE MUSIC再生キャンペーンはビルボードジャパンにおけるソングチャートのストリーミング指標にも反映されますが、その際は他のサブスクサービスの動向と比較して真の社会的ヒットに至るかを判断する必要があります。ちなみにLINE MUSICは米ビルボードによるグローバルチャートの加算対象ではないことが、『ビルボードジャパンの挑戦 ヒットチャート解体新書』(礒崎誠二著)にて明記されています(145ページ参照)。)

 

LE SSERAFIMは最新作に関する動画も充実しているのですが、「EASY」英語版リリース後にその英語版、そして「Perfect Night」のライブパフォーマンス映像(同じコンセプトに基づく)を公開しており、「Perfect Night」を足掛かりにやはりワールドワイドな活躍を目指しているというのが自分の見方です。そしてこれら動画は、日本で再生された分がビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標に加算されます。

 

LE SSERAFIM「EASY」は日本時間の明日発表予定の米ビルボードによるグローバルチャート、そして明後日発表されるビルボードジャパンソングチャートでの初登場が見込まれます。また英語版やリミックスについては翌週のグローバルチャートや米ビルボードソングチャートに反映(オリジナル版に合算)されます。個人的には、米ソングチャートでの100位以内エントリーが叶うかが特に気になるところです。