イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) Hey! Say! JUMPデジタル解禁後のチャート動向、ビルボードジャパンへの提案も含めて記す

(※追記(15時38分):曲名に誤りがありました。「Ready to JUMP」と記載していましたが、正しくは「Ready to Jump」でした。つきましては訂正の上、お詫び申し上げます。)

 

 

 

最新11月1日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、Hey! Say! JUMPのEP『P.U!』から「Ready to Jump」が15位に初登場、そして「DEAR MY LOVER」は67位に再登場し、2曲が100位以内にエントリーを果たしています。

 

Hey! Say! JUMP初のデジタル解禁作品となるEP『P.U!』については、以前紹介しました。

このエントリー掲載後に公開された「Ready to Jump」のミュージックビデオはフルバージョンにてアップされており、デジタルへの前向きな姿勢を感じるに十分です。『P.U!』1曲目に収録された同曲はダウンロード指標で首位に至り、総合ソングチャートで15位発進を果たしました。

また、Hey! Say! JUMP初のデジタルEP『P.U!』の「Ready to Jump」が15位に初登場。バンドル合算を含むダウンロード数が26,719DLで1位、動画再生も約255.2ポイントを稼ぎ26位を獲得した。

 

さて、まずはバンドルの扱いに関してビルボードジャパンに対し要望を記します。

Hey! Say! JUMP『P.U!』はビルボードジャパンとオリコンで扱いが異なり、全体の購入が前者はソングチャート、後者はアルバムチャートに反映されています。ただし上記ポスト内の記事では当初『バンドルも含む』が抜けていたため、EPとして売れた分はどのようにカウントされるのかが不明瞭となっていました。他方オリコンでは合算ランキングにおけるバンドルについて、計算方法までを明確化しています(→こちら)。

他方、【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 | Special | Billboard JAPANではバンドルの取扱が未掲載となり、上記リンク先に一部説明があるのみとなります(『2020年3月16日付チャート以降』の一文を参照)。ビルボードジャパンはオリコン並に解りやすい表現にて、バンドルについて説明してほしいと願います。加えて、EPをソングチャートとアルバムチャートのどちらに振り分けるのか、その基準についての明確化も希望します。

 

Hey! Say! JUMP「Ready to Jump」に話を戻すと、CHART insightからはポイント獲得源がダウンロード(紫で表示)と動画再生(赤)の2指標となっていることが解ります。

他方、「Ready to Jump」ではストリーミング指標が加算されていません。この指標は日本においてリリース週から高いということはあまりないのですが、それでも300位以内未達に伴う指標未加算は勿体ないといえます。Hey! Say! JUMPの(もっといえばデジタル未解禁が多い旧ジャニーズ事務所所属歌手の)コアファンの方々において、サブスクに慣れ親しむことが重要になってくるものと感じています。

 

他方、『P.U!』に唯一の既発曲として収録された「DEAR MY LOVER」(山田涼介さんが出演したドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS)主題歌)はストリーミングで92位に入り、ストリーミング指標(CHART insightでは青で表示)の獲得ポイントが全体の半分を超えました。これがソングチャート100位以内再エントリーの大きな要因となっています。

「DEAR MY LOVER」についてはドラマ主題歌であること(それも同じTBS、同じ火曜22時の時間帯)、メンバーが出演していること、動画再生指標が好調なことという共通項を踏まえ、Kis-My-Ft2Luv Bias」(2021 玉森裕太さんが出演した『オー!マイ・ボス! 恋は別冊で』(TBS)主題歌)のように(一部限定ながら)早い段階でダウンロードを解禁すればソングチャートの動向は変化するものと捉えていました。

「DEAR MY LOVER」はドラマ終了から数ヶ月が経過しようやくデジタル解禁に至ったのみならず、「Ready to Jump」以上のストリーミング数を獲得。さらにダウンロード指標では『P.U!』収録曲の中で2番目に高くなっています。

これらから、フィジカル/デジタルの双方で解禁されれば所有の選択肢が増えダウンロードでも人気を獲得できるということ、またストリーミングの状況からドラマファンもチェックしているだろうことがみえてきます。後者においては歌手のコアファンではない方も含まれると考えるに、デジタル解禁がドラマを経て歌手のコアファンになるきっかけに成るものと捉えていいでしょう。

 

 

Hey! Say! JUMPが今後デジタルを本格的に解禁させるかが今後の注目点ですが、『P.U!』収録の全作品を含むニューアルバム『PULL UP!』については現時点でデジタル解禁のアナウンスがないことが気になります。

ともすれば『P.U!』がアルバム『PULL UP!』のリード曲的な位置付けとして用意されたのかもしれません。そしてアルバムを(少なくともフィジカルリリース週までに)デジタル化しないならば、旧ジャニーズ事務所側にとってはフィジカルが最重要というスタンスは継続するものと考えていいでしょう。アルバムのデジタル解禁がどうなるかについて、注視していこうと思います。

 

なお、Hey! Say! JUMP側のこのリアクションは注目に値します。

上記は『P.U!』がオリコンデジタルアルバムランキングを制した際の反応(→こちら)に続くものとしてポストされていますが、旧ジャニーズ事務所所属歌手はこれまでオリコンランキングへの言及はあってもビルボードジャパンに対しては極めて少なかったという印象があります。デジタル解禁のみならずビルボードジャパンへの姿勢の変化も、今年の旧ジャニーズ事務所側のスタンスの改善を象徴する出来事と捉えています。

(そして歌手のポストによってチャートが注目されるようになったならば尚の事、ビルボードジャパンは『P.U!』のバンドルをソングチャートへ組み入れたことやそもそもバンドルの取扱について、より解りやすい形で記す必要があると考えます。)