イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「Bad B*tch 美学 Remix」そして「Mainstream」…『ミュージックステーション』初披露後のSpotify動向を確認する

ビルボードジャパンソングチャートのうちストリーミング指標データ提供元のひとつであるSpotifyでは、デイリーチャートにて200位までの順位および再生回数が可視化されます。最新9月30日付においては、前日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の影響が反映されています。

 

実は放送日の段階で183→115位に大きく伸びており、2日連続での急上昇はまさしく『ミュージックステーション』効果といえます。リミックス版は7月26日付Spotifyデイリーチャートにて最高位となる58位を記録しており、今回の再浮上はテレビパフォーマンスを機により多くの方に"見つかった"とも考えられます。

 

 

さてこのブログではBE:FIRST「Mainstream」について、ビルボードジャパンソングチャートでの動向を取り上げてきました。BE:FIRSTは特に初動(初登場週)が強く、コアファンの連帯を招く歌手側の施策の巧さやファンダムの高い熱量がJ-POP屈指であると記した一方、ライト層をどう惹きつけるかという課題についても紹介しています。

その「Mainstream」は日本のSpotifyデイリーチャートにおいて、9月29日付の再生回数前日比が90.7%(22→34位)、9月30日付では同102.3%(34→39位)という状況です。

 

日本のSpotifyデイリーチャートで50位までにランクインした曲において、9月29日付では「Mainstream」の前日比が最も低くなっています。これはライト層の流入以上に、コアファンの方々がSpotifyでの聴取から『ミュージックステーション』の視聴に行動を移したことが再生回数を下げた要因かもしれません。3時間という尺の長さにより移行時間が長くなったことも一因と考えられます。

また同曲の9月30日付における再生回数前日比は50位以内では5番目に低い状況であり、前週土曜の動向を想起させます。

この土日は大阪にてBMSG FES'23が開催されており、上記ポスト(ツイート)と似た動向を辿ったといえるかもしれません。

 

一方で、日本のSpotifyデイリーチャートでは9月22日→23日に比べて9月29日→30日の再生回数前日比が全体的に低くなっています(前週は多くの曲で1割以上伸びていたものの当週は5%強の上昇にとどまっています)。その中でBE:FIRST「Mainstream」の再生回数が前日割れとならなかったのは興味深いといえます。

『Mainstream』はBMSG FES'23大阪公演の開催日においても前週同様に再生回数が前日を割り込んだ可能性もありましたが、BE:FIRSTコアファンの聴取行動が公演により減った一方で彼らの『ミュージックステーション』出演に伴いライト層が流入したことで、トータルでは微増に至ったと捉えることもできるかもしれません。

 

 

無論、『ミュージックステーション』効果については放送からおよそ1週間の動向を踏まえて判断する必要があります。これは他のテレビ番組についても同様であり、またテレビでの話題はストリーミング以上にダウンロード指標により大きく反映されるというのが通常です。

一方でSpotifyのデイリーチャートにおける動きからは様々なことが想起可能です。日本(のチャート)においては最も広く用いられ且つ施策が活きにくいApple Musicでヒットすることがより重要ではありますが、LINE MUSICも含めた主要サブスクサービスの動向を日々追いかけ、メディア出演効果と(コアファンも無論重要ながら)ライト層の動向を追いかけることを歌手側、そしてコアファンの方々に提案します。