9月29日に放送される『ミュージックステーション』(テレビ朝日)にBE:FIRSTが初出演を果たします。下記ポスト(ツイート)における"最新曲"とは「Mainstream」を指し、同曲は明後日発表の9月20日公開分ビルボードジャパンソングチャートで初登場する予定です。
【出演者・楽曲解禁 第1弾👀】
— music station (@Mst_com) 2023年9月15日
次回の #Mステ は
9/29(金)よる6時50分から3時間SP😎😎
(※一部地域を除く)
BE:FIRSTがMステ初登場💥最新曲&「Bye-Good-Bye」披露🕺
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この初出演については、今月のジャニーズ事務所による会見が影響したという見方があります。しかしそれは異なるだろうと考え、毎日新聞の記事に引用リポスト(引用RT)する形で私見を提示しました。
今夏はUVERworldの客演としてメンバーが登場し、直近ではストリーミングヒット曲として彼らの曲が取り上げられたばかり。
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年9月10日
番組制作側にはきちんと出演へ至らせようと動いていた方がいたことが推測可能であり、会見の存在は大きいとしてもそれが180度覆らせた契機ではないと考えます。 https://t.co/haxUJ4Cnh5
上記ポスト(ツイート)における"それが180度覆らせた契機ではない"という表現は、正しくは"それだけが180度覆らせた契機ではない"でした。しかし実はこの会見自体が契機になってはいないということが後に判明しています(その点も後述します)。では、『ミュージックステーション』側の変化について記していきます。
まず、『ミュージックステーション』においてLDH所属歌手やK-POP歌手を除きジャニーズ事務所所属歌手以外の男性アイドル/ダンスボーカルグループが基本的に登場できていないのは事実でしょう。その点については、現在のヒット曲がストリーミング主体であること(特に"億超え"が重要な要素になっている点)、またDA PUMPの再登場やDISH//の初登場がヒットのタイミングから遅れたことを踏まえ、下記にて提示しています。
2年前のエントリーにて大きく取り上げたのはDa-iCE「CITRUS」でした。この曲は後にストリーミング3億回再生を突破し、「スターマイン」もスマッシュヒット。加えてテレビ朝日関連では『仮面ライダー』シリーズや今年春クールのドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の主題歌を担当し、後者における「ダンデライオン」はTHE FIRST TAKEでも披露されています。
タイアップ作品と放送局が同じこと、また今年5月にはアルバム『SCENE』をリリースしたこともあり、Da-iCEが『ミュージックステーション』に出演する資格は十分と捉えていたのですが、状況が変わることはありませんでした。
DA PUMPやDISH//以降、男性アイドル/ダンスボーカルグループがブレイクしても、『ミュージックステーション』ではこれまで以上に出場しにくい状況が生まれていたといえるでしょう。しかし次回出演するBE:FIRSTはストリーミング億超えを達成、またフィジカルセールスで強さをみせるJO1およびINI、さらに昨年「チグハグ」がバイラルヒットとなったTHE SUPER FRUIT等も、本来は出演しておかしくなかったはずです。
今回における変化は、所属事務所に関係なく男性アイドル/ダンスボーカルグループを出演させている『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)の存在も大きいと考えます。またそのTBSでは夏の音楽特番『音楽の日』においてダンスコラボ企画を実施し、Travis JapanとBE:FIRST等が同じ画面に映る状況が生まれました。識者の中には配置等の面にてまだ不十分という見方もありますが、TBSは柵(しがらみ)の破壊に積極的だといえるでしょう。
加えて、今夏の地上波テレビ局における音楽特番(通常番組の長時間特番は除く)において、最も多く出演していたのはBE:FIRSTでした。上記は個人的な調査の結果報告ですが、通常番組も含めた男性アイドル/ダンスボーカルグループの番組出演本数調査については『日経エンタテインメント!』最新号でも行われており、こちらでもBE:FIRSTが上位に登場。ここからも『ミュージックステーション』の状況が可視化されています。
【10月号表紙解禁!】
— 日経エンタテインメント! (@nikkei_ent) 2023年8月24日
◆表紙(通常版)&巻頭 #BEFIRST
◆特集 ボーイズグループ新潮流
◆緊急ロングインタビュー #三宅健
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これら外的要因も変化の理由として考えられるものの、それでも『ミュージックステーション』が独自の道を歩み続ける選択もできたはずです。それが変わったのは、番組の現状を冷静に捉え、変わる必要があるとして動いた方による自省、自浄ゆえと捉えています。
#Mステ😎
— music station (@Mst_com) 2023年7月17日
7/21(金)よる9時から生放送❕
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🎶出演#UVERworld#少年忍者#NiziU#MISAMO#MrsGREENAPPLE
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TWICEのユニット
MISAMOが最新曲を
TV初パフォーマンス🐧🐹🍑
UVERworldは
BE:FIRST SHUNTOコラボ曲を
TV初披露🧢#今週のMステ気になる人RT pic.twitter.com/JWL0KONqpZ
7月21日放送の『ミュージックステーション』ではUVERworldが、BE:FIRSTのSHUNTOさんを迎えた「ENCORE AGAIN」を披露しています。この曲は同週リリースされたアルバム『ENIGMASIS』に収録されておりリード曲の役割を担っていますが、実はこの週にはANARCHYさんを迎えた「FINALIST」のミュージックビデオも公開されています(→こちら)。
仮に『ミュージックステーション』がジャニーズ事務所以外の男性アイドル/ダンスボーカルグループを出さないという傾向ならば、UVERworldに対して「FINALIST (feat. ANARCHY)」の披露を依頼したものと考えます。尤も男性アイドル/ダンスボーカルグループにおいてはDISH//の北村匠海さん、w-inds.の橘慶太さんがソロで出演したことがあるため、その流れでSHUNTOさんが出演できたと解釈することは可能です。
ただし、北村匠海さんは山崎まさよしさんとの共演で初出演を果たした際、山崎さんの手引がなければ番組内でDISH//のメンバーであることを訴求できなかったと捉えています。上記エントリーでは『ミュージックステーション』に対する不信感を記載していますが、UVERworld出演時においてはSHUNTOさんにも話が振られ、そして写真等にてBE:FIRSTもきちんと登場していたことに、番組の意識の変化を強く感じた次第です。
そして直近となる9月8日放送回では、BE:FIRSTがVTRに登場。過去5年における月間単位でのストリーミングソングチャート首位獲得曲をまとめて紹介するという企画にて「Bye-Good-Bye」が紹介されています。下記ポスト(ツイート)内動画でも、同曲が大きく取り上げられていることが解ります。
#Mステ😎
— music station (@Mst_com) 2023年9月4日
9月8日(金)
よる9時から生放送❕
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🎶出演#AI#ENHYPEN#SnowMan#Perfume#布袋寅泰#マカロニえんぴつ
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布袋寅泰は#10FEET TAKUMAらと
SPバンドでロックの名曲🎸
特集では
過去5年の音楽サブスク
月間1位 全部見せ🥇👀
大ヒット曲だらけの1時間🌟#今週のMステ気になる人RT pic.twitter.com/jbJpBxElWz
企画VTRが流れる間、ワイプにはスタジオ出演者が登場していましたが、BE:FIRST「Bye-Good-Bye」紹介のタイミングでSnow Manのメンバーが複数映っていることも注目といえます。VTRでジャニーズ事務所所属歌手以外の男性アイドル/ダンスボーカルグループが登場した際はワイプにジャニーズ事務所所属歌手が登場しないという傾向が高かったのですが、そのこともはっきり変わったと考えていいでしょう。
(なお以前、『CDTVライブ!ライブ!』でBE:FIRST「Bye-Good-Bye」がVTRに登場した際、なにわ男子の道枝駿佑さんが口ずさんでいました(ブログで紹介しています→こちら)。ただその後はその傾向が極度に減っていたという印象ですが、今回の『ミュージックステーション』ではSnow Manのラウールさんがこの曲を口ずさんでおり、あらためてBE:FIRSTの存在の大きさ、「Bye-Good-Bye」の浸透度の高さを感じた次第です。)
7月以降のこれらの状況から、『ミュージックステーション』が自ら変化したことが感じられます。そしてそれがBE:FIRSTの招聘につながったというのが自分の見方です。
さらに注目すべきは、BE:FIRSTの『ミュージックステーション』出演がジャニーズ事務所の会見より前に決まっていたということ。これは表立って発表されているわけではありませんが、出演がアナウンスされた日にファンクラブ向けに公開された動画にて、SKY-HIさんがBE:FIRSTに対し8月の段階で番組出演を告げていたことが判明しています。
(X(Twitter)にて"#BEFIRST #Mステ 8月"と検索すれば、ファンの方による複数のポスト(ツイート)が確認可能です。)
番組側がどのタイミングにて出演を打診するかは解りかねますが、今回においてはジャニーズ事務所の会見およびそこでのやり取りとは関係なく『ミュージックステーション』側がBE:FIRSTを出演に至らせたと断言可能です。BE:FIRSTを出演させたいという思いが番組側にあり、そのために今夏以降の番組にて二度の段階を踏んだと捉えることも可能でしょう。
なお、BE:FIRSTの初出演決定が放送の少なくとも1ヶ月前だったことを踏まえれば、SHUNTOさんの客演での出演決定も同じく1ヶ月ほど前、すなわち6月だったと捉えていいかもしれません。となるとTBS『音楽の日』のダンスコラボ企画放送よりも前に決まっていたということになります。
もうひとつ。直近の放送回にてビルボードジャパンがデータ出典に協力していたことも注目です。『ミュージックステーション』では以前からビルボードジャパンのデータを取り上げていましたが、企画VTR冒頭のナレーションにてビルボードジャパンの名が登場したのはいい意味で驚きでした。
ビルボードジャパンではジャニーズ事務所所属歌手の作品は週間ソングチャートを制することができても、サブスク未解禁ゆえに年間単位では強くない状況です。フィジカルセールスのみのオリコンランキングや、複合指標から成るチャートでもフィジカルのウエイトが高いオリコン合算シングルランキングを使うほうがジャニーズ側には好いでしょうが、直近の放送回ではサブスクの大ヒット作品を長尺で紹介するに至っています。
この企画はBE:FIRST出演の流れを作る側面もあったかもしれませんが、サブスクそしてそれを指標の基とするストリーミングのウエイトが高いビルボードジャパンソングチャートが社会的ヒットの鑑であると『ミュージックステーション』側が考えていることの証明ともいえるでしょう。そしてともすれば、ジャニーズ事務所側にストリーミングの重要性を唱えデジタル解禁を促したと考えるのも、大げさではないかもしれません。
冒頭で紹介した毎日新聞の記事を再掲しますが、ここでの『ミュージックステーション』側の発言はおそらく事実だとして、メディアが多用する匿名関係者での発信なのは気になります。また番組側の忖度やジャニーズ事務所側の圧力があったかに関しては長年の慣例が強固にさせた結果とも考えられ、物理的な証拠はないだろうというのが私見です。
その中で、たとえばSMAPの3名が新しい地図として独立した後にメディア出演が不十分だったことで公正取引委員会が動いたのはひとつの契機に成ったとみています。また今回のジャニーズ事務所の会見において、忖度に関するいわば言質を取ったことは今後の状況変化に有効に作用するかもしれません。それでもBE:FIRSTの初登場は、たとえ遅れたとしても『ミュージックステーション』の自省と自浄に基づく決定だと考えます。
このブログではジャニーズ事務所所属歌手の厚遇と他の歌手の冷遇といえる状況に異を唱え続けてきましたが、仮にこのブログがメディアの客観視や公平性確保の動きにつながったならば嬉しく思います。極々微力なのは承知で、しかし述べ続けること、そして決して見捨てず改善を信じることの重要性を今回強く感じた次第です。そして何より、SKY-HIさんは日本の慣例に風穴を開けた最重要人物といえるでしょう。
俺はこの高校生達がデビューする頃には、当たり前に夢が見れる日本にするんだ。絶対。 https://t.co/t8BCj6cnsU
— SKY-HI (@SkyHidaka) 2023年9月15日
『ミュージックステーション』に対してはBE:FIRST以外の歌手も分け隔てなく出演できるかを注視する必要がありますが(さらには他の番組も含め、ジャニーズ事務所所属歌手との自然なやり取りができていくかにも注目しています)、今回番組側がBE:FIRSTの出演を決めたことはその流れにつながるものとして純粋に評価することが必要と考えます。その評価が番組をポジティブに変えていく力へと成っていくでしょう。
ジャニーズ事務所初代社長による性加害問題は早急な、完全な形での解決が必要です。この問題を薄々知りながらスルーしたメディアそして個人が多いことが状況の悪化を招いたと考えれば、一人ひとりがきちんと省みた上で最善策を提案し構築していくことが大事だと考えます。そして一人ひとりが自身に宿る責任を意識すれば、問題を追及する際の言葉が刃になることはないでしょう。
冒頭に掲載した自分のポスト(ツイート)の続きを一部掲載し、解決へのスピードが速まることを心から願います。
もっと言えば、この忖度と言える状況は昔から続いていた以上、それを動かしてこなかった音楽業界やメディアは総じて自らの行動を省みるべきです。番組の忖度だけが問題ではなく、それを分かっていながら効果的な動きをしなかったのではないかと感じています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年9月10日
今になって散見される“前から知っていた”だったり“薄々分かっていた”という発言や見方は、この問題に限らず、また問題の大きさに限らずよく耳にすることです。本来やらないといけないのは問題が分かった段階で解決に動くこと、および問題が起きない(再発しない)ようルール策定を行うことです。
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年9月10日
8年半前のブログの言葉を再掲します。
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年9月10日
『”干される”という言葉は、”干す”という言葉が在って生まれる言葉。干すことを平気で行う当事者と屈するメディア、そして”干される”と言って嘲笑う市井。この三者が良好な関係で成り立っているからこそ成立する言葉なんですよね』https://t.co/WvbXZPz9s1
『まずは自分が、自分の良心に従ってその言葉を使わないという思いを抱いて行動すれば、ちょっとでも事態が好転するものと思いたいですね。』
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年9月10日
自分はブログ以外にカードはありませんが、ブログは日々記し続けています。業界内の方々の自省を呼んだならば嬉しく思います。https://t.co/WvbXZPz9s1