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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週および当週の上位初進出曲におけるCHART insightから、真のヒット曲に成るかを読む (2023年8月16日公開分)

今回のエントリーでは、ビルボードジャパンソングチャートにおいて前週上位に初めて進出した曲(下記エントリー参照)の翌週動向、そして最新週における上位初進出曲の状況をチェックし、真の社会的ヒット曲に成るかを読んでいきます。

最新のソングチャートは下記をご参照ください。

 

まずは前週のエントリーにて紹介した上位初登場曲の、最新チャートにおける動向をCHART insightを用いて紹介します。このCHART insightについては、下記ツイートにて簡潔に説明しています。

 

<2023年8月9日公開分 ビルボードジャパンソングチャートにて

 20位までに初めて登場した作品の、翌週におけるCHART insight>

 

・THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「Summer Riot ~熱帯夜~」 前週2位→10位

・NGT48「あのさ、いや別に•••」 前週5位→100位未満(300位圏内)

宇多田ヒカル「Gold ~また逢う日まで~」 前週10位→36位

サザンオールスターズ「歌えニッポンの空」 前週13位→94位

 

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「Summer Riot ~熱帯夜~」はトップ10内をキープ。ラジオ指標が2週続けてトップ3をキープしている状況も大きいといえます。また前週のエントリーでも紹介したようにLINE MUSIC再生キャンペーンが採用され、対象期間は8月末までと長期に渡ることも要因でしょう(ハードルは最大9,999回に設定)。ゆえに9月以降の動向を踏まえ、真の社会的ヒット曲に至るかを見極める必要があります。

宇多田ヒカル「Gold ~また逢う日まで~」およびサザンオールスターズ「歌えニッポンの空」は大きく後退。両者ともテレビ出演の度に大きな話題となる(テレビ局側も大きく取り上げる)ことから、その出演後にサブスクへの誘導をしっかり行うことで中長期でのヒットが狙いやすくなるでしょう。前者は「First Love」がヒットし、後者は「真夏の果実」が今上昇しており、サブスクで新曲もヒットするポテンシャルは十分です。

 

 

続いて、最新ソングチャートにおいて初めてトップ20入りした作品のCHART insightをチェックします。

<2023年8月16日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 20位までに初めて登場した作品のCHART insight>

 

・4位 (初登場) 関ジャニ∞「オオカミと彗星」

・6位 (初登場) めいちゃん「エンジョイ」

・16位 (前週56位) back number「怪獣のサイズ」

・17位 (前週22位) 崎山蒼志「燈」

・18位 (初登場) Official髭男dism「Chessboard」

 

最もヒットの理想形に近いといえるのは崎山蒼志「燈」でしょう。アニメタイアップというバックアップもありますが、口コミで話題になってきていることがラジオやストリーミング等接触指標群の上昇から見て取れます。

同じく前週から上昇したback number「怪獣のサイズ」は、当週が初の1週間フル加算に伴う上昇。特にポイントの半分近くをラジオ指標が獲得しているのですが、この指標は他に比べて上位をキープしにくい傾向があるため、ラジオの失速をストリーミングや動画再生等他指標でどこまでカバーできるかが今後の課題といえるでしょう。ラジオ指標の基となるプランテックのOAチャートは下記をご参照ください。

 

そして関ジャニ∞「オオカミと彗星」およびめいちゃん「エンジョイ」は1指標のみで全ポイントを獲得。後者については後日解説しますが、前者は最近のジャニーズ事務所所属歌手によるシングルの中でも極度にフィジカルセールス指標に偏る形となりました。前週ほぼフィジカルセールス指標のみで上位に進出したNGT48「あのさ、いや別に•••」に倣い、次週「オオカミと彗星」が100位圏外にダウンする可能性は高いでしょう。

ほとんどの歌手が未だデジタルを解禁しないジャニーズ事務所所属歌手にあって、特にKing & Prince以降は動画再生指標が強くなっており、ベテランと若手との差が拡がっていることがCHART insightから見えてきます。この点については明日、ジャニーズに限らず広く男性アイドル/ダンスボーカルグループにおけるCHART insightを紹介、比較した上で私見を記す予定です。