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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】YOASOBI「アイドル」12連覇、一方で気になる数値とは

最新7月5日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:6月26日-7月2日)ではYOASOBI「アイドル」が初登場から12週連続で首位を獲得しました。

YOASOBI「アイドル」は連続且つ通算での首位獲得週数が13となり、後者では最長記録を保持するOfficial髭男dism「Subtitle」にあと1週と迫っています。記録更新は確実と思われますが、一方で気になるのはポイントダウンについてです。

最新週におけるポイント前週比は79.7%。これは前週フィジカルセールス指標が初加算されたことの反動に伴う部分が大きく、フィジカルセールスは大きくダウンしています。ゆえに他指標が補う形にて、総合ポイントの下げ幅が2割減にとどまったと捉えることが可能です。

他方、気になるのはストリーミングの推移。最新チャートの集計期間には「アイドル」がオープニングテーマに起用されたテレビアニメ『【推しの子】』が最終回を迎えたこともあり、ポイントの下げ幅がもっと抑えられるという可能性も考えられました。総合チャートの記事にあるように、同作品のエンディングテーマである女王蜂「メフィスト」はダウンロードや動画再生指標が伸び、総合ポイントも1割近く伸びています。

実際、YOASOBI「アイドル」は前週から最新週にかけて、速報値(集計期間前半3日間)の段階ではストリーミング再生回数が上昇していました。これはビルボードジャパンによる先ヨミ記事から解ります。

ストリーミング再生回数が速報値段階で7,012,585→7,205,226回と上昇したのは『【推しの子】』最終回効果と思われますが、一方で週報では22,583,282→20,909,410となり最新週では減少に転じています。前半3日間の再生回数は前週比102.7%だったものが後半4日間では15,570,697→13,704,184回、前週比では88.0%とダウンに転じています。

(なお、Streaming Songsチャートにおける再生回数を基に、デジタルプラットフォーム有料会員の1回再生と無料会員のそれとでウエイトを付けて計算され、ストリーミング指標がはじき出されます。)

この点はビルボードジャパンによる最新のポッドキャストでも言及されています。YOASOBI「アイドル」については『【推しの子】』のファンのみならず、TikTokUGC(歌ってみた等に代表されるユーザー生成コンテンツ)を契機とする活用のファンが多く、後者がアニメ最終回放送時にそこまで盛り上がらなかったことが、今回の減少に影響したと言えるかもしれません。

 

加えて、「アイドル」では緩やかながらも、再生回数に占めるSpotifyの比率が高まっています。

上記は2023年度におけるStreaming Songsチャート首位曲の推移ですが、Official髭男dism「Subtitle」ではSpotifyの比率が最終的に25.2%まで上昇していました。

Spotifyは再生回数の2割ほどを占めると言われていますが、若年層の利用が多いLINE MUSIC、またApple Musicと比べて動きは保守的と言われています。それを踏まえるに、LINE MUSIC等での人気がわずかでも落ち着いてきたことでSpotifyでの再生回数が目立つようになると捉えていいでしょう。「アイドル」のSpotify比率はまだ2割に満たないものの、チャート面ではともすればピークを過ぎたと言っていいのかもしれません。

 

とはいえ、最新週では2位との差がおよそ8千ポイントもあり今も独走体制にあるYOASOBI「アイドル」の凄さには驚かされます。早ければ2週後に総合首位獲得週数で単独での最長記録を樹立する可能性が高く、今後は首位を何週まで伸ばすか、そしてライバルが登場するかが注目ポイントと考えます。

この長期首位獲得は米ビルボードでも。最新7月8日付にてモーガン・ウォレン「Last Night」は通算13週目の首位に立ち、独走体制を続けています。ともすれば次週初登場するオリヴィア・ロドリゴ「Vampire」の首位到達を阻むかもしれないといわれており(下記ツイート参照)、日米共にチャート最上位の動向に注目です。