最新6月21日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:6月12-18日)ではYOASOBI「アイドル」が初登場から10週連続で首位を獲得。ポイントは8週続けて2万ポイントを突破しています。
【ビルボード】YOASOBI「アイドル」4週連続4部門で1位獲得、V10の大台に到達 SixTONES「こっから」総合2位に初登場 https://t.co/MgLcsOsiTa pic.twitter.com/v6phVJ3rgb
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年6月21日
総合ソングチャートの記事によると、YOASOBI「アイドル」はダウンロード指標以外がいずれも増加に転じています。ダウンロードは前週比85.0%と比較的大きくダウンしながら、ストリーミング指標の基となる再生回数は同102.7%に増加し、獲得ポイントは前週比101.7%を記録。指標構成はラジオ(3位)を除き、すべて1位をキープしています。
さて、ビルボードジャパンのスタッフによる最新ポッドキャストではラジオ指標の上昇を特筆すべき点として挙げています。ビルボードジャパン側は「アイドル」が米ビルボードのグローバルチャートのうちGlobal Excl. U.S.(Global 200から米の分を除いたもの)を制した効果が遅ればせながら来たゆえではと予測していますが、当週のラジオ指標上昇は予見できたことでした。
前週は首都圏のみならず関西圏、中京圏も聴取率調査週間に該当。ラジオ業界ではスペシャルウイークと銘打ち豪華ゲストやプレゼントが用意されていましたが、その聴取率調査週間週はOA曲の傾向も通常と異なり、最近のヒット作品が増えます。この点については3年前に、ブログにて分析しています。
ラジオエアプレイは他の指標と異なり一押しの新曲や新人を紹介する傾向が強く、総合チャートとは順位が大きく乖離しているもののその独自性が面白い指標という印象があります。しかしながら、スペシャルウイークでは普段ラジオをあまり聴かない方にも聴いてもらうべく、ここ最近ヒットしている曲をより多くかける傾向があるのだろうということが「Pretender」や「白日」のチャートアクションから見て取れます。
最新チャートのCHART insightにおいて、たとえばYOASOBI「夜に駆ける」は2ヶ月ぶりにラジオ指標が加点されてます(ラジオ指標は黄緑で表示し、同指標のみ抽出分も掲載)。またAdo「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」はこの指標で1ヶ月ぶりに加点されたのみならず、28位という高位置につけています。なお「夜に駆ける」が前回加点された4月26日公開分の集計期間は、4月度の聴取率調査週間週となっていました。
また今年度上半期ソングチャートを制したOfficial髭男dism「Subtitle」は最新チャートにおいてラジオ指標40位に返り咲き。3週ぶりの加点となりますが、100位以内の登場となると前回の聴取率調査週間となる4月26日公開分以来となります。
直近のヒット曲がすべてこのような動きをするとは限りませんが、興味深い動向です。聴取率調査週間(およびそれを踏まえたスペシャルウイーク)時のラジオ業界はリスナーに馴染み深い直近の大ヒット曲を流す傾向を高めることで、OA中のザッピング(聴取行動の他局への移動)を防ぐことも目的としているのかもしれません。そしてともすればYOASOBI「アイドル」においても、この傾向がOA増加に影響したと思われます。
YOASOBI「アイドル」における注目は次週6月28日公開分の動向、週間最高ポイントを獲得できるかという点にあります。
6月21日(水) #YOASOBIアイドル CD出ます🌟🌟#推しの子 アニメチームによる最高のアイ描き下ろしイラスト
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2023年5月10日
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デジタルに強い作品はフィジカルセールス初加算週にデジタルも伸びる傾向があります。このフィジカルセールスについてはビルボードジャパンが木曜夕方頃に週前半3日分の速報値を発表しますが、他方オリコンのデータにおいてフラゲ日に3万枚を突破したことを踏まえれば、ビルボードジャパンでもYOASOBI史上最多の初週セールスを記録することは間違いないでしょう。
(ちなみにこれまでのYOASOBIにおける初週フィジカルセールスは、「怪物」(2021)が27,275枚、「祝福」(2022)が24,926枚、「セブンティーン」にフィジカルセールス指標が加算された『はじめての - EP』(2023)が9,649枚となっています。)
YOASOBI「アイドル」は登場4週目となる5月10日公開分で同曲週間最高となる23,581ポイントを獲得。2023年度初週以降、2万ポイント超えは唯一「アイドル」だけが達成しています。次週初加算されるフィジカルセールスが仮に3万枚だった場合は同指標の獲得ポイントが2,300弱となることから、仮に他指標が当週と変わらない場合は次週の「アイドル」が今年度最高ポイントを更新する可能性も考えられるのです。