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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】「アイドル」6連覇、「美しい鰭」週間1千万回再生突破...2曲の勢いを確認する

5月15~21日を集計期間とする最新5月24日公開分ビルボードジャパンソングチャートはYOASOBI「アイドル」が6週連続で首位を獲得。ポイントは4週連続で2万ポイントを突破しています。

ビルボードジャパンでは記事(上記ツイート参照)において『「アイドル」の各指標のポイントは、ラジオ指標以外、微減傾向にある』と記載。また最新チャートで2位を記録したスピッツ「美しい鰭」については『カラオケ以外の全指標のポイントが増加傾向』と紹介しています。最も遅く伸びるカラオケ指標の減少は気になりますが、しかしこれら作品の勢いは抜きん出ています。

 

「アイドル」に話を戻すと、米ビルボードによる最新のグローバルチャートでも同曲がGlobal 200で10→9位、Global Excl. U.S.では6→5位に、それぞれ上昇しています。

一方でストリーミング指標にデータを提供するSpotifyにおいては数値がダウンしており、集計期間は異なるもののビルボードジャパンでもストリーミング再生回数は前週比94.8%となっています。

明日YOASOBIは「アイドル」の英語版、「Idol」をリリース。米ビルボードやグローバルチャートでは様々なバージョンが合算され、ビルボードジャパンでは合算に一定の条件がありますがアレンジの変更がなく歌手の追加がない、言語のみが異なるバージョンは合算されます。グローバルチャートおよびビルボードジャパンソングチャートでは再来週公開分にて英語版「Idol」が初加算されることから、その動向に注目です。

 

 

そして、スピッツ「美しい鰭」の勢いにも注目しないわけにはいきません。

YOASOBI「アイドル」と同週に初登場したスピッツ「美しい鰭」は、「アイドル」やフィジカルセールスに強い曲の(後者においては一時的に)後塵を拝しながらも常に4位以上をキープ。ストリーミング再生回数は初登場から5週連続で上昇しています。

本作は、前作『見っけ』から約3年半ぶりとなる17作目のオリジナル・アルバムで、前作の初週ダウンロード数5,511DLを上回る5,835DLで首位を獲得した。なお、本作のリリースに伴い、過去タイトルが4作ランクアップ。30周年を記念してリリースされたシングルコレクション全作と、『見っけ』が再浮上した。

今回の浮上には、「美しい鰭」を収録したアルバム『ひみつスタジオ』の初登場も影響しています。初週フィジカルセールスは前作『見っけ』が77,353枚(2019年10月16日公開分)に対し今作は74,456枚となり、3年半ぶりのアルバムは好セールスを維持しています。アルバムリリース週にテレビパフォーマンスも複数行われたことで、曲やアルバムのダウンロード、ならびに曲のストリーミング指標が刺激された形です。

結果として「美しい鰭」はストリーミングにおいて今回初の1千万回再生を突破し、加えてこのタイミングでフィジカルシングルも売上が増加しました(前週は50位未満ですがその際の50位の売上枚数が1,019枚であり、およそ1.5倍に伸長したことが解ります)。アルバムリリースは、的確なプロモーション施策も相まって過去作の上昇のみならず先行曲の勢いにも波及することがここから解ります。

 

YOASOBI「アイドル」の圧倒的な状況、そしてスピッツの獲得ポイントの高さは上記表から見えてきます。来週公開分までを集計期間とする上半期チャートが6月9日金曜早朝に登場することから、この2曲の動向に注目したいと思います。