現地時間の10月3日月曜に発表された最新10月8日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。通算15週首位を記録したハリー・スタイルズ「As It Was」は2位に後退、スティーヴ・レイシー「Bad Habit」が初の首位を獲得しました。
Steve Lacy’s "Bad Habit" hits No. 1 on the #Hot100, while Sam Smith & Kim Petras, GloRilla & Cardi B debut in the top 10 https://t.co/Ys8maCxDIR
— billboard (@billboard) October 3, 2022
スティーヴ・レイシー「Bad Habit」はストリーミングが前週比4%アップの2040万(同指標2位)、ダウンロードが同4%アップの2,000(同指標38位)、ラジオが同8%アップの4030万(同指標7位)を記録しています。
スティーヴ・レイシーは初の100位以内エントリーとなった「Bad Habit」で最新米ビルボードソングスチャートを制しました。初の100位以内エントリー曲による制覇はグラス・アニマルズ「Heat Waves」(3月以降 通算5週)以来となり、カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno (邦題:秘密のブルーノ)」(1月以降 通算5週)も含め今年3曲目。なお昨年はオリヴィア・ロドリゴが「Drivers License」で初の首位を記録しましたがノンプロモーションシングルでは既にランクインしており、またシルク・ソニック「Leave The Door Open」についてはブルーノ・マーズ、アンダーソン・パークそれぞれに100位以内エントリーの実績がありました。
初めての100位以内エントリー曲による制覇は、男性ソロ歌手(主演名義)ではジョーシュ・シックスエイトファイヴ以来。ジェイソン・デルーロとの「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」にBTSを新たに招いたバージョンで2020年10月17日付に首位を獲得しています。共演等のない男性ソロ歌手単独曲においては、ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」(2019年11月以降 通算3週)以来の首位獲得です。なお「Bad Habit」が7月16日付でソングスチャートに初登場して以降、スティーヴ・レイシーは「Static」(最新ソングスチャート78位)、「Dark Red」(同79位)の2曲もランクインしています。
スティーヴ・レイシーはRCAに所属しており、同社からの首位輩出はドージャ・キャット feat. ニッキー・ミナージュ「Say So」が2020年5月16日付で制して以来となります。またRCA所属且つソングスチャート100位以内初エントリー曲での制覇はマーク・ロンソン以来となり、ブルーノ・マーズをフィーチャーした「Uptown Funk!」で2015年1月以降通算14週首位を獲得しています。
スティーヴ・レイシー「Bad Habit」は7月16日付で100位に初登場。100位初登場曲のチャート制覇は歴代12曲目となり、今年は初めて複数曲が首位に到達しています。
"Bad Habit," "Kiss Kiss" and 10 more #Hot100 No. 1 hits that debuted at No. 100 https://t.co/OJxYLCZnnM
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<米ビルボードソングスチャート 100位デビューの首位獲得曲>
・スティーヴ・レイシー「Bad Habit」(2022年10月8日付 以下()内は初の首位獲得週)
・グラス・アニマルズ「Heat Waves」(2022年3月12日付)
・ウィズ・カリファ feat. チャーリー・プース「See You Again」(2015年4月25日付)
・ウィズ・カリファ「Black And Yellow」(2011年2月19日付)
・クリス・ブラウン feat. T-ペイン「Kiss Kiss」(2017年11月10日付)
・UB40「Can't Help Falling In Love」(1993年7月24日付)
・ヴィッキー・ローレンス「The Night The Lights Went Out In Georgia」(1973年4月7日付)
・パーシー・スレッジ「When A Man Loves A Woman」(1966年5月28日付)
・スティーヴ・ローレンス「Go Away Little Girl」(1963年1月12日付)
・ザ・ハイウェイメン「Michael」(1961年9月4日付)
・マーク・ディニング「Teen Angel」(1960年2月8日付)
・ウィルバート・ハリソン「Kansas City」(1959年5月18日付)
また、"Bad"が付く曲のチャート制覇は「Bad Habit」が14曲目となります。
<米ビルボードソングスチャート タイトルに"Bad"が付く曲の首位獲得一覧>
・スティーヴ・レイシー「Bad Habit」(2022年10月8日付 以下()内は初の首位獲得週)
・ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」(2019年8月24日付)
・ミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad And Boujee」(2017年1月21日付)
・テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー「Bad Blood」(2015年6月6日付)
・ダニエル・パウター「Bad Day」(2006年4月8日付)
・アッシャー「U Got It Bad」(2001年12月15日付)
・ボン・ジョヴィ「Bad Medicine」(1988年11月19日付)
・マイケル・ジャクソン「Bad」(1987年10月24日付)
・ボン・ジョヴィ「You Give Love A Bad Name」(1986年11月29日付)
・ドナ・サマー「Bad Girls」(1979年7月14日付)
・ニール・セダカ「Bad Blood」(1975年10月11日付)
・ジム・クロウチ「Bad, Bad Leroy Brown」(1973年7月21日付)
・オズモンズ「One Bad Apple」(1971年2月13日付)
・ジミー・ディーン「Big Bad John」(1961年11月6日付)
なお今週の米ビルボードアルバムチャートでは、"Bad"つながりでバッド・バニー(Bad Bunny)『Un Verano Sin Ti』が通算12週目の首位を獲得しています。
「Bad Habit」はホットロック&オルタナティブソングスチャート、ホットロックソングスチャート、ホットオルタナティブソングスチャート、ホットR&B/ヒップホップソングスチャートおよびホットR&Bソングスチャートを同時制覇(前半3種は6週連続、後半2種は5週連続首位)。5つのチャートを同じタイミングで制したのは「Bad Habit」が初となります。
前週まで通算15週首位を獲得し、首位獲得週数が歴代単独4位となったハリー・スタイルズ「As It Was」は2位に後退。ストリーミングは前週比3%アップの1400万、ダウンロードは同11%ダウンの3,000、ラジオは同1%ダウンの6280万となり、ラジオは通算8週目の首位を獲得しました。
ハリー・スタイルズ「As It Was」は4月16日付で首位に初登場して以降、最新チャートがエントリー26週目にして2位以上在籍が25週目となり、米ビルボードソングスチャート64年の歴史において2位以上在籍週数最長記録を更新。また3位以上在籍記録でも「As It Was」は最長となる26週に達したほか、初登場から26週(半年間)連続でトップ3入りを続けた最初の曲となります。
サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が3位に初登場。ストリーミングは2320万(同指標1位)、ダウンロードは12,000(同指標1位)、ラジオは280万(同指標50位未満)を記録しています。
@samsmith 💅🏼
♬ original sound - Sam Smith
サム・スミスはTikTokにて「Unholy」を8月に聴取可能な状態にしており、現在までに45万もの動画にて用いられています。なお上記ミュージックビデオは9月30日金曜に公開されており、動画再生に伴うストリーミングは次週10月15日付ソングスチャートに反映されます。
サム・スミスは「Unholy」で7曲目のトップ10入り。ディスクロージャーに客演参加した「Latch」(2014 7位)、単独での「Stay With Me」(2014 2位)、「I'm Not The Only One」(2014 5位)、「Lay Me Down」(2015 8位)、「Too Good At Goodbyes」(2017 4位)、そしてノーマニとの「Dancing With A Stranger」(2019 7位)に続くヒットとなりました。
またキム・ペトラスは2012年以降様々なジャンル別チャートには登場していましたが、総合では今回初の100位以内エントリーとなりました。なおキャリア初の総合100位以内エントリーにおいて、キム・ペトラスはゼイン「Pillowtalk」が2016年2月に首位を獲得して以来となる高位置での初登場を記録(なおゼインは以前在籍していたワン・ダイレクションとしてチャートイン経験あり)。それ以前では、バウアー「Harlem Shake」が2013年3月に初登場で首位を獲得しています。
サム・スミスはダウンロードにおいては「Too Good At Goodbyes」に続く2曲目、ストリーミングでは初の首位を獲得。キム・ペトラスにとっては双方で初となります。
グロリラ & カーディ・B「Tomorrow 2」が9位に初登場。ストリーミングは1970万(同指標3位)、ダウンロードは9,000(同指標2位)、ラジオは350万(同指標50位未満)を記録しています。集計期間初日にあたる9月23日にリリースされたこの曲は、以前グロリラの単独名義でリリースされた「Tomorrow」のコラボ版となります。
テネシー州メンフィス出身のグロリラにとってトップ10入りは初となり、100位以内エントリーはヒットキッドとの「F.N.F. (Let's Go)」が今年9月に42位を記録して以来2曲目。カーディ・Bにおいてはリゾとの「Rumors」が2021年8月に初登場にて最高となる4位を記録して以来、トップ10入りは通算11曲目となります。
最新のトップ10はこちら。
The Billboard #Hot100 top 10 (chart dated Oct. 8, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) October 3, 2022[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (2位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」
2位 (1位) ハリー・スタイルズ「As It Was」
3位 (初登場) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」
4位 (3位) ポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」
5位 (4位) ニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」
6位 (5位) ニッキー・ミナージュ「Super Freaky Girl」
7位 (7位) ワンリパブリック「I Ain't Worried」
8位 (6位) モーガン・ウォレン「You Proof」
9位 (初登場) グロリラ & カーディ・B「Tomorrow 2」
10位 (9位) リゾ「About Damn Time」
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月8日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が初登場で首位を獲得しました。
.@samsmith and @kimpetras' "Unholy" launches at No. 1 on the Billboard Global charts 📈 https://t.co/89mZHJRPL9
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The #Global200 top 10 (chart dated Oct. 8, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) October 3, 2022
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated Oct. 8, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) October 3, 2022
サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」はGlobal 200においてストリーミング7670万、ダウンロード20,000を、またGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミング5360万、ダウンロード8,000をそれぞれ記録しています。
サム・スミスはグローバルチャート初制覇。これまでは「Diamonds」が2020年にGlobal 200で32位、Global Excl. U.S.では39位にランクインしたのが最高位であり、またキム・ペトラスにとってはふたつのグローバルチャート共に初エントリーとなります。
サム・スミスはイギリス、キム・ペトラスはドイツ出身であり、双方米以外の歌手によるデュエット(コラボレーション)でのGlobal 200制覇はザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021年8月 前者はオーストラリア、後者はカナダ)、コールドプレイ & BTS「My Universe」(2021年10月 イギリス/韓国)、ビザラップ & ケベード「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(2022年7月 アルゼンチン/スペイン)に続く記録に。なお「Stay」以前にはザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」も制していますが、前者はカナダに対し後者はアメリカ出身となります。
なお今回の「Unholy」首位獲得で、Global 200では32週連続、Global Excl. U.S.では30週連続で、米以外の歌手による作品の首位交代リレーが行われています。
<Global 200における首位獲得曲 米出身歌手以外の交代リレー>
・グラス・アニマルズ (イギリス)「Heat Waves」(3月5日付以降 通算6週)
・ハリー・スタイルズ (イギリス)「As It Was」(4月16日付以降 15週)
・ケイト・ブッシュ (イギリス)「Running Up That Hill (A Deal With God)」(6月18日付以降 3週)
・ビザラップ (アルゼンチン) & ケベード (スペイン)「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(7月30日付以降 4週)
・BLACKPINK (韓国)「Pink Venom」(9月3日付以降 2週)
・BLACKPINK「Shut Down」(10月1日付 1週)
・サム・スミス (イギリス) & キム・ペトラス (ドイツ)「Unholy」(10月8日付 1週)
<Global Excl. U.S.における首位獲得曲 米出身歌手以外の交代リレー>
・グラス・アニマルズ (イギリス)「Heat Waves」(3月19日付以降 通算3週)
・アニッタ (ブラジル)「Envolver」(4月9日付 1週)
・ハリー・スタイルズ (イギリス)「As It Was」(4月16日付以降 13週)
・BTS (韓国)「Yet To Come」(6月25日付 1週)
・ケイト・ブッシュ (イギリス)「Running Up That Hill (A Deal With God)」(7月16日付 1週)
・ビザラップ (アルゼンチン) & ケベード (スペイン)「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(7月30日付以降 6週)
・BLACKPINK (韓国)「Pink Venom」(9月3日付以降 3週)
・BLACKPINK「Shut Down」(10月1日付 1週)
・サム・スミス (イギリス) & キム・ペトラス (ドイツ)「Unholy」(10月8日付 1週)
Global 200においては前週、BLACKPINK「Shut Down」が初登場で首位を獲得しており、2週続けて初登場曲がチャートを制しています。これは2021年3月20日付でのドレイク「What's Next」~3月27日付でのロゼ(BLACKPINK)「On The Ground」以来の記録となります。またGlobal Excl. U.S.においても「Shut Down」~「Unholy」と2週続けて初登場曲がチャートを制覇。こちらは2020年11月7日付でのアリアナ・グランデ「Positions」~11月14日付でのバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」以来となります。
ワンリパブリック「I Ain't Worried」がGlobal 200で6→5位となり、ワンリパブリックにとって同チャート初のトップ5ヒットに。ストリーミングは前週比2%アップの4130万を記録しています。
映画『トップガン マーヴェリック』サウンドトラックからはレディー・ガガ「Hold My Hand」が6月に37位を、また『トップガン』でも用いられたケニー・ロギンス「Danger Zone」が同じく6月に130位を記録。なお「Danger Zone」は1986年に米ビルボードソングスチャートで最高2位を獲得しています。