イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

AWAへの問い合わせに対する回答、そしてビルボードジャパンの二度のチャートポリシー変更についての再考

4月28日付のブログエントリーにて、このようなことを記しました。後に追加した内容も含めて引用します。

なおブログの問い合わせを介して、サブスクサービスのAWAにおけるラウンジを用いたキャンペーンの存在を教えてくださった方がいらっしゃいました。この場を借りて感謝申し上げます。ラウンジに参加した人数分のカウントに加え、ウィンドウを複数開いて再生回数をプラスすることができるという指摘もいただいております。

ビルボードジャパンのストリーミング指標におけるチャートポリシー変更は、その係数処理対象先がひとつのサービスであるとポッドキャストで言及されており、現段階ではAWAに対する措置は採られていないものと考えます。またひとりのユーザーが複数回再生することでプレゼント当選(の可能性)の資格を得るLINE MUSIC再生キャンペーンとは厳密に異なるゆえ、現段階でそこまで問題視されるものではないというのが私見です。

ただし、ウィンドウを複数開いて再生回数をプラスすることができるということが事実ならば、何かしらの措置は採られる必要があります。

(中略)

(※追記(8時36分):コメント欄にて、AWAへ問い合せた方のツイートを引用し複数タブでの再生は反映されないように処理されているという指摘をいただきました。この点については後日、直接問い合わせてみようと思います。)

ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標は、この1ヶ月以内に二度のチャートポリシー(集計方法)変更が行われています。4月20日公開分(4月25日付)ではひとつのサービス全体の再生回数に対する係数処理適用が、5月11日公開分(5月16日付)ではひとつのサービス内での施策に伴い再生回数が著しく増えた一方で他サービスとの乖離が大きすぎる曲に対して個別の係数処理適用が、それぞれ実施されました。

この二度のチャートポリシー変更については当初、共にLINE MUSICにおける再生キャンペーン(再生回数キャンペーン)の極度な盛り上がりを踏まえたものと捉えていました。その理由として挙げていたのが、INI「CALL 119」の推移。同曲は4月13日公開分(4月18日付)までストリーミング指標3連覇を成し遂げながらチャートポリシー変更の翌週に6位、再生回数も793万→584万と大きく後退したことが、その認識に至った理由です。

このINI「CALL 119」が4月27日公開分(5月2日付)ビルボードジャパンソングスチャートで総合制覇を果たした一方、ストリーミングサービスでの乖離があることを紹介しました。LINE MUSIC再生キャンペーン採用曲における乖離はこの曲にとどまりませんが、「CALL 119」はこれまでにない動向を辿っていたことは以前も紹介しました。

これらを紹介する中で、AWAのキャンペーンについても情報をいただいたことから、冒頭のブログにて掲載させていただいた次第です。ただしブログ掲載後も(追記の形で書いたように)異なる意見等もいただきました。

ゆえに、AWAのサポート側とコンタクトを取ることで情報の信憑性を確認したいと思い、加えて回答の掲載許可をいただいたことから、今回紹介させていただきます。AWAの問い合わせ先はTwitterアカウント(→こちら)のリプライもしくはDM経由でOKとのことでしたので(お問い合わせはどこからできますか? - ヘルプ - AWA参照)、DMでの回答について下記に掲載いたします。

 

 

こちらからAWAに対する質問内容は以下の3点です。

質問① ひとりのユーザーが1日に何回も同じ曲を再生した場合(チャートアクションを押し上げる目的で最近みられる傾向です)、その再生回数はすべてチャートにカウントされる仕組みでしょうか。また上限は設けていらっしゃるでしょうか。

質問② AWA(ラウンジ)で複数のタブやウインドウを開いた場合、その複数タブ等での再生はすべてカウントされるでしょうか。

質問③ AWAにおけるラウンジの開催は、たとえばフォロワーの方も行っているのですが、INI「CALL 119」はラウンジを活用したキャンペーンも実施しています。歌手側のキャンペーンとみられる開催は、歌手側主導によるものでしょうか。またこのキャンペーンはいつ頃からみられるようになりましたか。

 

それぞれの回答について紹介します。まず①と②について、ひとつの形で回答をいただきました。

お問い合わせの件につきまして、パソコンのブラウザより複数タブから参加された場合、再生回数は全て計測しております。 なお、ログインされている場合は、複数ブラウザでの視聴は同時再生制御がかかっており、同時に再生する事は出来ません。

また、未ログイン時であっても、ブラウザ毎に割り当てられている特定のユニークな識別子をもとに、人数と一人ひとりの再生数をカウントしており、同一人物による同時再生を検知した場合、重複した再生分はカウントより除外しております。

再生された情報に関しては同一人物かどうかにかかわらず、すべてAWA上では計測しており、アプリ上で確認可能ですが、チャートに反映される再生数とは別となります。

チャートに反映される再生回数は同一人物判定を考慮した再生数(アプリ上では閲覧不可)を利用しているため、お一人が複数の端末またはブラウザで再生してもチャートへの影響はございません。 なお、詳細な計測処理方法に関しては不正防止対策のため非公開となります。 何卒ご了承ください。

 

質問③の回答はこちらです。

>歌手側のキャンペーンとみられる開催は、歌手側主導によるものでしょうか。

INI と AWA 双方の協力によって実現されました。

ファン LOUNGE の開催は、一般ユーザ様ご自身の有志で行われています。

 

>このキャンペーンはいつ頃からみられるようになりましたか。

開催期間:4月18日(月) 0:00 〜 4月24日(日) 23:59

https://ini-official.com/news/detail/295

AWAではINI 2ND SINGLE「I」の楽曲を使って、LOUNGEを開催してくださった方に対し、キャンペーンを行っておりました。「CALL 119」も対象楽曲に含まれておりました。

質問③においてはINI「CALL 119」の前、どの歌手がどの曲のタイミングでAWAラウンジをはじめて開催したのかということを問い合わせたかったのですが、こちらの質問が曖昧につき、INI「CALL 119」での開催期間に対する回答となりました。

 

これら問い合わせの結果、AWAでの複数ブラウザでのログイン時再生はできないこと、未ログインでの同時再生は同一人物と判明すれば重複分は除外されること、再生情報はすべてAWA上で計測する(アプリで確認可能な)一方でチャートへの反映数は同一人物判定を考慮したものが利用されていること(アプリでの確認は不可)、ゆえに複数端末やブラウザでの再生はチャートに反映されないこと…これらの点が判明しました。

 

この場を借りて、返答ならびに掲載許可をくださったAWAご担当者に対し、心より御礼申し上げます。また、問い合わせフォーム経由でいただいた内容をAWAに問い合わせて精査することが優先だったと考えるに、冒頭で紹介した4月28日付のエントリーまでにこの問い合わせを行っていなかったことで混乱を招いたことに対し、心よりお詫び申し上げます。

 

 

ビルボードジャパンはストリーミング指標に関する二度のチャートポリシー変更について、どのサービスが対象かを明言していません。そのためチャート分析者が各自情報を精査した結果、チャートポリシー変更はLINE MUSIC再生キャンペーンへの対応というのが最近までの共通認識だったと思われます。自分もその考えに基づき、チャートポリシー変更についてブログでその都度採り上げました。

5月11日公開分においては、ストリーミング指標の速報段階でLINE MUSIC再生キャンペーンの加熱に伴いめいちゃん「ラナ」がトップに立っていました。このタイミングで、自分はさらなるチャートポリシー(強化)の変更適用が必要だと提案しました。

同様に、ビルボードジャパンの問い合わせフォームを介し提案を実施したのが、チャート分析に長けたあささん。その問い合わせ内容に対しビルボードジャパンより回答をいただいたとのことで、こちらでも取り上げさせていただきます(なお一部を抜粋しておりますので、全体の内容はスレッドをご確認ください)。

その上であささんはともすれば4月20日公開分(4月25日付)におけるストリーミング指標のチャートポリシー変更は、LINE MUSICではなくAWAに対する措置だったのではないかという推測を述べています。

仮に推測の通りであれば、二度のチャートポリシー変更が共にLINE MUSIC再生キャンペーンに伴う同サービスへの適用と記したこちらの推測誤りとなります。ゆえに今後のチャート動向も踏まえ、判断する必要があると感じています。一方でLINE MUSICは独自の再生キャンペーンにより他サービスとランキングが大きく異なることを踏まえれば、ビルボードジャパンがキャンペーンの影響を考慮すべきという私見は変わりません。

 

 

AWAについては、今週フィジカルシングル「Bye-Good-Bye」をリリースするBE:FIRSTが今夜、メンバーもチャットに参加する形でラウンジを開催します。

おそらくはAWA側、そしてコアなファンの多い/ファン熱量の高い歌手側の双方によるラウンジ開催は今後増えていくものと思われます。ラウンジがライト層拡大に寄与していくか等、注目していきたいと思います。

 

 

 

最後に。今回の件を踏まえて、以降はこのブログエントリーに記載するのみならず、実際に問い合わせる姿勢を徹底しなければならないと感じた次第です。また問い合わせについては掲載許可を確認し、全文OKならばそのまま、概要のみ可能ならばその形で紹介させていただきます。