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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

KAT-TUN、「CRYSTAL MOMENT」を配信限定でリリース…興味深く捉える理由

KAT-TUNが昨日、新曲「CRYSTAL MOMENT」を配信限定でリリースしました。

「CRYSTAL MOMENT」は、嵐の櫻井翔さんが出演する『news zero』で1月中旬に紹介されています。

KAT-TUNが来月リリースするオリジナルアルバム『Honey』には未収録となる「CRYSTAL MOMENT」は、蓋を開ければ配信開始直前にその旨がアナウンスされることに。曲の存在は知らされていたとはいえ、こういうサプライズ的リリースはジャニーズ事務所所属歌手の関連曲としては異例であり、そして新鮮ではないでしょうか。

 

今回の「CRYSTAL MOMENT」のサプライズリリース、非常に興味深く捉えています。

 

KAT-TUNは2013年に「BOUNCE GIRL」を配信リリースしていますが、music.jpのダウンロード限定且つ1ヶ月間限定配信となっていました。また昨年の「Roar」以降はフィジカルシングル表題曲3曲および「Roar」のデジタル専用カップリング曲「Flashback」を配信していますが、大型タイアップを伴いながらフィジカルを用意しない「CRYSTAL MOMENT」は、より重要な意味を持つと言えるかもしれません。

今回のリリースで、KAT-TUNは2年連続の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)出場が僅かでも近づいたと考える自分がいます。年末の音楽番組ではオリンピックやパラリンピックで活躍した選手をゲストに迎える傾向があり、今年もその演出を施すとなれば民放局のタイアップであれどもオリンピック等関連曲が重用されるかもしれません。その際、KAT-TUN「CRYSTAL MOMENT」に白羽の矢が立つ可能性は高いと思われます。

 

その紅白においては昨年、初登場を果たしたKAT-TUNがパフォーマンス直前に脱退した3名について言及していたのが印象的でした。

(KAT-TUNについては上記リンク先の3ページ目に掲載。また昨年の紅白の総合演出を担当したNHK制作局チーフプロデューサー、福島明さんのインタビュー記事は前半(→こちら)も含めて必読と言えます。紅白が視聴率面で芳しくないことや演歌歌謡曲勢が少ないことを踏まえた非難が目立ちますが、個人的には福島さんの姿勢を支持します。)

脱退したメンバーに対してはテレビ番組でモザイクをかけたり目立ちにくくカットする等の編集が行われがちですが、昨年の紅白では違っていました。紅白での言及を踏まえれば、「CRYSTAL MOMENT」の成功如何ではデビュー曲からの全作品をデジタル解禁するのではないかと期待する自分がいます。考えすぎなのは承知で、しかしそれを願うのは自分だけではないはずです。

 

 

「Roar」に続くダブルAサイドシングルはチャート上でそこまでの成績を収めたとは言えませんでした。しかしながら「Roar」におけるデジタル解禁の効果は大きく、ジャニーズ事務所所属歌手の作品では異例といえる2週連続でのビルボードジャパンソングスチャートトップ10入りを果たしたことが、ともすれば紅白出場の原動力になったのではと捉えています(下記ブログエントリーにて記載しています)。

フィジカル未リリースの「CRYSTAL MOMENT」がどのようなチャートアクションを示すか、注目です。LINE MUSICでは配信日のデイリーチャートで31位に初登場しており、オリンピック等開催中は安定する可能性もあります。その一方で、現段階においてYouTubeにミュージックビデオ等公式動画がないのは気になるところです。

アイドル曲は所有指標がリリース週に大きくなることから、次週のチャートにおいてはダウンロード指標を主体にチェックすると共に、世界標準解禁日となる金曜にリリースしたことから米ビルボードによるグローバルチャートの動向も確認していきます。そして、ゆくゆくは彼らの歴史の全貌がダウンロードおよびサブスクでチェックできるようになってほしいと願っています。この思いは以前から抱き続けているものです。