2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2022年1月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。
過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music Wednesday、New Music Friday Japan、New Music FridayおよびMonday Spinです。
10位 アンバー・マーク「Most Men (A COLORS SHOW)」
自分がSNSフォローする音楽関係者がこぞって絶賛するのがアンバー・マークのファーストフルアルバム『Three Dimensions Deep』。その収録曲「Most Men」の、ベルリン発のYouTubeチャンネル"A COLORS SHOW"でのパフォーマンス版に惹かれて選出。次世代を担う歌手のパフォーマンスをシンプルなスタイルで示すこのチャンネル自体、とても興味深いですね。アンバーの放つグルーヴも頼もしい限り。
9位 JASMINE「Miss You」
(上記は公式オーディオ。)
Aメロの尺をあっさりにしたことでサビのメロディがより引き立つ作品となり、さらには後半にAメロを挿入することも良いアクセントに。R&B女性歌手による幸せになれないテーマの作品に、個人的には毎回のように強く惹かれています。
8位 中村佳穂「さよならクレール」
(上記はリリックビデオ。)
以前から幅広い音楽性を示していた中村佳穂さんが、millennium parade × Belle「U」の参加を経てさらなる可能性の領域を拡げたと言えるアップナンバー。曲の終わるその瞬間まで耳が離せないアレンジと、リズムもメロディも高速なのにまるで"たゆたう"中村佳穂さんの歌声との相性の好さたるや。
7位 LAGHEADS feat. HIMI「だきしめたいよ」
(上記はオーディオ。)
今月は1980年前後のシティポップ的作品(それも2番終わりにメンバーのソロパートが用意された曲)を選ぶ傾向にあるのですが、LAGHEADSの耳の掴まれ方は群を抜いており、『現在のJ-POP〜JAZZ シーンにおいて、最も注目される若手実力派ミュージシャンが結集したスーパーJAMPOPバンド』という紹介文も納得(『』内は公式ホームページ内バイオグラフィーより→こちら)。山下達郎「DANCER」の系譜がここに。
6位 Nao'ymt + Marika「朝までまだ時間はある」
(上記はリリックビデオ。)
プロデューサーとして数々の作品を手掛けてきたNao'ymtさんによるコラボレーションシリーズの第4弾は音の奥行きが凄まじく、夜の深さをここまでアレンジで表せることに感動すら覚えます。Nao'ymtさん自身が手掛けた安室奈美恵「Dr.」を更に進化&深化させた、そんな印象を抱いた逸品。
5位 宇多田ヒカル「BADモード」
同名アルバムの冒頭を飾り、ポップのみならずジャズやボサノバの様相も呈す宇多田ヒカルさんの新曲。フローティング・ポインツとの顔合わせによりその音楽性にはさらなる拡がりや可能性がもたらされたかのよう。Twitterでも話題になった彼女ならではの言葉遣いも楽しいですね。
4位 チャーリー・プース「Light Switch」
日本でもラジオ人気の高いアップチューン。サビ前のBPMのダウンや、サビにて"Switch"を放タイミングでのエフェクトが曲にアクセントを生み出す中、最後のサビはそのアクセントを敢えて止めていて、そのセンスが好いですね。ミュージックビデオのコミカルなオチがエド・シーラン「Shape Of You」を彷彿とさせるのも含め、チャーリー・プースの新たな代表曲となった印象があります。
3位 ザ・ウィークエンド「Sacrifice」
突如リリースされたアルバム『Dawn FM』からのリード曲。亜蘭知子さん使い等話題も多い中、「Sacrifice」の完成度の高さは随一。以前からマイケル・ジャクソンフォロワーを音で示してきたザ・ウィークエンドですが、この曲からは「Wanna Be Startin' Somethin'」がダイレクトに伝わってくる気がします。
2位 サカナクション「ショック!」
昨年秋公開の『劇場版 ルパンの娘』主題歌が遂に配信。サビにおける"ショック"の配置(リズムパターン)が全て異なったり、"太陽にほえろ"なギターフレーズやインクレディブル・ボンゴ・バンドを彷彿させるリズムパターン等の様々な工夫が、格好良さと親しみやすさとを絶妙に掛け合わせたサカナクションらしいサウンドに成っています。
1位 Ovall feat. SIRUP「It's all about you」
才能溢れる若手ミュージシャンの集合体がLAGHEADSならば、Shingo Suzukiさん、mabanuaさんそして関口シンゴさんというベテランの風格すら漂わせるバンドがOvall。わずか3分の曲の中に先述した間奏でのソロパートという見せ場も設け、直後のラスサビでキーを上げ且つ連呼させることで高まる熱を演出するのも見事。
今月はシティポップというより(間奏のソロパートの多さも踏まえれば)フュージョン的な作品を多く採り上げたことになるのですが、そのような作品とSIRUPさんとの相性も好いと感じています。
以下、次点として10曲。
・DAOKO & GuruConnect「Affordance」
・アニッタ「Boys Don't Cry」
・コーシャス・クレイ「Rapture In Blue」
・ディスクロージャー & ゼッド「You've Got To Let Go If You Want To Be Free」
・キードロン・ブライアント「Passing Thru」
・チャンミン「Devil」
・パムンカス「Birdy」
・スケアリー・ポケッツ & ケントン・チェン「Young And Beautiful」
・ザ・スマイル「The Smoke」
・ザスカ「The Basics」
チャンミン(東方神起)「Devil」は、そのタイトルこそ悪魔の名を冠するもののそれに屈しないことをテーマにした作品。重めのゴスペル調アレンジを施すことで抗う姿をよりはっきり提示しているのがいいですね。
Spotifyのプレイリストはこちらに。
今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。