イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) BE:FIRST「Gifted.」、米ビルボードのHot Trending SongsチャートでJ-Pop初のトップ10入り…そこから思うこと

(※追記(17時54分):2021年度各週のビルボードジャパンソングスチャートにおけるストリーミング指標首位獲得曲の再生回数およびSpotifyの割合を記した一覧表、および最新11月24日公開(11月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおけるストリーミング指標トップ10ランクイン曲の再生回数およびSpotifyの割合を記した一覧表を貼付し、私見を掲載しました。)

 

 

 

ビルボードが今年の秋、Twitterの人気曲を示す新たなチャート【Hot Trending Songs】を立ち上げたことは以前お伝えしました。

そして11月27日付米ビルボードHot Trending Songsチャートにて、BE:FIRST「Gifted.」がJ-Popで初めてトップ10入りを果たしています。

記事は上記ツイート内画像をクリック(タップ)から遷移できます。また米ビルボードでは動画も用意しています(下記参照)。なお、11月27日付米ビルボードHot Trending Songsチャートはこちらから確認可能です。

BTS「Butter」が4連覇を達成(チャート開始初週には「Permission To Dance」が制しており、BTS自身は負けなしの5連覇を記録)したほか、初登場したTWICEやTOMORROW X TOGETHER等が記事や動画で取り上げられた一方でBE:FIRSTへの言及はありませんが、BE:FIRST「Gifted.」は前週から8ランクアップし7位に到達しており、J-Pop初となるトップ10入りとなりました。

一部メディアでも記事になった最新週の集計期間は、11月12~18日が対象。そして次週12月4日付の集計期間中には、BE:FIRST「Gifted.」が直近24時間を集計期間とするリアルタイムチャートで首位を獲得しています。こちらもJ-Pop初の快挙達成です。

次週12月4日付Hot Trending SongsチャートにおけるBE:FIRSTの動向が気になります。その一方で集計期間中にはアデル『30』のリリース(11月19日)、アメリカン・ミュージック・アワードの開催とBTSの3部門制覇(11月21日、日本時間は翌日)、グラミー賞ノミネーションの発表(11月23日、日本時間は翌日)とイベントが続いており、BTS等の作品がさらに勢いづくことでしょう。「Gifted.」がトップ10内をキープできるかに注目です。

 

 

さて、このHot Trending Songsチャートについては、米ビルボードに対しチャートポリシーのできる限りの開示を今一度求めます。

BE:FIRST「Gifted.」はビルボードジャパンソングスチャートにおけるTwitter指標では1位になっていません。11月14日までを集計期間とする11月17日公開分(11月22日付)では同指標は8位、そして翌週(11月24日公開分(11月29日付))には20位に後退しています。上位にはINIやJO1等男性ダンスボーカルグループの曲が多く、世界の音楽ファンがBE:FIRSTについてつぶやいた可能性を想像できたとして、しかし日本での勢いは異なるのです。

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ビルボードジャパンによる上記CHART insightにおいて、水色がTwitter指標を指します。米ビルボードはHot Trending Songsチャートにおける集計方法がビルボードジャパンソングスチャートのTwitter指標と同様か等について、明確に示してほしいと願います。

そしてビルボードジャパンにも、米ビルボードに対し説得してほしいと希望します。米ビルボードは今週一時的にHot Trending Songsチャートを有料会員のみの閲覧に制限しており、世界の音楽ファンがチェックできない状態になっていました。そこに対し有効な働きかけができるのがビルボードジャパンではないでしょうか。なおこの一時閲覧不可については一昨日のブログエントリーにて紹介しています。

Hot Trending SongsチャートにおけるBE:FIRST「Gifted.」の記録について、そのビルボードジャパンがアナウンスしていないのは残念です。BE:FIRSTを介してビルボードジャパンの認知度も高めることも可能ではないでしょうか。ビルボードジャパンが米ビルボードの代わりにHot Trending Songsチャートのチャートポリシーを説明することも含めて、前向きな検討を願うばかりです。

 

 

なおTwitterについては、米ビルボードおよびグローバルチャートにおいては構成指標には含まれていません。その点はビルボードジャパンソングスチャートと異なります。

ならば、Hot Trending Songsチャートのランクインをどう捉えるべきかを考えるに、海外進出や世界的な知名度向上の足掛かりと位置付けることが重要ではないかというのが私見。チャートインの事実(記事等の紹介があればなお好いでしょう)を機に日本で曲の注目度や支持を集めること、そして彼らの評判を海外に轟かせる手段を、Hot Trending Songsチャートのランクインを機に歌手側やファンの方々が熟考することを勧めます。

 

 

 

(※追記(17時54分))

 

2021年度のビルボードジャパンソングスチャートにおけるストリーミング指標首位獲得曲の再生回数およびSpotifyの割合を記した一覧表、および最新11月24日公開(11月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標トップ10ランクイン曲の再生回数およびSpotifyの割合を記した一覧表を以下に貼付します。

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2021年度のストリーミング指標首位獲得曲一覧については以前もブログにて紹介しています(下記リンク先参照)。BE:FIRST「Gifted.」のストリーミング再生回数に占めるSpotifyの割合は3.2→4.5→5.5%と伸びてはいるものの、他の曲に比べて小さい状況が続いています。この情報は一昨日夕方の生配信時にお伝えしましたが、今回きちんと表にした次第です。

 

この結果をもって、Spotifyでの再生こそ重要と捉える方が時折見受けられますが、この表が意図するのはそこではありません。「Gifted.」はLINE MUSIC再生キャンペーンを実施したこともあり、キャンペーン終了後も同サービスで引き続き聴くコアなファンの方が多いと予想されますが、大事なのはライト層を獲得し、どのサブスクサービスでも聴かれるようになることです。その結果、Spotifyの割合は上昇していきます。

またLINE MUSIC再生キャンペーンは多くの曲で実施されていますが、キャンペーン終了後もキープし続ける曲こそ稀と言えます。その点においてはBE:FIRST「Gifted.」が成功しているとは言えるものの、キャンペーン実施曲のSpotifyの割合と比べればまだまだ弱いというのが実情です。

 

メディア露出が欠かせないとして、アイドル的側面を持つ男性ダンスボーカルユニット(ダンスボーカルグループ)においては厚遇と冷遇とがはっきり二分される印象が拭えませんが、ひとつの打開策として、世界での人気を獲得し日本の業界に風を吹かせることを提案します。

ライト層獲得の提案についても以前記しました。勿論簡単なことではありませんが、世界人気の指標と言えるHot Trending SongsチャートでJ-Pop初のトップ10入りを果たしたならば、それを大きく訴求することでメディアや音楽業界を振り向かせるという姿勢が重要ではないでしょうか。