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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Twitter指標が高いボーイズバンドに感じたロングヒットの可能性…JO1「SuperCali」のアプローチに注目

地上波テレビ局の秋クール新番組に起用されたタイアップ曲、強力な布陣が揃っています。

上記記事では触れられていませんが、ドラマ『silent』(フジテレビ)の主題歌にはOfficial髭男dism「Subtitle」が決定したと先週報じられています。その中で、今クール最大の目玉と言えそうなのがテレビアニメ『チェンソーマン』(テレビ東京ほか)ではないでしょうか。エンディング曲は12組が週替りで、そしてオープニング曲は米津玄師「KICK BACK」が務めます。

上記予告動画は「KICK BACK」も一部聴取可能となったこともあってか、10月3日7時の段階で再生回数が1100万回を突破するほどの人気に。そして今回の『チェンソーマン』に関する発表があった9月19日月曜夜以降、米津玄師さんのオープニング曲提供や同曲へのmillennium parade常田大希さんの参加がネット上で大きな話題となりました。

そこで注目したのが、ビルボードジャパンソングスチャートにおけるTwitter指標。ソングスチャート構成8指標のひとつで、歌手名と曲名を共に記載したツイート(RTを含む一方、鍵付きアカウントからの発信等は除く)の数を集計したもの。集計開始が9月19日月曜である最新9月28日公開分(10月3日付)において米津玄師「KICK BACK」がTwitter指標を制する可能性も考えられましたが、実際は同指標4位にとどまっています。

 

9月28日公開分(10月3日付)ビルボードジャパンソングスチャート、Twitter指標を制したのはJO1「SuperCali」であり、この指標では20位以内にJO1、INIが共に6曲を送り込んでいます。以前からこの2組の強さが際立っていた指標でしたが、米津玄師「KICK BACK」の首位獲得を退ける形となりました。

 

実際、JO1やINIのTwitter指標における強さは、それぞれの最新シングル(フィジカルとしてリリース済)における安定飛行からも見て取れます。

INI「Password」はリリースされて間もない曲ですが、Twitter指標(上記CHART insightでは水色で表示)と他指標との差が開きつつあり、JO1「僕らの季節」の動向をなぞっているとも言えます。そしてJO1は、今月リリースするフィジカルシングルのリード曲「SuperCali」が早くもTwitter指標を制しています。

ビルボードジャパンは2021年度第4四半期初週にTwitter指標のウエイトを減少させるチャートポリシー変更を実施しており、この指標は以前ほどの影響力を持たなくなりましたが、しかし最新9月28日公開分(10月3日付)ビルボードジャパンソングスチャートで総合100位以内に入っているJO1「SuperCali」(61位)やINI「Password」(80位)ではTwitter指標がチャート構成比の1割以上となっており、100位以内登場の原動力と言えます。

 

このTwitter指標、米ビルボードソングスチャートには含まれずに別途Hot Trending Songsチャートの形で用意されていますが、こちらではK-Popの強さが際立ちます。Hot Trending Songsチャートと米ビルボードソングスチャートの順位はリンクしているとは言い難いものの、K-Popの存在感の上昇やアルバムチャートでの上位進出を踏まえれば、K-Popのチャート意識の高さが徐々に結実していると感じます。そして日本においてその意識を高く持っているのが、JO1やINI等ボーイズバンドではないでしょうか。

ならば、Twitter指標のロングヒットに総合ソングスチャートや他指標も沿わせることが重要となるでしょう。フィジカルセールスの強さは際立ってきた一方、総合チャートのロングヒットに重要な接触指標群(ストリーミングおよび動画再生)が伴っているとは言い難いということが上記CHART insightから判ります。

ボーイズバンド等フィジカルに強い歌手はLINE MUSIC再生キャンペーンを活用し、ストリーミング指標の増幅を狙う傾向にありますが、ビルボードジャパンは今年度に入り再生キャンペーン採用曲がStreaming Songsチャートを制した場合、指標化の際に係数処理を施すようになりました。また様々なメディアで再生キャンペーンへの疑問視を周知徹底させたこともあってか、コアファンの間でも疑問が生まれている印象を抱きます。

ゆえにストリーミング指標においてはLINE MUSIC再生キャンペーンに頼らず、再生回数を常時獲得することが求められますが、その点においてJO1「SuperCali」の動向には一筋の光明が差したのではと感じています。

 

(上記はJO1「SuperCali」のパフォーマンス動画。)

JO1は前作のフィジカルシングル「僕らの季節」が日本のSpotifyデイリーチャート200位以内に1日のみ登場するにとどまりましたが、今作「SuperCali」は9月23日の解禁日から8日連続で200位以内をキープ。最新10月1日付では圏外となるも、この進展を興味深く感じています。実際新曲プレイリストをチェックする自分も、「SuperCali」の冒頭等に登場するフレーズには驚かされた次第です。

@jo1_gotothetop #スパカリ 挑戦してみてね🙏🏻😬 #JO1 #SuperCali #MIDNIGHT_SUN ♬ SuperCali - JO1

今作のタイトルにも用いられている歌詞のフレーズ、"Supercalifragilisticexpialidocious (スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス)"は元々映画『メリー・ポピンズ』(1964)の劇中歌のタイトル(歌詞はこちら)。実はJO1「SuperCali」と同日にリリースされた808ヴィック(808vic)「Vic's Odyssey」でもこのフレーズが登場しており(歌詞はGeniusで確認できます→こちら)、その偶然の一致も面白いと感じています。

JO1「SuperCali」のほうは、米のサンプリング曲データベースであるWhoSampledにも記載。ともすればこのデータベースを経由して「SuperCali」をチェックする方も出てくるかもしれません。

気になるフレーズの挿入が曲のリーチにつながることは少なくないでしょう。そしてその作品を介し、歌手のライト層、さらにはコアファンへと昇華していく可能性もあります。今作「SuperCali」の前作以上のSpotifyでの動向は、Spotifyでの順位の上昇如何では尚の事、「SuperCali」そしてJO1自身への認知上昇につながるものと考えます。

 

尤も、JO1「SuperCali」のSpotifyデイリーチャート200位以内登場には、上記キャンペーンも影響しているでしょう。このキャンペーン対象期間が終了した10月5日以降も人気が持続するならば、ビルボードジャパンソングスチャートでのロングヒットの可能性も高まっていくかもしれません。