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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

【ビルボード最新動向】SixTONES「マスカラ」が今年度下半期以降で最高ポイントを獲得…その要因を捉える

毎週木曜は、最新のビルボードジャパンソングスチャートから注目点を紹介します。

8月9~15日を集計期間とする8月18日公開(8月23日付)ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。フィジカル関連指標初加算に伴い、SixTONES「マスカラ」が首位を獲得しました。

この「マスカラ」、チャートポリシーを変更した今年度下半期初週以降において最高ポイントを獲得しています*1

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上記表における太線は上半期と下半期の境目を示します。下半期において3万ポイント超えを果たしたのはBTS「Butter」(6月2日公開)、Snow Man「HELLO HELLO」(7月21日公開)およびSixTONES「マスカラ」(8月18日公開)の3曲のみ。そして「マスカラ」が、初週フィジカルセールスが31万枚以上上回る「HELLO HELLO」より総合ポイントで上回っていることは特筆すべきと言えます。

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「マスカラ」と「HELLO HELLO」のフィジカル関連指標加算初週におけるCHART insight(チャート推移)を上記に。これをみると「マスカラ」はラジオ指標(黄緑で表示)が非常に強く、フィジカルセールス(黄色)とラジオとの2指標合計で「HELLO HELLO」とほぼ同等に。また「マスカラ」の売上枚数を踏まえれば、ルックアップ(オレンジ)が非常に強いことも解ります。


「マスカラ」を提供した常田大希さんはKing Gnu / millennium paradeで数々のヒットを輩出。とりわけKing Gnu「白日」(現在も100位以内に在籍中)は今年春にストリーミングが4億回再生を突破、上記ミュージックビデオも現段階で3億5千万を超えており、これら接触指標群の強さが大ヒットの要因となっています。

一方でSixTONES「マスカラ」はミュージックビデオや上記パフォーマンス動画においてフルバージョンが存在しません。サブスクやダウンロードも未解禁であることから、フルで楽しむにはフィジカルの購入/接触が前提となります。

前作「僕が僕じゃないみたいだ」の初週売上は436,911枚、前々作「NEW ERA」は459,986枚と、それらを大きく上回って総合首位となり、コアファンを着実に拡大していることがうかがえる。

個人的には、今作「マスカラ」における売上枚数の上昇はコアなファンの増加のみならず、King Gnuファンに代表されるSixTONESのライト層*2が購入に至ったゆえと捉えています。そこからSixTONESの魅力に気付き、コアなファンに昇華することも勿論考えられます。

フィジカルセールスの増加は同指標のみならず、ルックアップにも影響を及ぼしますが、レンタルの増加もまたルックアップ上昇に貢献したと言えるでしょう。集計期間中にレンタルが解禁され、ライト層を主体に多く利用されたことも考えられます。この期間は大雨の影響を受け、東京オリンピック後ながら全体的にはポイントが回復に至れていないのですが、その中にあってルックアップが上昇したのは凄いことです。

ルックアップとはCDをパソコン等にインポートした際、インターネットデータベースのGracenoteにアクセスされた数を示す指標。前作「僕が僕じゃないみたいだ」のルックアップによる獲得ポイントはおよそ12000と想定されることから、「マスカラ」はレンタル分の大幅な上昇が想像可能です。

 

そしてラジオの強さについては、ビルボードジャパンソングスチャートのラジオ指標にデータを提供するプランテックのOA回数チャートの記事に記載されています。なお、ビルボードジャパンのラジオ指標は全国31局のOA回数(プランテックによるデータ)に聴取可能人口等を加味した独自のものでありOA回数チャートとは異なりますが、SixTONES「マスカラ」は両チャート共に2位となっています。

2位はSixTONES「マスカラ」が前週12位から浮上した。8月11日リリースのシングルより、常田大希(King Gnu/millennium parade)提供曲ということで話題の同曲。7月5日〜7月11日チャートで124位に初登場以降、57位→96位→61位→12位と推移し、リリース週を迎えた今週、全国範囲でのオンエアを獲得し自身最高位をマークした。

ジャニーズ事務所所属アーティストが強いAM局は元より、全国のFM各局も積極的にオンエアしていたことから、“常田大希”効果による注目度の高さが窺える。固定ファン以外のリスナーにもアピールし得たことだろう。長期オンエアも助けセールスも絶好調のようだ。

曲提供した常田大希さんのKing Gnuやmillennium paradeでの実績やファンの多さが、FM局でも「マスカラ」を流しやすい環境を生んだことが解ります。東京オリンピックが終わり編成が通常シフトに戻ったこと、オリンピック関連曲のOAが減ったこともまた、「マスカラ」に味方したのではないでしょうか。

 

 

今回、主にルックアップとラジオ指標の高さに注目して「マスカラ」の最高ポイント更新を紹介しました。一方で、ロングヒットに至るために重要なのがフィジカル加算2週目の動向であり、デジタル未解禁曲やフィジカルに強い曲はポイントの急落が予想されます。次週の動向に注目しましょう。

ちなみに先述した「HELLO HELLO」等はチャートで好調に推移しており、ともすればロングヒットのフェーズに入るかもしれません。この点については近日記載する予定です。

*1:チャートポリシー変更の詳細については【ビルボード最新動向】フィジカルセールス指標のウェイト減少でますます社会的ヒットの鑑に(6月3日付)をご参照ください。

*2:歌手のファンというわけではないが曲が気になる層を指します。