7月21日公開(7月26日付)ビルボードジャパンソングスチャートを制したSnow Man「HELLO HELLO」は、今年下半期以降で最大となる31290ポイントを獲得しました。一方で前週まで2週連続、通算4週間首位を獲得したBTS「Butter」は100位以内登場9週目にして初めて2位以内から脱落したのですが、しかしこの曲はフィジカルの扱いによっては2位以上を狙える位置にいたのです。
#BTS_Butter および「#PermissiontoDance」収録のCDはビルボードジャパンでもアルバム扱いになることがこれで明確になりました。 https://t.co/0vvis1FccV
— Kei (@Kei_radio) 2021年7月15日
ツイートにてビルボードジャパンでも、と書いたのはデイリーランキングを発表するオリコンでも同様の扱いだったため。結局アルバム扱いとなった『Butter』は20万を超えるフィジカルセールスを記録。
BTS『Butter』は複合指標から成るアルバムチャートも制しています。
BTSの公式ショップ(→こちら)によると、『Butter』の日本発売は7月13日火曜。前週の金曜に韓国でリリースされていたことからその際にダウンロードが開始されたとみられ、それゆえ最新チャートにおいて登場2週目となるダウンロード指標の順位はダウンしています。
BTS「Butter」については冒頭で『フィジカルの扱いによっては2位以上を狙える位置にいた』と記しました。仮にCDがシングルとして加算された場合、ポイントはどのくらいになるでしょう。
『Butter』の売上と同等のセールスを獲得した作品に、関ジャニ∞「ひとりにしないよ」があります。6月30日公開(7月5日付)で202025枚を売り上げ、11269ポイントを獲得しました。下記はフィジカル関連指標加算初週におけるチャート推移(CHART insight)。
「ひとりにしないよ」はフィジカルセールス初加算週におけるフィジカルセールス指標がポイント全体のおよそ7割となっており、およそ7900ポイントを獲得した計算となります。BTS「Butter」は最新チャートにおいて12694ポイントを獲得したことから、『Butter』のCDがシングル扱いだった場合、同曲が2万ポイントを上回ることは確実だったと言えます。
一方で、今週首位を獲得したSnow Man「HELLO HELLO」は、フィジカルセールス指標のウェイト減少(係数処理対象枚数を30万→10万に引き下げる措置の実施。ただしビルボードジャパンは対象枚数を明言していないため、チャート予想される方の分析によりこの数値で間違いないと捉えています)が行われた今年下半期以降で最大のポイントを獲得しています。
前作「Grandeur」よりおよそ2万多い、82万枚を超えるフィジカルセールスを記録した「HELLO HELLO」。ですがそれ以上に伸びたのがルックアップでした。
【ビルボード週間予想振り返り(総合)】#SnowMan「#HELLOHELLO」はルックアップが大暴騰。CD売上は前作比2%の微増だがLUは推定55%増で1.5万点台に達し合計31,290点を記録。これは「Butter」が6/2公開週で記録した30,709点をも上回り、CD係数が変更された同週以降では週間総合ポイント最高点となる。 pic.twitter.com/VCGxWDXeqg
— あさ (@musicnever_die) 2021年7月21日
#SnowMan「#HELLOHELLO」のルックアップ推定15,200点がどれほど高いかを示すため、推定歴代週間ルックアップ加点ランキングを更新。LUの換算率が変えられた形跡は確認できない中で、この水準はSixTONESの過去2作に次ぐ歴代3位相当であり、しかもc/w違い複数商法非実施作品の中では断トツ最高点である。 https://t.co/4lpTUuRSyK pic.twitter.com/y5bq6gbXFQ
— あさ (@musicnever_die) 2021年7月21日
「通常盤を1枚ルックアップすれば全てのc/wがPCに取り込める」という意味です。SixTONESなどは3種類全てルックアップしないと全てのc/wをPCに取り込めない仕様になっています。全盤種ルックアップする商法的必然性がない中での1.5万点という数字に驚いています。
— あさ (@musicnever_die) 2021年7月21日
チャート分析に長け、予想を行うあささんのツイートから引用させていただきましたが、「HELLO HELLO」におけるルックアップが「Grandeur」から1.5倍以上増加したのは驚異的です。
ルックアップとは、CDをパソコン等に取り込んだ際にインターネットデータベースのGracenoteにアクセスされた回数のこと。CD売上枚数に対する実際の購入者数(ユニークユーザー数)や、レンタル数について推測を可能とするのがこの指標であり、「HELLO HELLO」の動向からはユニークユーザー数や取り込み数の多さが見えてきます。またレンタル需要の多さは、今作の映画タイアップやメディア露出の多さから想像できます。
それにしても、「HELLO HELLO」におけるルックアップの急上昇には驚かされます。仮に前作「Grandeur」と同等のルックアップならば「HELLO HELLO」のフィジカル関連指標加算初週におけるポイントは26000弱となったわけです。それでも最新チャートにおける総合首位の優位性は変わらなかったわけですが。
あくまで想像の域を超えませんが、「HELLO HELLO」はBTSをチャート上のライバルと感じていたかもしれません。最新チャートでは「Permission To Dance」が初の1週間フル加算となり、ポイント上昇が見込まれていました。「Butter」は初の1週間フル加算となった下半期初週に30709ポイントを獲得していますが、その「Butter」のCDセールスが仮にシングルとして扱われるならば...という見方もあったのではないでしょうか。
結果的に「Permission To Dance」は「Butter」並のポイント前週比を記録したものの2万に届かず、「Butter」のCDはアルバム扱いとなりました。そして「HELLO HELLO」は驚異的なルックアップの増加で3万ポイント超えを果たしています。ともすれば3曲が2万ポイント台という可能性もあったのですが、結果的に大きく差が開いた形となりました。
次週は、フィジカル関連指標加算2週目となるSnow Man「HELLO HELLO」のポイント前週比に注目です。