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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

優里「シャッター」がヒットの兆し...歌手としての勢いの凄まじさを検証する

最新7月21日公開(7月26日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、登場2週目の優里「シャッター」が上昇しています。

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チャートを牽引しているのは、14位に入ったストリーミング。

前週40位から当週14位にジャンプアップしたのは、優里が7月7日にリリースした最新シングル「シャッター」で、再生回数は4,914,593回を記録した。YouTubeチャンネル『優里ちゃんねる【公式】』の企画から生まれた同曲は、チャンネルのカメラマンを務めるJUN MIYASAKAのために優里が書き下ろした楽曲で、こちらも最初の1週間フル集計を迎え、大きく再生回数を伸ばした。

この「シャッター」は、LINE MUSICおよびRakuten Musicにおいて、ビルボードジャパン最新チャート集計期間最終日まで再生回数キャンペーンが行われていました。

となると再生回数キャンペーン終了後、つまりは次週のビルボードジャパンソングスチャートにおいてダウンする可能性もありますが、ユーザーの再生回数が可視化されないSpotifyでも日曜に8万回を突破し、再生回数がダウンしがちな月曜もその数字をキープしています。

 

 

優里さんといえば「ドライフラワー」が大ヒットしており、同曲に比べれば「シャッター」の勢いは強くないと言われるかもしれません。無論「シャッター」については次週以降の動向を確認する必要がありますが、実際のところ優里さん歌手としての勢いは凄まじいものがあるのです。その点をふたつの側面から検証します。

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ひとつは、「ドライフラワー」「シャッター」を含む、2021年度ビルボードジャパンソングスチャートにおける順位の安定。「かくれんぼ」は今年度常時、「ピーターパン」は1月27日公開(2月1日付)以降100位以内をキープしています。最新週においては、宇多田ヒカル「One Last Kiss」やヨルシカ「春泥棒」といったロングヒット曲が100位以内から姿を消しており、そのことからも優里さんの楽曲の安定感が伝わります。

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そしてもうひとつは、「ドライフラワー」がこの2ヶ月間、一度として7000ポイントを割っていないこと。2月をピークにしばらく下降気味だったポイントが大型連休中のテレビ出演ならびに音楽フェス出演を機に好転すると、ポイント前週超えを果たす週が増えていきます。最近では地上波音楽特番の影響も大きいですが、ともすればここ最近における企画が功を奏しているかもしれません。

優里さんの公式YouTubeチャンネルでは最近、他の歌手とのコラボ動画が続々登場。最近はNovelbrightの竹中雄大さんと共演しています。

ここで取り上げられた3組の楽曲もチャートで好調をキープしています。

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ストリーミングでヒットを飛ばす歌手と共演し、自身の曲のみならず彼らの曲も大きな勢力を作り上げていこうという気概を優里さん側から感じることができます。そして、チャートアクションにきちんと反映されているのです。

(ちなみにNovelbrightは「Walking with you」もロングヒットしていますが、優里さんとのコラボ動画で披露されたのは「ツキミソウ」であり、現在はこちらの順位がより高くなっています。優里さんの選曲の巧さも特筆すべきと言えます。)

 

サブスク時代においては"一発屋"という称号は如何に勘違いであるかということを、以前ブログに記載しました。その一方で、ヒット曲は大ヒット曲の影に隠れがちであり、優里さんを仮に一発屋と称する方がいるならばそれは彼らにその印象が強いからかもしれません。ならば、「シャッター」が「ドライフラワー」に続く大ヒットとなり、その印象を覆すことを期待しています。