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(訂正あり)【海外ビルボード】「Butter」から入れ替わる形でBTS「Permission To Dance」が米制覇、グローバルチャートも席巻

(※追記(8月31日):弊ブログにてこれまで、「Stay」の表記をザ・キッド・ラロイ feat. ジャスティン・ビーバーと記載しておりましたが、正しくはザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバーでした。訂正してお詫びいたします。)

 

 

 

毎週火曜は、最新米ビルボードおよびグローバルチャートの速報をお伝えします。

 

現地時間の7月19日月曜に発表された最新7月24日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)では、7連覇を達成していたBTS「Butter」が7位に後退、一方でそのBTSによる新曲「Permission To Dance」が初登場で首位を獲得しました。

BTS「Permission To Dance」はストリーミングが1590万(同指標8位)、ラジオが110万(同指標50位未満)、ダウンロードが140100(同指標1位)を獲得。オリジナルバージョンおよびインストゥルメンタル版がとももに0.69ドル(69セント)で安価販売されたのも功を奏しました。米ビルボードソングスチャートの63年近い歴史の中で、「Permission To Dance」は1126曲目の首位獲得曲にして、初登場での首位獲得は55曲目に。

BTSの首位獲得は今回が5曲目。昨年9月5日付で「Dynamite」が通算3週首位を獲得したのを皮切りに、10月17日付でジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ × BTS「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」(BTS参加のリミックス初加算に伴う)、12月5日付で「Life Goes On」がそれぞれ1週ずつ、そして今年6月5日付以降「Butter」が7週首位を獲得しています。

初の首位獲得から10ヶ月と2週間の間に5曲を首位に送り込んだBTS。このスパンの短さはマイケル・ジャクソンが1987年から翌年にかけて、9ヶ月と2週間で達成した以来となります。マイケルはアルバム『Bad』より、サイーダ・ギャレットとの「I Just Can't Stop Loving You」を皮切りに、「Bad」「The Way You Make Me Feel」「Man In The Mirror」そして「Dirty Diana」を送り込みました。

このスパンの最短記録保持者はザ・ビートルズ。1964年、「I Want To Hold Your Hand」「She Loves You」「Can't Buy Me Love」「Love Me Do」そして「A Hard Day's Night」がわずか6ヶ月の間に首位に到達しています。

 

BTSに話を戻すと、ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ × BTS「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」を除く4曲が初登場で首位を獲得。この初登場首位獲得曲数はアリアナ・グランデが5曲で最多となっており、BTSジャスティン・ビーバー、ドレイクに並ぶ歴代2位となりました。

また「Permission To Dance」は自身の「Butter」から置き換わる形で首位に到達。これはドレイクが「Nice For What」から「In My Feelings」に置き換えた2018年7月21日付以来。なおドレイクは同年4月21日付で「God's Plan」から「Nice For What」に置き換えてもいます。

「Permission To Dance」のソングライターに名を連ねた4名のうち、エド・シーランはソングライターとして自身の「Shape Of You」(2017 12週)、「Perfect」(2017-2018 6週)の他、ジャスティン・ビーバー「Love Yourself」(2016 2週)に次ぐ4曲目の首位を獲得しています。

 

一方で、前週まで7連覇を達成していたBTS「Butter」は7位に後退。ストリーミングは前週比4%アップの1120万(同指標27位)、ダウンロードは同54%ダウンの49800(同指標2位)、ラジオは同2%アップの2970万(同指標20位)となり、ダウンロードの半減が大きく影響。7週以上首位獲得した曲が大きく順位を落とすのは、サンタナ feat. ザ・プロダクト G&B「Maria Maria」以来となります(2020年、10週首位獲得の後8位へダウン)。

初登場で首位を獲得した翌週以降、「Butter」の後塵を拝し7週連続2位をマークしたオリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」は、結果的に今週もBTSに破れ2位に。ストリーミングは前週比7%ダウンの2570万(同指標2位)、ラジオは同6%アップの6510万(同指標4位)、ダウンロードは同10%ダウンの7400(同指標12位)となっています。

 

初登場で3位にランクインしたのはザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」。ストリーミングは3470万を獲得し同指標首位、ラジオは1290万で同指標50位未満、ダウンロードは12000で同指標5位を獲得しています。

ザ・キッド・ラロイにとってはマイリー・サイラスとの「Without You」が5月に8位を獲得して以来、2曲目のトップ10入りにしてキャリア最高位を更新。ジャスティン・ビーバーは24曲目のトップ10入りとなり、歴代13位となりました。ジャスティン・ビーバーより1曲多い25曲トップ10保持者にはリル・ウェイン、そしてエルヴィス・プレスリーがいます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) BTS「Permission To Dance」

2位 (2位) オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」

3位 (初登場) ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」

4位 (3位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

5位 (4位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」 

6位 (6位) エド・シーラン「Bad Habits」

7位 (1位) BTS「Butter」

8位 (5位) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」

9位 (9位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」

10位 (10位) オリヴィア・ロドリゴDeja Vu

ラジオを制したのはデュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」(総合4位)で、前週とほぼ変わらず7990万を獲得。またエド・シーラン「Bad Habits」(総合6位)は同指標で前週比15%アップの4980万を獲得し同指標9位となり、トップエアプレイゲイナーを獲得しています。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート速報。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。7月24日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にBTS「Permission To Dance」が初登場で首位を獲得しました。

BTS「Permission To Dance」はGlobal 200でストリーミングが1億7080万、ダウンロードが138600を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが1億5490万、ダウンロードが94600を獲得しています。

BTSにとってはGlobal 200で5曲目、Global Excl. U.S.では4曲目の首位を獲得(ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ × BTS「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」はGlobal 200でのみ首位を記録)。双方のグローバルチャートで最多首位獲得曲数を更新しています。

ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」がGlobal 200で2位、Global Excl. U.S.で6位に初登場(前者はストリーミング7630万、ダウンロード18600を、後者はストリーミング4230万、ダウンロード6600を記録)。ザ・キッド・ラロイはGlobal 200ではマイリー・サイラスとの「Without You」に次ぐ2曲目、Global Excl. U.S.では初のトップ10入り、またジャスティン・ビーバーはどちらも7曲目のトップ10入りとなります。

 

 

次週はBTS「Permission To Dance」の動きが落ち着くものと思われます。指標動向に注目です。