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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり) 【海外ビルボード】ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が米でドレイクから首位奪還

(※追記(9月28日):弊ブログにてこれまで、「Industry Baby」の表記をリル・ナズ・X feat. ジャック・ハーロウと表記しておりましたが、正しくはリル・ナズ・X & ジャック・ハーロウでした。訂正してお詫びいたします。)

 

 

 

最新米ビルボードおよびグローバルチャートの速報をお伝えします。

現地時間の9月20日月曜に発表された最新9月25日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。前週はドレイクがトップ10のうち9曲を寡占しましたが、今週はザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が首位に返り咲きました。

ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」はストリーミングが前週比2%ダウンの2710万(同指標3位)、ダウンロードが同3%アップの12500(同指標4位)、ラジオが同5%アップの7930万(同指標1位)に。

ラジオ指標制覇はザ・キッド・ラロイにとっては初、そしてジャスティン・ビーバーにとっては「Sorry」(2016 2週)、「Love Yourself」(2016 11週)、ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキーに客演参加した「Despacito」(2017 5週)、エド・シーランとの「I Don't Care」(2019 1週)に次ぐ5曲目となりました。

今回の集計期間中、9月12日に【2021 MTVビデオ・ミュージック・アワード】が行われ、「Stay」が披露されたこともチャートに影響していると言えます。

今回の返り咲きによりジャスティン・ビーバーは通算30週目の首位獲得となり、ポール・マッカートニーに並ぶ歴代15位タイとなりました。なお首位獲得週数ではマライア・キャリーの84週を筆頭に、リアーナ(60週)、ザ・ビートルズ(59週)、ドレイク(52週)、ボーイズIIメン(50週)、アッシャー(47週)、ビヨンセ(41週)、マイケル・ジャクソン(37週)、エルトンジョンおよびブルーノ・マーズ(34週)、ジャネット・ジャクソンおよびケイティ・ペリー(33週)、マドンナ(32週)、ホイットニー・ヒューストン(31週)が30週超えを果たしています。

 

前週9曲をトップ10に送り込んだドレイクは、フィーチャーとヤング・サグをフューチャーした「Way 2 Sexy」が2位にダウン。ストリーミングは前週比41%ダウンの3990万(同指標1位)、ダウンロードが同15%ダウンの5900(同指標11位)、ラジオが同131%アップの1750万(同指標43位)となっています。

ドレイクは21サヴェージおよびプロジェクト・パットを迎えた「Knife Talk」が1ランクアップの4位に(ストリーミングは前週比31%ダウンの3140万(同指標2位))、リル・ベイビーを招いた「Girls Want Girls」が8ランクダウンの10位に入り(ストリーミングは前週比57%ダウンの2490万(同指標5位))、トップ10内に3曲がランクインしています。

 

2週前にキャリア初となるトップ10入りを果たしたウォーカー・ヘイズによる「Fancy Like」が21→5位となり、自身初のトップ5入り。ストリーミングが前週比20%アップの2050万(同指標7位)、ダウンロードが同5%アップの30800(同指標2位)、そしてラジオは前週比36%アップの2190万(同指標30位)を記録しています。

TikTokでの人気、歌詞に登場するファミレスチェーンでのCMソング起用に続き、集計期間初日となる9月10日にケシャを迎えたリミックスが登場したことが躍進の契機となりました。

(なお、ケシャ参加版がポイント面でオリジナルバージョンを上回らかったため、総合ではウォーカー・ヘイズによる単独クレジットとなっています。)

2010年に「Tik Tok」でデビューし9週首位を獲得したケシャが今回、ウォーカー・ヘイズ「Fancy Like」のTikTokでのバイラルヒットに貢献しています。

@walkerhayesofficial

##duet with @kesha 😱😱😱😱hold up is this the real Kesha? Ok…I’m dead

♬ Fancy Like - Walker Hayes

@kesha

I’m fancy like… @lowgy_ @walkerhayesofficial

♬ Fancy Like - Walker Hayes

ケシャ参加版リリースの3日前、ウォーカー・ヘイズそしてケシャそれぞれのTikTok公式アカウントにて共演動画が投稿。それぞれ180万、220万のフォロワーを抱えており、さらなるヒットにつながった形です。先述したようにウォーカーは、ケシャ参加以前から「Fancy Like」の投稿をTikTokで行っています。

 

リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」が20→6位に。ストリーミングは前週比2%アップの2160万、ダウンロードは同21%アップの5000を獲得(各指標の順位は記事未掲載)。オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」(総合15→7位)共々、【2021 MTVビデオ・ミュージック・アワード】にて披露されています。また同賞で司会を務めたドージャ・キャットによる、シザとの「Kiss Me More」が19→8位に。ダウンロードは前週比14%アップとなる3700を獲得しています(同指標の順位は記事未掲載)。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (6位) ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」

2位 (1位) ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」

3位 (13位) エド・シーラン「Bad Habits」

4位 (5位) ドレイク feat. 21サヴェージ & プロジェクト・パット「Knife Talk

5位 (21位) ウォーカー・ヘイズ「Fancy Like」

6位 (20位) リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」

7位 (15位) オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」

8位 (19位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」 

9位 (23位) デュア・リパ「Levitating」

10位 (2位) ドレイク feat. リル・ベイビー「Girls Want Girls」

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート速報。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。9月25日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が制覇。Global 200は通算8週目、Global Excl. U.S.においては6連覇を達成しています。

ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」はGlobal 200にてストリーミングが前週比3%ダウンの1億1570万、ダウンロードが前週と変わらず23400を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比3%ダウンの9100万、ダウンロードが同3%ダウンの11200を獲得。Global 200においてはストリーミングが今年最長となる6週連続での1億回以上再生を記録しています(1億850万→1億2370万→1億2490万→1億2570万→1億1980万→1億1570万)。

BLACKPINKのLISAによる「Lalisa」がふたつのグローバルチャートで共に2位に初登場。BLACKPINKとしてはセレーナ・ゴメスとの「Ice Cream」がGlobal 200で8位およびGlobal Excl. U.S.で6位、「Lovesick Girls」が前者2位および後者1位(共に2020)を獲得していますがソロでは初エントリーとなりました。なお「Lalisa」は米ビルボードソングスチャートでは84位に初登場を果たしています。

エド・シーラン「Shivers」がGlobal 200で7位、Global Excl. U.S.で5位に初登場。前者では2曲目、後者では3曲目となるトップ10入りを記録しました。

グラス・アニマルズ「Heat Waves」がGlobal 200で20→9位、Global Excl. U.S.では15→10位となり、双方のチャートにて自身初のトップ10入りを果たしています。同チャートではザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が24週かけてトップ10入りを達成しましたが「Heat Waves」は到達まで37週を要しており、トップ10入りまでの最長記録となりました。

@glassanimalsofficial

I’m fine lol ##heatwaves ##fyp ##glassanimals ##missingyou

♬ original sound - 🍒

この曲のヒットの要因もまたTikTok。歌詞に登場するフレーズを用いた"#allithinkaboutisyou"が先月下旬より急激な人気となり、グラス・アニマルズ自身による上記動画を含めた関連動画の総再生回数は3億回を超えています。

 

 

 

最後に。記事翻訳の後に私見を載せる形を今後は採っていきます。

 

次週はリル・ナズ・Xが大挙上昇する可能性があります。これは次週の集計期間初日となる9月17日に初のフルアルバム『Montero』をリリースしたことに因るものです。

 

前週はドレイクの大量エントリーによってチャートが大きく動いたため、今週は2週前のチャートに近い形に戻ったと言えます。その2週前のチャート(ブログエントリーはこちら)ではカニエ・ウェストが2曲初登場でトップ10入りしていますが、そのカニエを除く8曲のうち7曲が今週トップ10に登場(うち6曲が返り咲き)している一方、2週前に最高位を獲得したBTS「Butter」がトップ10に復帰していません。

ビルボードソングスチャートを構成する3つの指標それぞれのトップ5をみると、BTS「Butter」はダウンロードで1位を獲得しながら他指標は5位以内に入っていません。ダウンロードばかりが目立つ作品の上位進出は同指標がよほど強くない限り上位に到達できず、また接触指標が伴わなければ尚の事強くなれないと言えます。

 

BTS「Butter」は通算10週首位を獲得し今年度最長記録となっていますが、接触指標が弱い同曲が米社会でチャート成績と比例して浸透しているかは疑問です。それを踏まえて米ビルボードにチャートポリシー変更を提案するブログエントリーを昨日記載していますので、是非ご覧ください。