コアなファンと楽しさを共有し、ライト層をどんどんコアなファンに昇華させていく…そんなエンゲージメントの確立に最も長けている歌手といえばYOASOBI。7月4日にYouTubeで配信されたライブ『SING YOUR WORLD』はTwitterでもトレンド入りし、同時接続者数うは30万弱を記録。勢いの凄さを感じずにはいられません。
【レポート公開!】#UTYOASOBIライブ オフィシャルレポーター・いち亀(@ichikamefina )さんの記事を公開しました。
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2021年7月5日
今までのYOASOBIを見てきてくれた方がこうして現場を伝えてくださると、こんなにも熱くて暖かいものが出来上がるんだと、感動が止まりません。必読です。https://t.co/w8L0UbeJCW
既にオフィシャルレポートもアップ。担当したいち亀さんは前回の配信ライブ『KEEP OUT THEATER』でレポートを投稿し、今回起用されるに至っています。レポートやキャプチャを許可し多くの方の好奇心をくすぐるYOASOBIは、その好奇心を夢の実現へと結実してくれるのです。
いやー、YOASOBIのライブ、予想以上に良かったです。ドローンでライブ配信とか凄すぎる。
— 徳力 基彦(tokuriki) (@tokuriki) 2021年7月4日
ということで、とりあえず勢いでYahooに記事を寄稿してみました。:
27万人をライブ配信に動員したYOASOBIに学ぶ、ネット時代の新しい音楽の拡げ方 https://t.co/JK4x8WG9Ki #UTYOASOBIライブ
またnoteプロデューサーの徳力基彦さんは、ライブの余韻醒めやらぬ7月4日20時過ぎにYahoo! JAPANに寄稿。いち亀さんのレポートを当日を主体とした横軸とするならば、徳力さんのコラムはYOASOBIの分析を主体とした縦軸。これら文章がYOASOBIを知る十分なきっかけになるのみならず、今後登場する様々なレポートで彼らへの興味がさらに高まるはずです。
では、チャート上はどう動いたでしょう。
今回のライブ『SING YOUR WORLD』については、ライブ当日までを集計期間とする7月7日公開(7月12日付)ビルボードジャパンソングスチャート、および翌週分に反映されますが、その構成要素であるサブスク再生回数では既に興味深い結果が出ています。再生回数が明示されるSpotifyの動向を追いかけてみましょう。
ここで取り上げたのは日本におけるSpotifyデイリーチャート、上位曲の推移(7月4日日曜における18位までを表示。なお17位のAdo「うっせぇわ」は除く)。リリース間もない「三原色」が早くも、前作「もう少しだけ」の最高再生回数を突破しました。
「三原色」を起用したahamoのCMは3月の好感度ランキングでトップを記録。加えて配信リリース日にユニクロ『YOASOBI UT』が発売されたことや今回のライブも相俟って、早々に22万の大台を突破しました。
それだけではありません。先週金曜にリリースされた曲を除けば、今回のライブでYOASOBIが披露した曲のライブ当日における再生回数は、ほぼすべてが前週超えを達成。「もう少しだけ」の93.5%を除き、100.6~105.8%という前週比を記録しています。上記グラフで紹介したSpotify上位曲においてはYOASOBIおよびOfficial髭男dism「Cry Baby」を除きほぼ前週割れとなっており、ライブの影響の大きさが解ります。
EP『THE BOOK』リリース直前から現在に至るまでの、YOASOBI各曲のSpotifyデイリー再生回数推移を上記に。再生回数は4月以降漸減し、「もう少しだけ」投入後初の日曜においても既存曲の多くは前週日曜超えを果たしていませんでした(「アンコール」および「優しい彗星」のみ前週比102%台)。それが今回、見事な結果を残しているのです。
さらに特筆すべきは、7月4日に「あの夢をなぞって」が再生回数前週比111.5%、「優しい彗星」が同107.8%を達成したこと。この2曲は今回のライブで披露されていません。推測の域を出ませんが、披露されなかったことでライブ視聴者が振り返り時に敢えてこれらの曲を聴くという行動が生まれたのかもしれません。今回のライブで、披露する/しないにかかわらずどの曲にも光が当たったと言えそうです。
明日発表のビルボードジャパンソングスチャートでは、「三原色」が金曜リリースながら上位に登場することが見込まれます。その位置に注目すると共に(さらには下記ブログエントリーで記した疑問についても回答が出ることでしょう)、YOASOBIのこれまでの曲の動向にも注目しましょう。