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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボード最新動向】BTS「Butter」は解禁2日半で特大ヒット…衝撃的な記録を確認する

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

5月17~23日を集計期間とする5月26日公開(5月31日付)ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。フィジカルセールス初加算に伴いKing & Prince「Magic Touch」が首位を獲得しました。

King & Prince「Magic Touch」については明日詳しくチェックします。というのも、2位に入ったBTS「Butter」の勢いが凄まじいのです。

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公開は日本時間の5月21日金曜13時。つまり集計期間の後半わずか2日半で2位に到達した「Butter」は、4つの指標を制しています。

デジタル解禁後3日間で世界的な拡がりをみせ、“JAPAN HOT 100”でも、ダウンロード、ストリーミング、Twitter、動画再生で1位となり、計4冠を獲得して総合2位に初登場した。特に当週は計測期間が3日という短期間でありながら、ストリーミングでは14,021,650再生で同2位の優里の「ドライフラワー」(8,282,357再生)と約600万再生の大差、動画再生では7,314,289再生で同2位のAdo「踊」(2,547,624再生)と約500万再生の大差をつけ、世界的な訴求力の高まりを日本でも証明する結果となった。

動画再生指標についてビルボードジャパンがその数値を明らかにすることはほぼありません。それだけ、「Butter」の再生回数が衝撃的であることが記事から解ります。

 

サブスク等の再生回数に基づくストリーミングもロケットスタートを切っています。

当週のチャートでは週末3日間の集計となったにもかかわらず、初週の週間再生回数としてはNiziUの「Make you happy」の11,584,293回を上回る、歴代最多の14,021,650回を記録している。

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初週の再生回数更新のみならず、今年度においては2位を記録。LiSA「炎」が今年度初週となる昨年12月2日公開(12月7日付)で記録した14,333,542再生に、およそ31万差に迫っているのです。次週は今年度最多、そして「炎」が2020年10月28日公開(11月2日付)で記録した18,901,974再生という歴代最高再生回数の更新を狙っています。

 

ダウンロードも55,844DLを獲得し同指標を制するとともに今年度2位を記録(首位は宇多田ヒカル「One Last Kiss」で、3月17日公開(3月22日付)における66,534DL)。そしてTwitterにおいても、総合を制したKing & Prince「Magic Touch」、およびダブルAサイドシングルのもう1曲である「Beating Hearts」を2位および3位に退け、堂々の首位を獲得しています(なお、Twitterは唯一集計期間フル加算となっています)。

 

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ラジオにおいても公開2日半で23位という高位置に付けた「Butter」。フィジカル関連の2指標が加算対象外ながら、デジタルに明るくないKing & Prince「Magic Touch」と対照的なポイント構成となり、最終的には今年度においてフィジカル加算対象外の曲で最高となる18,818ポイントを獲得しているのです。これまでは宇多田ヒカル「One Last Kiss」の17,226ポイントが最高であり(3月17日公開(3月22日付))、「Butter」の凄さを感じずにはいられません。

(なお「One Last Kiss」はフィジカルでリリースされていますが、アルバムとしてカウントされています。)

 

 

この勢いについては、昨日のブログで取り上げました。

通常は【ヒットの予感】と書くのですが、今回は【大ヒットの予感】と記して紹介したBTS「Butter」。しかしこの勢いは個人的な予想を遥かに上回るものであり、【特大ヒットの予感】と書くのが適切だったかもしれません。

 

 

さて、次週はどうなるでしょう。英語詞曲の前作「Dynamite」は2020年8月26日公開(8月31日付)で9,964ポイントを獲得し初登場すると翌週は11,639ポイントとなり(7→3位)、ポイント前週比は116.8%。この前週比を「Butter」に当てはめれば次週は21,979ポイントとなり、昨年度のフィジカル加算対象外の曲で最高を記録したYOASOBI「夜に駆ける」の21,274ポイント(2020年8月12日公開(8月17日付))をも上回ることになるのです。

 

BTS「Butter」は次週、ポイントをさらに上乗せすることでしょう。しかし次週もフィジカルセールス加算初週となる日向坂46「君しか勝たん」が、おそらく3万ポイントを超え首位獲得に至るものと思われます。フィジカルに強い曲がデジタルでも大ヒットとなり完全勝利となるならば何の違和感もありませんが、仮に「Butter」がこのままの勢いを保っても首位の座に就けないならば、週間首位という称号が形骸化していると言われもおかしくない事態について、ビルボードジャパンは再考してほしいと強く願います。