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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】高フィジカルセールス曲が総合トップ3を占拠、その指標構成から次週の動向を読む

3月13~19日を集計期間とする最新3月22日公開分のビルボードジャパンソングチャートは、Snow Manタペストリー」が首位を獲得。3位までがフィジカルセールス初加算曲となり、Official髭男dism「Subtitle」は100位以内エントリー23週目にしてトップ3から外れました。

こちらは5位までのポイント、および指標構成を示すCHART insight。上位3曲と「Subtitle」やVaundy「怪獣の花唄」とでは、その内容が大きく異なることが解ります。

今回のブログエントリーでは、上位4曲等のCHART insightを掲載。CHART insightでは総合順位が黒で、各指標はフィジカルセールスが黄色、ダウンロードが紫、ストリーミングが青、ラジオが黄緑、動画再生が赤、カラオケが緑で表示されます。CHART insightはビルボードジャパンのトップページから確認できます。

 

最新3月22日公開分ビルボードジャパンソングチャートで2位に初登場したSTU48「息をする心」は298,795枚、3位に再登場したKep1er「I do! Do you?」を含むシングル『FLY-BY』は80,783枚のフィジカルセールスを獲得。一方でデジタルは強くなく、チャート構成比からはフィジカルセールスの偏りが見て取れます。

ダンス関連動画も公開された2曲ですが(STU48こちら、Kep1erはこちら)、動画再生指標はKep1er「I do! Do you?」が100位未満(300位圏内につき加点対象)、一方でSTU48「息をする心」においては300位圏外のため加点されていません。そしてサブスク再生回数等に基づくストリーミング指標は双方とも300位圏外となりました。

この2曲からは、フィジカルセールス(所有)とデジタルの接触指標群との乖離がみえてきます。フィジカルリリースがデジタルのフックアップにつながっているとは言い難いこと、フィジカル購入者がデジタルをチェックするわけではないことが見えてくると言えるでしょう。

 

トップに躍り出たSnow Manタペストリー」はフィジカルセールス、そして動画再生が前作以上に好調に推移しています。

目黒蓮が主演する映画『わたしの幸せな結婚』の主題歌である「タペストリー」は、初週売上921,011枚でシングル1位、他指標でもラジオ1位、2,167,138再生で動画3位と高ポイントをマーク、前週90位から総合首位にジャンプアップした。前シングル『オレンジkiss』の初週売上が850,692枚で同週の動画再生数が1,853,558再生だったため、今回は2指標ともに前作を上回る結果となり、訴求力を一層増していることを示す結果となった。

Snow Manタペストリー」は動画再生指標が常時3位以内に入っているのみならず、前作「オレンジkiss」で未加算だったカラオケも最新週で300位圏内に初登場。最新の映画興行収入ランキングで『わたしの幸せな結婚』が首位を獲得したこともさることながら、ミュージックビデオやダンスプラクティス動画(→こちら)の公開も影響したと言えるでしょう。

この人気を踏まえれば、ミュージックビデオのみならずストリーミングやダウンロードの形でもデジタルを解禁したならば、「タペストリー」はより大きなヒットが見込めただろうと考えます。フィジカルセールスが落ち着く次週はトップ10キープが課題となりますが、前作「オレンジkiss」は1→5位、14,976→5,676ポイントと推移。前作のポイントの高さは、昨年度までルックアップ指標が加算されていたことに因るものです。

 

ジャニーズ事務所所属歌手では、前週フィジカルセールスでハーフミリオンを記録したなにわ男子「Special Kiss」が最新のビルボードジャパンソングチャートで2→34位へ後退。他方、初週フィジカルセールスで「Special Kiss」の3分の1だったNiziU「Paradise」は1→6位に。「Paradise」のCHART insightを踏まえれば、デジタルの好調が総合チャートに寄与していることは明らかです。

 

さて次週、3月29日公開分のビルボードジャパンソングチャートにおいてはフィジカルセールスに強いであろう作品は登場しないと見込まれます。そのため一昨日リリースされた米津玄師「LADY」の首位初登場も十分あり得るでしょう。

そして、Official髭男dism「Subtitle」のトップ3復帰も濃厚と捉えています。

2月に入りフィジカルセールスに強い曲が増えたことで首位到達がほぼなくなった「Subtitle」ですが、ポイント前週比は92%を超え、このブログで予想した内容(→こちら)を大きく上回っています。メンバーの藤原聡さんが療養を発表したことに対する励ましや、4月以降のドラマ主題歌およびニュース番組のテーマ曲決定がアナウンスされ注目を集め続けていることも、ポイント減少幅を抑えた要因と言えるでしょう。

3月8日公開分のビルボードジャパンソングチャートでOfficial髭男dism「Subtitle」が総合首位に返り咲きを果たしたのは、フィジカルセールスに強い曲の不在のみならず、「Subtitle」がデジタル、主に接触指標群で強いことが影響しています(上記参照)。フィジカルセールスに強い曲はデジタルを強くすることで真に社会的ヒット曲に成ると考えるのは、フィジカル未リリースの「Subtitle」のヒットが可視化されているゆえです。

 

 

次週は米津玄師「LADY」、Official髭男dism「Subtitle」の動向もさることながら、フィジカルセールスに強い曲の同指標加算2週目におけるチャートアクションにも注目しましょう。