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ポロG「Rapstar」が初登場で米制覇…4月24日付米ビルボードソングスチャートおよびグローバルチャートをチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の4月19日月曜に発表された最新4月24日付ソングスチャート(Hot 100)。前週初の首位を獲得したブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニック「Leave The Door Open」は3位へ後退。ポロG「Rapstar」が初の首位を獲得しました。

ポロG「Rapstar」は米ビルボードソングスチャート(Hot 100)62年の歴史において通算1122曲目、初登場では52曲目となる首位獲得曲に。ストリーミングは5360万を獲得しこの指標制覇したのみならず、2021年においては史上3番目の高水準となりました(なお1位と2位はいずれもオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」で、1月23日付で7610万、1月30日付けで5970万を獲得)。またダウンロードは5300(同指標21位)、ラジオは844000(同指標50位未満)を獲得しています。

実はこの「Rapstar」、上記ウクレレによるアコースティックバージョンがプロデューサーのひとりであるアイナー・バンクスのYouTubeアカウント内で昨年5月下旬に一部公開されており、今回待望のリリースとなったわけです。22歳のポロGにとってはジュース・ワールドとマシュメロのコラボナンバーでザ・キッド・ラロイ共々客演参加した「Hate The Other Side」が昨年7月に10位に初登場を果たして以来2度目のトップ10にして初の頂点に。主演曲ではリル・ティージェイをフィーチャーした「Pop Out」(2019)の11位がこれまでの最高位でした。

今回のポロG「Rapstar」の首位獲得により、3月20日付でドレイク「What's Next」が初登場で首位を獲得して以降6週連続で首位が交代し、且つそのどれもが別曲となっています(以下、カーディ・B「Up」、ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」、リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」、シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」そして「Rapstar」)。6週連続且つすべて異なる曲での首位交代は昨年5-6月におけるザ・スコッツ(トラヴィス・スコット & キッド・カディ)「The Scotts」~ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」以来となりますが、このときは6曲中3曲が初登場で首位を獲得。今回は「Up」そして「Leave The Door Open」以外が初登場での首位獲得となっており、しかも「What's Next」を除いては現在もトップ10にとどまっています。そして「Rapstar」は次週も首位を獲得するのではと言われています。

 

リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」が2位をキープ。ダウンロードは前週比34%アップの19500(同指標1位)、ストリーミングは同12%ダウンの3360万(同指標2位)、ラジオは同78%アップの570万(同指標50位未満)となりました。ダウンロードの首位獲得はビリー・レイ・サイラスをフィーチャーした「Old Town Road」が一昨年に16週首位を獲得して以来となります。

前週首位のシルク・ソニック「Leave The Door Open」は3位に交代。前週は集計期間に合わせてリリースされたライブバージョンおよびフィジカルリリースの影響で初の首位を獲得したものの、今回の米ビルボードの記事では同指標の前週比が未記載となっています(ただしこちらのツイートで同指標4位であることが判明)。一方でラジオは前週比10%アップの6550万となり同指標初制覇。ラジオソングスチャートが1990年に登場して以降、ブルーノ・マーズにとっては歴代3位となる9曲目の首位獲得となりました(なお同指標の歴代1位はリアーナの13曲、2位はマライア・キャリーの11曲)。一方でアンダーソン・パークにとっては同指標初制覇となっており、また登場6週目でのラジオ指標首位獲得はエド・シーラン「Shape Of You」(2017)と並ぶ速さとなっています。

ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」が7位に初登場。ストリーミングは2330万(同指標4位)、ダウンロードは7600(同指標11位)、ラジオは1260万(同指標50位未満)となり、ドージャ・キャットにとってはニッキー・ミナージュをフィーチャーしたタイミングで首位を獲得した「Say So」(2020)以来2曲目、シザにとっては4曲目のトップ10入りとなり、共に初登場でのトップ10入りは初に。またシザにとってはケンドリック・ラマーとの「All The Stars」に並ぶ最高位獲得となりました。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) ポロG「Rapstar」

2位 (2位) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」

3位 (1位) シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」

4位 (3位) ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」

5位 (6位) ザ・ウィークエンド「Save Your Tears」

6位 (7位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

7位 (初登場) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」

8位 (4位) カーディ・B「Up」

9位 (5位) オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」

10位 (10位) マスクド・ウルフ「Astronaut In The Ocean」

今週の米ビルボードアルバムチャートはテイラー・スウィフト『Fearless (Taylor's Version)』が制していますが、その初登場のタイミングでソングスチャートにおいて5曲が初登場。

これにより今週は100位以内にテイラー・スウィフトが9曲ランクインし、100位以内のエントリーは通算136曲に。ドレイクの231曲、グリー・キャストの207曲、リル・ウェインの170曲に次ぐ歴代4位となりました。また「Mr. Perfectly Fine (Taylor's Version) (From The Vault)」が30位に上昇しトップ40入りを果たしたことで、ソングスチャート40位以内エントリーは80曲に。トップ40ランクインはドレイクの119曲、リル・ウェインの84曲、エルヴィス・プレスリーの81曲に次いで、こちらでも歴代4位となっています(ただし米ビルボードソングスチャートの開始以前からもエルヴィス・プレスリーは活躍しており、その分はチャートに加味されていません)。

 

 

 

また4月9日に亡くなったDMXがソングスチャートに3曲登場。

このうち「Ruff Ryder's Anthem」は16位に再登場。DMXにとってはザ・ロックスとリル・キムを招いた「Money, Power & Respect」の17位を上回り最高位を更新しました。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート、その速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月24日付ではリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」がGlobal 200で、ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」がGlobal Excl. U.S.でそれぞれ首位をキープしています。

リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」はストリーミングが前週比2%ダウンの1億710万、ダウンロードが同27%アップの25500を獲得し両指標でトップを獲得。2週連続通算2週目の首位を獲得しました。

ビルボードソングスチャートを制したポロG「Rapstar」はGlobal 200では3位に初登場(ストリーミングは7770万、ダウンロードは6300を獲得)。同じく米ビルボードソングスチャート7位初登場のドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」は7位に初登場(ストリーミングは4970万、ダウンロードは9900を獲得)。一方でこの2曲は共に、Global Excl. U.S.ではトップ10入りを逃しています。

ダニエル・シーザーと共にジャスティン・ビーバーに客演参加した「Peaches」がヒット中のギヴィオンによる「Heartbreak Anniversary」が、Global 200で前週から1ランクアップし10位に到達(ストリーミングは4910万、ダウンロードは2800を獲得)。ギヴィオンはGlobal 200において、2021年にトップ10内に2曲を同時に送り込んだ6組目の歌手となりました(ギヴィオンのほか、ジャスティン・ビーバー、ドレイク、アリアナ・グランデ、オリヴィア・ロドリゴおよびザ・ウィークエンドが該当)。

 

そのギヴィオンも参加した「Peaches」がGlobal Excl. U.S.で通算4週目の首位を獲得。ストリーミングは6720万、ダウンロードは7600を獲得し両指標共に前週比2%上昇しています。

いずれもプエルトリコ出身のウィシン、ジェイ・コルテスおよびロス・レジェンダリオスによるスペイン語曲「Fiel」が前週から7ランクアップし8位に到達。ストリーミングは前週比11%アップの3350万を獲得しています。