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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『呪術廻戦』『名探偵コナン』主題歌が新たな動画等を投入…次回のチャートアクションに注目せよ

Who-ya Extended(フーヤエクステンデッド)による「VIVID VICE」が、次回のビルボードジャパンソングスチャートで勢いを見せるかもしれません。

先週金曜に発信されたTHE FIRST TAKE動画が好調に推移。ミュージックビデオやデジタルプラットフォームへの波及が見込まれます。

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上記チャート推移(CHART insight)にて黒の折れ線で表示される総合順位をみると、「VIVID VICE」はビルボードジャパンソングスチャートにおいて2月24日公開(3月1日付)の50位が最高。テレビアニメ『呪術廻戦』第2クールオープニングテーマに起用されたこの曲は、同クール終了のタイミングでラジオ(黄緑)が浮上しているものの、ダウンロード(紫)、ストリーミング(青)そして動画再生(赤)といったチャート構成比で大半を占める所有および接触指標群が緩やかながら下がっていることが解ります。

「VIVID VICE」収録のフィジカルはアルバム扱いになるためフィジカルセールスおよびルックアップは加算されませんが、これは『呪術廻戦』第1クールオープニングテーマであるEve「廻廻奇譚」も同様です。

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Eve「廻廻奇譚」のデジタル解禁直後における右肩上がりのチャートアクションは『呪術廻戦』のブレイクと重なるように感じられます。動画再生は昨年12月2日公開(12月7日付)でなぜか一度途切れるのですが、先述の3指標(ダウンロード、ストリーミングおよび動画再生)はその翌週以降20位以内をキープし、総合でも現在まで通算10週間トップ10入り。加えて11位が6度もあるのですから、如何に人気なのかが解ります。また3月31日公開(4月5日付)でTwitter(水色)が6位に急伸しているのですが、これはテレビアニメ『呪術廻戦』終了のタイミングで公開された新たな動画効果に因るもの。これが起爆剤となり同週、6週ぶりに総合トップ10に返り咲いているのです。

Eve「廻廻奇譚」がロングヒットの最中に新たな動画を投入したことでさらに勢いづいたことを踏まえれば、ヒットの規模は違えどWho-ya Extended「VIVID VICE」における新たな動画の公開、それもTHE FIRST TAKEという人気コンテンツ発という状況はプラスに作用するはず。さらには今後のチャートアクションを右肩下がりから安定に持っていける可能性も持ち合わせています。

 

アニメタイアップ曲の新たな動画公開は、東京事変「永遠の不在証明」でも。

映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』主題歌となった「永遠の不在証明」。映画は当初昨年4月に公開される予定でしたが1年延期となり、遂に先週金曜公開されました。この公開直前、東京事変は新たな仕掛けを投入しています。

たとえばiTunes Songsチャートでは一昨日以降トップ5入りし、今日に入ってからは現段階まで、ONE OK ROCK「Renegades」に次ぐ2位を毎時記録。「永遠の不在証明」はアルバム『ニュース』に収録され昨年すでにフィジカルでもリリースされていますが、アニメ特別仕様投入で曲単位での売上を伸ばしていることは注目すべきです。最新4月14日公開(4月19日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおけるダウンロード指標の急伸もまさにこの効果と言えます。

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東京事変「永遠の不在証明」はタイアップ作品を直接取り込んだプロモーションを展開。またEve「廻廻奇譚」の新たな動画は、『呪術廻戦』の作画こそ出てこないもののその雰囲気を十分にまとっています。ならばWho-ya Extended「VIVID VICE」においても、THE FIRST TAKEに続く動画等を用意、それも『呪術廻戦』色の濃いものを投入してアニメファンの取り込みをより強固なものにすることが必要かもしれません。

「VIVID VICE」および「永遠の不在証明」の4月21日公開(4月26日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおける上昇度合い、そして「廻廻奇譚」の動向に注目しましょう。