イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Kis-My-Ft2「Luv Bias」がいつの間にかデジタル解禁、しかしごく一部に限定されていた件

驚きました。2月24日にCDリリースされたKis-My-Ft2Luv Bias」が今週になって、配信リリースされていたのです。

タイミング的に『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS)の最終回に合わせたと思しき今回の解禁ですが、あくまでもごく一部のデジタルプラットフォームにおけるダウンロード解禁にすぎません。

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上記ツイートのリンク先をたどると、iTunes Storeもなければサブスクサービスはひとつもありません。このデジタルプラットフォームを限定したダウンロードのみ解禁という手段はジャニーズ事務所では以前から行われてきたもので、大きく功を奏したのが山下智久「CHANGE」(2019)。ダウンロードを大きく稼ぎ、スピッツ「優しいあの子」を逆転してビルボードジャパンソングスチャートを制したのです。

不思議なのはレコチョクジャニーズ特集という特設ページを用意しながら、King & PrinceやSixTONESSnow Manといった最近のデビュー組については一切解禁していないこと。個人的にはジャニーズ事務所レコチョクとの関係性が薄れたのではと考えていたのですが、今回「Luv Bias」が遅ればせながらですがカタログ提供したことに。とはいえKis-My-Ft2の公式サイトやエイベックスの歌手ホームページ、音楽ナタリー等の記事ではダウンロード解禁の旨が示されておらず(自分が見落としているだけかもしれませんが)、なぜ「Luv Bias」が解禁に至ったのかは謎のままです。

 

Luv Bias」については、主題歌となったTBS火曜ドラマ枠から多数の大ヒット曲が輩出されていること、それらがデジタルを強みにしていたことを踏まえ、解禁は必須ということを以前から記していました。

最新3月22日付ビルボードジャパンソングスチャートで「Luv Bias」は31位に後退。前作「ENDLESS SUMMER」がフィジカルセールス加算3週目に100位を割っていたことを踏まえれば大健闘と言えるのですが、それでも伸び悩む現状を踏まえデジタル解禁に至ったのかもしれません。

しかしながらTBS火曜ドラマ枠から昨年ビルボードジャパン年間ソングスチャートでトップ10入りしたOfficial髭男dism「I LOVE...」(年間4位)およびあいみょん「裸の心」(同10位)はいずれも、ダウンロードのみならずストリーミング指標でも年間トップ10入りを果たしているのです。所有指標のみに頼った曲はSnow Man「D.D.」(年間15位)が最上位であり、チャートで高みを目指すには接触指標をきちんと解禁しないと限界があると言えます。

これを踏まえ、Kis-My-Ft2Luv Bias」のさらなるデジタル拡充を願います。これはジャニーズ事務所所属歌手(以前所属していた方も含め)全体に言えることです。

 

それにしても。先に引用したエイベックスのツイートに”着うた”とあり、ダウンロードと書かれていないことが気になります。音楽分析を行うあささんも疑問を呈していましたが、自分なりにこのようなことをふと思った次第。

とはいえ、以前記した山下智久「CHANGE」においては同様の解禁状況ながらダウンロードの旨が記載されています(上記ブログエントリー参照。ただしソニーミュージックのリンク先は消去されています)。ということは着うたという記載は単純なエイベックス側のミスかもしれませんが、この一点だけでもエイベックスのデジタル対応力や訴求力が強くないことが証明されたと言えるかもしれません。