ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニック「Leave The Door Open」の評判がとんでもないことになっています。
日本時間で今週月曜開催されたグラミー賞でも素晴らしいパフォーマンスを披露しているのですが、グラミー賞の公式YouTubeアカウントではオープニングのみ動画が公開され、本編全体を観るべく公式サイトへ飛んでもおそらくリージョン違いとのことで日本から満足のいく視聴ができません。
それでも、この雰囲気から読み取れるものはあります。
シルク・ソニック #GRAMMYs まるでスタイリスティックス。70年代の「ソウル・トレイン」を観ているようでした。...と思ったら、シルク・ソニックでリトル・リチャード・トリビュートまで。このふたり、最初から出演決まっていたな?!😁 pic.twitter.com/641aXcYV1I
— RIN-GO (@hystys) 2021年3月15日
R&Bやソウルミュージックに詳しい音楽評論家の林剛さんの指摘に納得。林さんはこの曲にちなんだスウィートソウルのプレイリストも作成されています。
シルク・ソニック「Leave The Door Open」からスゥイートソウルの歴史をたどることを縦軸とすれば、横軸はこの曲をブルーノ・マーズと共に手掛けたDマイルについて知ることと言えます。
話題騒然! ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークの新グループ、シルク・ソニック(高橋芳朗の音楽コラム) https://t.co/80BkaKAIQm TBSラジオ『ジェーン・スー #生活は踊る』、3月11日放送の書き起こし。#SilkSonic の第一弾シングル「Leave the Door Open」のルーツや関連曲を紹介しています!🚪
— 高橋芳朗 (@ysak0406) 2021年3月14日
音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんがラジオでシルク・ソニックを特集した際、Dマイルとブルーノ・マーズによる 嵐「Whenever You Call」等共同プロデュース曲について触れています。このDマイルは今年のグラミー賞で最優秀楽曲賞を受賞したH.E.R.「I Can't Breathe」にも関与しており、近年のR&Bにおける最重要人物のひとり。Dマイルの制作曲については彼自身がプレイリスト化していますので、是非チェックしてみてください。
シルク・ソニックの評判は、チャート上にもはっきりと示されています。最新3月20日付米ビルボードソングスチャートでは「Leave The Door Open」が4位に初登場。トップ3はドレイクに占められてしまいましたが、来週はオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」やカーディ・B「Up」と首位争いを繰り広げると予想されています。
チャートを構成する3つの指標において、初登場後の動向における鍵となるのがラジオ。初週に強くとも2週目以降ダウンすることの多いデジタル2指標(ストリーミングおよびダウンロード)を補完しロングヒットに至れるかがラジオ指標の役割と言えるのですが、「Leave The Door Open」は初週2350万を獲得し同指標31位に登場。ロケットスタートができないラジオにおいてこのスタートが破格であることは、米ビルボードソングスチャートについて解説したブログエントリーをチェックすればよく解ります。
ラジオは同じ接触指標であるストリーミングに比べ聴取者の年齢層が高くやや保守的な傾向があると言われていますが、だからこそ古き良き時代の音楽に敬意を払った「Leave The Door Open」がヒットするのは必然と言えます。
そしてチャートでのヒットは日本でも。
3月22日付ビルボードジャパンソングスチャートではシルク・ソニック「Leave The Door Open」が41位に登場。初めて1週間フルで加算対象となった当週、ラジオは宇多田ヒカル「One Last Kiss」に阻まれ2位となりましたが、ダウンロード44位、そしてストリーミングおよび動画再生が100位未満ながらも300位圏内となりポイント加算対象となっています。ラジオ指標へOA回数データを提供するプランテックは最新週について『洋楽勢の善戦が目立った』と形容していますが(『』内は宇多田“シン・エヴァ”主題曲が初登場1位、洋楽勢善戦“人との繋がり”求め(?)コラボ曲が多数浮上【エアモニ】 | Musicman(3月17日付)より)、ラジオはまだしも総合50位以内に(K-Popを除いて)洋楽が登場するのは極めて珍しく、シルク・ソニックが如何に注目を集めているかが解りますし、ラジオ以外できちんと接触されていることもまた特筆すべき動きです。次週グラミー賞効果がどこまで反映されるか、楽しみです。