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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

YOASOBIの勢いはとどまることを知らない…1月25日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

1月11~17日を集計期間とする1月25日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。ジャニーズWEST「週刊うまくいく曜日」が前週の300位圏外から首位の座を射止めました。

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首位獲得は、22万を超える初週シングルCDセールスの加算に因るものが大きく、今週以降しばらくは高いCDセールスを伴い首位を獲得する曲が連続で登場すると思われます。チャートを確認する際に重要なのはその翌週の成績(ポイント前週比等)をチェックすることであり、2週分の成績を見て真の社会的ヒットに至れるかを判断する必要があります。

 

さて、「週刊うまくいく曜日」同様、1月18日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)でパフォーマンスを披露したYOASOBIがとんでもないことになっています。EP『THE BOOK』は2週目にして2位をキープし、前週首位のSixTONES『1ST』を逆転しました。

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そしてソングスチャートではEP収録曲、そして同日リリースとなった「怪物」が躍進を遂げています。通常はEPリリース週に収録曲が上昇を遂げるもその後は緩やかにダウンすると考えるのが自然かもしれませんが、YOASOBIは違うのです。

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今週のビルボードジャパンソングスチャート、トップ20に5曲を送り込んだYOASOBI。上位7曲分のチャート推移を表にすると、「群青」を除きすべてポイントを伸ばしています。「群青」のダウンの理由は、前週の集計期間最終日に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)の企画、”プロが選ぶ年間ベスト10”で川谷絵音さんが同曲を6位に選んだことによりダウンロードが急伸した、その反動に因るもの。

しかし「群青」も他の曲と同様、ストリーミング指標を上げているのです。つまり、瞬発力は所有指標が強いものの、持続力(メディアのその後の影響力)は接触指標により大きく表れることが解ります。

 

集計期間中にミュージックビデオが公開された「怪物」は動画再生指標7位となり、総合6位に上昇。

解禁日の深夜に放送されたテレビアニメ『BEASTERS』との関連で視聴した方が多いことも想像できます。また「群青」共々ストリーミング再生回数でトップ10入りを果たしました。

 

そして、総合順位こそダウンしたものの、素晴らしい動きを示したのが「夜に駆ける」。

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「夜に駆ける」は最新のビルボードジャパンソングスチャートにおいてストリーミング再生回数が初の1100万を突破したのです。注目を集め続けていた彼らが『NHK紅白歌合戦』、そしてEP『THE BOOK』リリースを機に(そしてTwitter等におけるエンゲージメントを徹底していたことが結実し)、このタイミングで再生回数を更新したと考えることができます。

集計期間前日の1月10日にテレビのバラエティ番組に初出演したことも功を奏していますが、「群青」のピックアップや「怪物」のミュージックビデオ公開等が、YOASOBIという歌手自体への注目度上昇につながっていることがよく解ります。EP『THE BOOK』の勢いのキープは、そのことを十分証明するものと言えます。

 

この勢いは、次週のビルボードジャパンソングスチャートでますます大きくなる予感がします。

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再生回数が可視化されているSpotifyの動向をみると、次週2月1日付ビルボードジャパンソングスチャートの集計期間(1月18~24日)において、多くの曲が最高再生回数や最高位を更新しているのです。集計期間中は『CDTVライブ!ライブ!』や『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出演するほか、『CDTV…』で披露した「アンコール」のミュージックビデオ解禁、『BEASTERS』第二期エンディングテーマ「優しい彗星」のリリース等、話題に事欠きません。

これらすべてがYOASOBIの歌手としての勢いにつながっており、「Epilogue」「Prologue」の再生回数上昇からはEP全体に接する人が増えていることが見えてきます。さらに、1月8~14日を集計期間とする米ビルボードによるグローバルチャートにおいて、米の分を除くGlobal Excl. U.S.で「夜に駆ける」が7位に上昇。こちらも次週のさらなる上昇が期待できるのです。

スケジュール、そしてエンゲージメントの徹底がEPリリース後の人気拡大につながっているYOASOBI。しばらくは彼らから目を離せません。