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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

マライア・キャリーをはじめクリスマスソングが世界を席巻…2021年1月2日付米ビルボードおよびグローバルソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の12月28日月曜に発表された最新2021年1月2日付ソングスチャート(Hot 100)。マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」がトップに返り咲き、通算5週目の首位を獲得しました。

1月2日付の集計期間はストリーミングおよびダウンロードが12月18~24日、ラジオエアプレイは12月21~27日。つまりクリスマスソングの勢いがこれまでになく強まるタイミングであり、米ソングスチャートではトップ10のうち9曲もがクリスマスソングで占められています。

1994年リリースのマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比35%アップの5490万(同指標1位)、ダウンロードが同24%アップの12000(同指標2位)、ラジオエアプレイが同11%アップの3370万(同指標13位)と全指標2桁増。2011年にはじまったクリスマスソングスチャート(Holiday 100)は今週ちょうど50週目となりますが、「All I Want For Christmas Is You」は今週45週目の首位を獲得し、クリスマスソングの代表格となっています。

「All I Want For Christmas Is You」は今週通算5週目の首位となり、チップマンクス with デヴィッド・セヴィル「The Chipmunk Song」が1958年(米ビルボードソングスチャートが新設された年)に記録した4週首位の記録を塗り替え、クリスマスソング史上最長となる首位獲得週数を更新。また2019年シーズンにはじめて首位となり、2020年そして今回2021年1月2日付でも首位を獲得。これによりクリスマスソングに関係なく、首位を3年に渡って獲得した初の曲となりました。

今回「All I Want For Christmas Is You」の首位獲得によりマライア・キャリーの首位獲得週数は84週となり、2位のリアーナに24週もの差をつける独壇場となっています。昨シーズンの首位獲得(2020年1月4日付まで首位)により、マライアは1990年代から4つのディケイド連続で首位を記録した歌手となりましたが、今週の首位獲得で1990~2000年、2005年および2006年、2008年そして2019~2021年という17年に渡って首位を獲得したことに。これはポール・マッカートニー(ウイングスでの記録を含む)、マイケル・ジャクソンおよびマドンナの10年を遥かに上回る記録なのです。

マライア・キャリーは「Vision Of Love」で1990年8月4日付に初の首位を獲得し、最初の首位獲得から今回までのスパンが30年5ヶ月となりました。昨シーズン「All I Want For Christmas Is You」が初めて首位を獲得したタイミングで、シェールの27年5ヶ月を上回る最高記録を達成しています(ただしシェールにおいては、ソニー & シェール時代を含むならば33年7ヶ月と2週となります)。

 

クリスマスソングが大挙登場した今週。2~4位はすべて2020年1月4日以来の最高位に到達しています。そして5位以下のトップ10登場曲はすべて最高位を更新。

1963年にリリースされたアンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」はこれまでの最高位をひとつ上回る5位に到達。アンディにとっては「Lonely Street」(1959年11月 5位)、「Can't Get Used To Losing You」(1963年4月 2位)に次ぐ3曲目、実に57年7ヶ月と3週空けてのトップ5ヒットとなりました。これは昨年、ブレンダ・リーが「Rockin' Around The Christmas Tree」(今週2位)によって57年と3週を経て再びトップ5入りを果たした記録を上回る、史上最長のブランクとなりました。

ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」も同曲最高となる6位へ到達。そして以下の3曲はすべて初のトップ10入りとなります。

1959年にリリースされたディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」は3ランクアップし8位に到達。ストリーミングは前週比40%アップの3100万、ダウンロードは同15%アップの1000、ラジオエアプレイは同3%ダウンの1600万を獲得しています。1995年のクリスマス当日に亡くなったディーンにとっては「Everybody Loves Somebody」(1964年8月 1位)、「The Door Is Still Open To My Heart」(1964年11月 6位)、「I Will」(1965年 10位)以来、4曲目のトップ10入りです。

1984年リリースのワム!「Last Chtistmas」は5ランクアップし9位に。ストリーミングは前週比41%アップの2830万、ダウンロードは同38%アップの6000、ラジオエアプレイは同5%アップの1910万を獲得。2016年のクリスマスに亡くなったジョージ・マイケル、そしてアンドリュー・リッジリーによるデュオとしては7曲目となるトップ10入り(なおジョージ・マイケルはソロとして、7曲の首位を含む14曲をトップ10に送り込んでいます)。これまでの6曲はいずれも1984年からの3年間にトップ10入りしており、「Wake Me Up Before You Go-Go」「Careless Whisper」そして「Everything She Wants」の3曲が首位を獲得。「Last Chtistmas」は「The Edge Of Heaven」(最高10位)が最後に10位を獲得した1986年8月23日付以来となるトップ10入りです。

チャック・ベリー「Run Rudolph Run」は19ランクアップし10位に。ストリーミングは前週比66%アップの3120万、ダウンロードは同17%アップの5000、ラジオエアプレイは同14%アップの610万を獲得しています。2017年3月に亡くなったチャック・ベリーにとっては、「No Particular Place To Go」(1964年7月 10位)、「My Ding-A-Ling」(1972年10月 2週1位)以来3曲目のトップ10入りとなりましたが、この「Run Rudolph Run」が米ビルボードソングスチャートに初めて登場したのは1958年12月15日付であり、ソングスチャートが新設されてからわずか4ヶ月後のこと。「Run Rudolph Run」は、ボビー・ヘルム「Jingle Bell Rock」(今週3位)が昨シーズンに60年と2週を経てトップ10入りした記録を上回り、初登場以来実に62年と2週を経てトップ10入りという新記録を樹立したのです。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (3位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

3位 (4位) ボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock」

4位 (6位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

5位 (7位) アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」

6位 (10位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

7位 (5位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

8位 (11位) ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」

9位 (14位) ワム!「Last Chtistmas」

10位 (29位) チャック・ベリー「Run Rudolph Run」

クリスマスソング以外で唯一のトップ10入りとなったのは、24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」(7位)。ラジオエアプレイは今週通算9週目の首位となりましたが、前週比2%ダウンの8130万となっています。

一方、前週アルバム『Evermore』共々初登場で首位を獲得したテイラー・スウィフト「Willow」は38位へ急落。無論クリスマスソングの影響もありますが、シックスナイン & ニッキー・ミナージュ「Trollz」の2020年7月4日付における1→33位を上回るワースト記録を樹立しました。なお、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が2020年1月11日付で前週の首位から100位圏外へダウンするという記録があるのですが、米ビルボードの記事では「Willow」が”greatest fall"と記載されていることから、米ビルボードはクリスマスソングが記録の例外にあたると捉えているものと思われます。「Willow」についてはおそらく、初登場週における様々な施策の反動が表れたと言えるでしょう。クリスマスソングが一掃されるタイミングでどの位置に登場するかに注目です。

 

 

グローバルチャート速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。2021年1月2日付ではGlobal 200、およびGlobal 200からアメリカの分を除いたGlobal Excl. U.S.共にマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が首位を獲得しました。

(Global Excl. U.S.についてはツイートが登場次第掲載します。)

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200において、ストリーミングが前週比55%アップの1億3000万、ダウンロードが同30%アップの27000を記録。Global Excl. U.S.ではストリーミングが同22%アップの5850万、ダウンロードが同3%アップの11000となっており、(Global 200からGlobal Excl. U.S.分を差し引けば)アメリカでの勢いの凄さが見て取れます。Global 200におけるストリーミング1億3000万という数値は、BTS「Life Goes On」が2020年12月5日付で記録した1億5250万に次ぐ歴代2位の記録となります。

Global 200ではバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」の10位を除き、9位までをクリスマスソングが占拠。ワム!「Last Chtistmas」(5→2位)、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(4→3位)、ボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock」(7→4位)、アリアナ・グランデ「Santa Tell Me」(10→5位)、マイケル・ブーブレ「It's Beginning To Look A Lot Like Christmas」(14→6位)、アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」(11→7位)、ケリー・クラークソン「Underneath The Tree」(17→8位)、ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」(18→9位)と、トップ10入りしたクリスマスソングはマライア・キャリーを除きすべて最高位を更新しています。

Global Excl. U.S.でもマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が首位に。こちらではトップ10におけるクリスマスソング占有率はGlobal 200ほどではありませんが、それでも多くランクイン。ワム!「Last Chtistmas」(4→2位)、アリアナ・グランデ「Santa Tell Me」(11→7位)、マイケル・ブーブレ「It's Beginning To Look A Lot Like Christmas」(12→9位)と続き、10位にはラドベイビー「Don't Stop Me Eatin'」が初登場。

ラドベイビー「Don't Stop Me Eatin'」はストリーミングが676000と極めて低いものの、ダウンロードは98000を獲得しGlobal Excl. U.S.で最高となる数値を叩き出しています。ラドベイビーは同国のYouTuber、ブロガー等の顔を持ち、3年連続で有名曲をソーセージロールをテーマとした替え歌として発表。スターシップを元とする「We Built This City」(2018)、アローズがオリジナルとなり、ジョーン・ジェット & ザ・ブラックハーツのバージョンがヒットした「I Love Rock 'n' Roll」を元とした「I Love Sausage Rolls」(2019)に続き、ジャーニー「Don't Stop Believin'」を元とした今作がイギリスで3年連続首位を記録しています。収益はフードバンクを主催する非営利組織のトラッセル・トラストに寄付されることもあり、ダウンロードが急増した形です。

 

 

 

最後に。このブログではクリスマスソング当日、そしてイブの傾向についてSpotifyの動向を追いかけました。これをみるとアメリカでのクリスマスソングの勢いの凄まじさ、そしてクリスマス当日の需要の大きさが伺えることから、2021年1月9日付米ビルボードソングスチャートではクリスマスソングが残っている可能性が十分考えられます。