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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米はブレンダ・リー、グローバルはマライアが首位…クリスマス関連曲が上位を占拠

現地時間の1月1日月曜が祝日のため翌2日に発表された、最新1月6日付米ビルボードソングチャート(集計期間2023年12月22~28日)。2週連続で首位を獲得していたマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」は2位に後退、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が3週ぶり、通算3週目の首位を獲得しました。

ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」はストリーミングが前週比16%アップの5730万(同指標5週連続、通算6週目の首位)、ダウンロードが同10%ダウンの4,000(同指標6位)、ラジオが同7%ダウンの2220万(同指標22位)を記録。2週連続でトップストリーミングゲイナーを獲得しています。

ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」は1958年にリリースされ、1960年12月に14位を記録。ストリーミングが興隆しクリスマス関連曲が上昇するようになって以降、2019年12月から2022年のクリスマスシーズンにかけて通算9週に渡り2位を記録していました。

リリースから65年にあたる2023年、「Rockin' Around The Christmas Tree」はミュージックビデオが制作され、カントリー歌手のタニヤ・タッカーおよびトリーシャ・イヤウッドがカメオ出演。この動画が11月3日に公開されたのみならず、12月7日にはNBC『Christmas At The Opry』にてブレンダ・リーがこの曲をパフォーマンス。さらにブレンダは公式TikTokアカウントを開設し、同曲や自身のキャリア等を発信しています。

 

クリスマス関連曲として、「Rockin' Around The Christmas Tree」は米ビルボードソングチャートにて3曲目の首位獲得作品となり、いずれの曲も複数週で制覇。デヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクスによる1958年リリースの「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週首位)、マライア・キャリーによる1994年リリースの「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」(2019年12月以降2023年のクリスマスシーズンまで通算14週)に続く形です。

今回「Rockin' Around The Christmas Tree」が首位を獲得したことにより、ブレンダ・リーはキャリア初の首位獲得(1960年7月18日付における「I'm Sorry」)から最新週における「Rockin' Around The Christmas Tree」までの期間が63年5ヶ月と3週となり、自身の持つ最長記録を更新しています。

また今回、ブレンダ・リーは79歳と3週間で首位を獲得しており、最年長でのソングチャート制覇記録をさらに伸ばした形です。加えて「Rockin' Around The Christmas Tree」はソングチャートと同様の計算方法を採るクリスマス関連曲によるチャート(Holiday 100)でも3週目の首位に至っています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は2位に後退。ストリーミングは前週比13%アップの5480万、ダウンロードは同1%ダウンの7,000、ラジオは同16%ダウンの2650万を記録しています。この曲はマライアにとって19曲目の首位獲得作品となりソロでは最多、全体でもザ・ビートルズの20曲に次ぐ歴代2位となります。またHoliday 100のランクイン曲のみで構成されるGreatest Of All Time Holiday 100 Songsでも首位を記録しています。

 

アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」(1963年リリース)は7→6位に上昇。アンディはキャリア初のトップ10ヒット(「Lonely Street」が1959年10月に記録)から今回のトップ10入りまでの記録が64年と3ヶ月に伸び、自身の持つ最長記録を更新しています。

 

ザ・ロネッツSleigh Ride」(1963年リリース)は10位をキープ。ザ・ロネッツはキャリア初となるトップ10入り(1963年9月に最高2位を記録した「Be My Baby」)から今回のトップ10入りまでの期間が60年3ヶ月と2週になり、グループにおける最長記録を更新しました(クリスマス関連曲を除けば、ザ・ビートルズの59年9ヶ月と3週が最長記録となります(「I Want To Hold Your Hand」(1964)から「Now And Then」(2023)まで))。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

2位 (1位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

3位 (3位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

4位 (4位) ワム!Last Christmas

5位 (5位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

6位 (7位) アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」

7位 (8位) ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」

8位 (9位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

9位 (6位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

10位 (10位) ザ・ロネッツSleigh Ride

 

クリスマス関連曲が米ビルボードソングチャートトップ10のうち9曲を占拠しました。この寡占は2021年1月2日付、および前週と並ぶ最高記録となります。2021年1月2日付チャートについては下記エントリーにて確認可能です。

クリスマス関連曲以外で唯一トップ10入りしたジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は6→9位に後退しています。

 

また、エルヴィス・プレスリーが1957年にリリースした「Blue Christmas」が25→18位に上昇。別途記事が公開されています。

エルヴィス・プレスリーは1977年8月16日、42歳にて死去。その後同年10月1日付にて「Way Down」が18位を記録しており、今回「Blue Christmas」は「Way Down」以来となるトップ20到達となります。

「Blue Christmas」はエルヴィス・プレスリーにとって49曲目となるトップ20ヒットとなりました(なお米ビルボードソングチャートは1958年8月4日付にスタートしており、エルヴィスはチャート開始以前から活動しています)。トップ20ヒットはドレイクの133曲が最多となり、テイラー・スウィフトが85曲、リル・ウェインが53曲で続き、エルヴィスは歴代4位となります。

「Blue Christmas」はストリーミングが前週比15%アップの2330万、ラジオが同3%アップの770万を記録。なおこの曲はザ・ブラウンズ版が1960年に97位を、ケイン・ブラウン版が2022年のクリスマスシーズンに73位を記録しています。またエルヴィス・プレスリー版がリリースされる前、アーネスト・タブによるバージョンが米ビルボードのモスト・プレイド・ジューク・ボックス(カントリー&ウエスタン)レコード・チャートにて、1949年のクリスマスシーズンに首位を獲得しています。

なおエルヴィス・プレスリーのみならず、チャック・ベリーナット・キング・コール、ペリー・コモおよびディーン・マーティンは最新2024年1月6日付の米ビルボードソングチャートに登場。いずれもチャート初週となる1958年8月4日付に作品を送り込んでおり(同日付チャートはこちら)、チャート初登場からの最長記録(65年と5ヶ月)を達成しています。

なお2024年1月6日付の米ビルボードソングチャートでは、100位までのうちクリスマス関連曲が41曲ランクイン。これは2023年1月7日付(2022年のクリスマスシーズン最終週)における40曲を上回り、最高記録を更新した形です。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。1月6日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方でマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が2023年のクリスマスシーズンにおいて5週連続の首位を獲得しています。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200においてストリーミングが前週比38%アップの1億5900万、ダウンロードが同9%アップの13,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比52%アップの1億950万、ダウンロードが同23%アップの6,000を記録しています。Global 200におけるストリーミング1億5900万は、同チャートが2020年に開始して以降「All I Want For Christmas Is You」における最高記録となります。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200では5週連続、通算18週目の首位となり自身の持つ最長首位記録を更新。またGlobal Excl. U.S.では同じく5週連続、通算13週目の首位となり、マイリー・サイラス「Flowers」(2023)およびハリー・スタイルズ「As It Was」(2022)と並び最長タイ記録となりました。なお3曲はいずれもコロムビア・レコード(内レーベル)発の作品となります。

 

2023年のクリスマスシーズン最終週である今回、Global 200では上位19曲、Global Excl. U.S.では上位20曲がクリスマス関連曲で占拠。この上位独占は2020年にグローバルチャートが開始して以降最大となり、2022年のクリスマスシーズン最終週(2023年1月7日付)ではGlobal 200にて10位まで、Global Excl. U.S.では7位までがクリスマス関連曲で占められた形です。なお同日付チャートはこちらのエントリーにて紹介しています。

クリスマス関連曲以外で最高位を記録したのは、Global 200ではジャック・ハーロウ「Lovin On Me」。ストリーミングは前週比4%ダウンの4530万、ダウンロードは同3%ダウンの10,000を記録し、20位にランクイン。またGlobal Excl. U.S.ではテイト・マクレー「Greedy」が、ストリーミングは前週比8%ダウンの3540万、ダウンロードは同4%ダウンの1,000となり、21位に登場しています。