毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。
7月20~26日を集計期間とする8月3日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)は、SixTONES「NAVIGATOR」が今年最大となる5万ポイント超えを達成し、首位の座に就きました。
【ビルボード】SixTONES 「NAVIGATOR」652,277枚を売り上げ総合首位獲得 三浦春馬「Night Diver」総合4位に初登場 https://t.co/e3VRhJxz7x pic.twitter.com/n80QLwGzck
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年7月29日
売上枚数は前作「Imitation Rain」から12万ダウンするものの、初週65万枚というのは立派な成績です。一方で気になることが。
SixTONESCDセールス初加算週のルックアップ指標獲得ポイント
— Kei (@Kei_radio) 2020年7月29日
「Imitation Rain」(41992P)
初週776836枚 3種リリース うち2種はCD同内容
ルックアップ約10% 同指標獲得分 4199P
「NAVIGATOR」(51273P)
初週652277枚 3種リリース 全種CD別内容
ルックアップ約36% 同指標獲得分 18458P https://t.co/Ns859hOG79
チャート構成比に占めるルックアップ指標の割合はCHART insightの円グラフより推測するゆえ、ルックアップ指標による獲得ポイントはおおよそでしかないのですが、それでも前作より「NAVIGATOR」が同指標で4倍強を獲得したことに違和感を覚えるというのが私見です。カップリングの異なるバージョンが増えたこと、アニメタイアップゆえアニメファンが手にしたこともあってルックアップの増加は想定の範囲内という見方もありますし、ルックアップを上げるべくインターネットデータベースにCDデータをアクセスする作業(CDの抜き差しも同様)はファンの呼びかけで以前から行われているという指摘もありますが、それでもこの数値の跳ね上がりは個人的に納得しづらいと捉えています。ビルボードジャパンのスタッフによるポッドキャストでは”#ビルボードポッドキャスト”と入力してTwitterで質問できることから、このルックアップの跳ね上がりについて問いかけてみました。
今日録音される #ビルボードポッドキャスト の中の方に質問します。#SixTONES「#NAVIGATOR」のチャート構成比を前作のCD初加算週と比較すると、ルックアップがあまりに大きくなっていると考えます。この上昇、想定の範囲内と考えて好いでしょうか
— Kei (@Kei_radio) 2020年7月29日
回答があればまた紹介したいと思います。
7月24日リリース作品が3曲トップ10入り。小室哲哉さんの作家復帰作となる乃木坂46「Route 246」(10位)、嵐のデジタルシングル「IN THE SUMMER」(6位)を押さえて4位に初登場を果たしたのは三浦春馬「Night Diver」でした。
本日午前7時の段階でYouTubeのミュージックビデオ再生回数は1149万に達しています。iTunes Storeでのダウンロードチャートも毎時間1位を記録していることから、次週は総合ポイントで1万を超える可能性は高いと思われます。追悼の思いから曲にたどり着く方も多くいらっしゃるでしょうが、この曲は個人的には年間ベスト級の素晴らしい作品だと思っています。
さて今週はソングスチャート全体のポイント上昇が凄まじいことになっています。1位、10位および50位のポイントを定点観測しているのですが、全てにおいて今年最高を更新しているのです。
10位は7000ポイントを、50位は2000ポイントを突破。今週はダウンロード指標の10位が今年最多となる19046DLを記録し全体的に底上げされたことも大きいですが、サブスクサービスの再生回数に基づくストリーミングが順調に伸びていることが大きく影響したと言えそうです。
3週前はNiziUのミニアルバム『Make you happy』収録曲すべてがストリーミングチャートでトップ10入りしたことで、1位および10位の再生回数が共に最高を更新したのですが、今週は1位が1千万、10位が400万目前となり共に歴代2位となりました。そして乃木坂46「Route 246」(総合10位)はストリーミングが43位、1713416再生を記録していますが、この数値は昨年同時期の10位レベルに相当するのです(2019年8月5日付におけるストリーミング10位の再生回数は1628797)。コロナ禍の自粛により高まったサブスクへのニーズがその後も減ることなく順調に推移していると考えれば、サブスクサービスで如何に火を付けるかが今後トップ10入り且つロングヒットするための焦点になることは自明でしょう。その意味では、このブログの執筆段階(7月30日7時)でもデジタル未解禁の嵐「カイト」について、「IN THE SUMMER」とは真逆であり且つこれまでのジャニーズ事務所所属歌手の販売手法をなぞるデジタル未解禁に対し、至極勿体ないと思う自分がいます。なお、前週5位に入った山下智久「Nights Cold」(今週80位)のように、一部のジャニーズ事務所所属歌手はレコチョク等一部サービス限定でダウンロードが解禁されていますが、「カイト」はこちらでも、本日7時の段階で配信が開始に至っていません。
次週8月10日付ビルボードジャパンソングスチャートでは「カイト」が初登場で首位を獲得することはほぼ間違いありませんが、同時に「IN THE SUMMER」は1週間フルで集計対象となりポイントを伸ばすことも考えられます。仮に「カイト」がデジタル未解禁を続けるならば、その翌週(8月17日付)におけるポイント前週比にデジタル解禁/未解禁の差が如実に表れるものと考えます。次週の「NAVIGATOR」のポイント前週比共々、注視していきましょう。
さて、自分が収録し毎週木曜に更新している【Billboard Top Hits】ポッドキャスト、今回から20分枠としてお送りします。こちらもぜひ、よろしくお願いいたします。
【ポッドキャスト更新のお知らせ】
— Kei (@Kei_radio) 2020年7月29日
日米の最新ソングスチャートを紹介するポッドキャスト、#BillboardTopHits #ビルボードトップヒッツ 、最新回を更新しました。今回から20分の凝縮、濃縮バージョンでお届けします。通勤や通学のお供に是非!
Spotifyはこちら https://t.co/9nmr6mf3pd
#BillboardTopHits #ビルボードトップヒッツ ポッドキャスト、Apple Musicはこちらhttps://t.co/znzb0EbrtW
— Kei (@Kei_radio) 2020年7月29日
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