最新7月14日付の米ビルボードアダルトR&Bソングスチャートは新鋭のエラ・メイ(一部"エラ・マイ"表記のメディアも有り)による「Boo'd Up」が遂にトップに立ちました。総合ソングスチャートではドレイクの大量エントリーによりトップ10落ちしたものの(7→11位)、しかし赤丸がついているのは良質なリミックスが次々送り込まれているゆえと思われます。
先週末開催されたR&B最大のフェス、エッセンス・ミュージックフェスティバルでも披露されたこの曲。最近になってT-ペインによるリミックス(というかビートジャック的なもの?)まで登場し、ますます曲の認知度は高まるばかり。次週の総合チャートでのトップ10再浮上なるか、注目です。
アダルトR&Bソングスチャートに話を戻すと、トップ30内には3曲が初登場。そのうちゴスペル歌手のマーヴィン・サップがR.ケリー提供曲「Listen」で28位にランクインしているのが興味深く、ジャンルを超えたヒットになりつつあることに加え、R氏がバッシングされていることと曲の良さとを切り離して考えられていることがチャートインにて示されたような気がします。曲やバッシング等は以前のエントリーにまとめています。
そしてその一つ上、27位に初登場を果たしたのがヴィクトリーという新鋭女性歌手による「Open Your Eyes」。
2000年前後に流行したオーガニックR&Bな雰囲気を持ち、ベースラインはデニース・ウィリアムス「Free」っぽく、ビートは1990年代前半のヒップホップR&B的…様々な時代の影響源を独自にブレンドしたような歌い手。リリックビデオではアコースティックギターを持ったヴィクトリーが登場しており、インディア・アリー的要素もあるなあとふと。
彼女の出自等はr&b SOUrCEの記事に掲載されているのでそちらをご参照いただきたいのですが、ジェイ・Zのレーベル発でプロデュースがナインス・ワンダーとなると、ヒップホップ的アプローチが施されるのも納得です。アルバム『The Broken Instrument』はデジタル発売済でフィジカルは今月発売とのことですので、気になる方は是非。
それにしても、エラ・メイといいヴィクトリーといい、良質なR&Bがきちんと評価されチャートを上昇するアメリカの音楽市場は健全と言えるかもしれません。