2月21日にシングルCDがリリースされた、清水翔太「FIRE」が最新3月6日付のビルボードジャパンのソングスチャート(Hot100)で42位に初登場を果たしているのですが、その前のシングル「My Boo」も根強い人気を誇っており、登場21週目にして78位にランクイン。それも前週よりランクアップしています。
「My Boo」を知った際、真っ先に思い出したのが全米1位を獲得したアッシャー&アリシア・キーズの同名異曲。もしくは、山下達郎さんの曲をサンプリングした歌手名。それくらい”Boo”というフレーズは珍しかったりしますが、サビの♪My Boo というフレーズは極々自然で、今後日本でも使用頻度が高まるのではないかと。
ビルボードジャパンソングスチャートはシングルCDセールスが大きなウェイトを占めるチャートであるゆえ、セールス初週のポイントが加算された際に1位に躍り出た作品(特にアイドルやアニソン等に顕著)は翌週に大きく順位を落とすことがままあります。オリコンのシングルセールスランキングでは初登場15位で通算4週のランクインにとどまっていますが、ビルボードジャパンのソングスチャートで20週以上もの間地道にランクインを続けられるというのは、「My Boo」がストリーミング等で浸透し続けていることの表れであり、CDよりストリーミングを好む層(特に若年層)に彼が支持されている証拠なのではないかと。
さて、「FIRE」リリース直後、ライターや編集者によって行われた座談会において、今の清水翔太さんについての面白い分析がなされています。これは必読と言えます。
上記は前半。後半はこちら。
そういえば自分、猪又氏が否定されていた、アッシャー&アリシアとの同名異曲から気になったクチでしたが…それはともかく、この記事での”ドープに深化”で気付かされたのは、このブログの下記エントリーにたどり着く人が少なくないということ。
このエントリーをしたためたのは、アルバム曲が素晴らしいということと同時に、シングル曲にもっと冒険が欲しい(同時にJ-Popに落とし込んだ曲ばかりが親しまれる風潮に疑問を呈しもっと成熟してほしい)…ということでした。無論ポップネスとしての彼も素晴らしいのですが。
「Damage」がシングル表題曲としては初めて、今の路線を打ち出した楽曲だよね。彼は海外のソウル・R&Bもそうだけど、現行のヒップホップやポップスもチェックしているので、その要素をカップリングやアルバム曲では露骨に出すことがあったけど、シングル表題曲には少しずつ入れ込み始めて、「BYE×BYE」でその部分をチラ見させて、「Damage」で全面開放した、という印象です。その間にある「花束のかわりにメロディーを」は、少し毛色が違うけど、昔のソウル・ミュージックっぽい歌のグルーヴがいいんですよ。
・清水翔太の音楽がドープに深化した理由ーー3人のライター・編集者が語り合う | Real Sound|リアルサウンドより
猪又氏の言葉に納得、且つ自分の願いが叶い始めたと(勝手ながら)捉え、嬉しくなった次第。今後、もっと深く(R&B的な表現を用いるなら”ドープに”)彼を追いかけようと決意しました。より挑戦的になった曲をシングルのカップリングでもアルバムのみの曲でもなく、シングル表題曲に据え始めたこと、そしてその挑戦的楽曲である「My Boo」がロングヒットになっている事実はただただ痛快そのものなのです。