今日の午後には最新2月3日付ビルボードジャパンソングスチャートが公開、SixTONES「Imitation Rain」とSnow Man「D.D.」のどちらが勝つか注目されます。このジャニーズ事務所所属の2組が同時にCDデビューした件については、シングルCDセールスがレコード会社別に集計されるかそれとも一緒くたにされるのか、ビルボードジャパンとオリコンで判明したタイミングで一度記載しました。
そして最終的なセールスが判明しました。ビルボードジャパンは分けています。
【ビルボード】SixTONES vs Snow Man『Imitation Rain / D.D.』が776,836枚でSGセールス首位獲得 2位と24,600枚差 https://t.co/RZMgbjdWex pic.twitter.com/xEQl6Y3TOJ
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年1月27日
一方のオリコンでは一緒くたとなり、"ミリオン"と記載されています。
SixTONES vs Snow Man、史上初のデビューシングル初週ミリオン 「夢のひとつを達成できた」【オリコンランキング】(写真 全5枚)https://t.co/EZEMopqFxt
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2020年1月27日
#SixTONES #SnowMan #ジャニーズ #ランキング #オリコン
気になったのはオリコンで謳った"ミリオン"について、たとえば1月17日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜21時)でミリオン達成とアナウンスされたり、また上記記事においてメンバーの夢のひとつとして紹介されていること。1月18日には2組のメンバー15名が全国の情報番組に出演し、青森ではSnow Manの佐久間大介さんが『ハッピィ』(青森朝日放送 土曜9時35分)に登場しましたが、MCによるプロフィール紹介後に佐久間さん自らがミリオン達成の旨を伝えていたこともまた印象的でした。これらを踏まえれば、メディアそしてメンバー自身の意識が【オリコン>ビルボードジャパン】となっているのではと考えてしまいますし、オリコンのカウント方法に疑問を覚えないのではとも思ってしまうのです。これらに関して、以前つぶやいた内容を引用します。
#SixTONES と #SnowMan のシングルCDセールスに関するブログエントリーについて多くのアクセスをいただいております https://t.co/pigPaOffSx 仮にレコード会社それぞれのセールスがミリオン未達の場合、各メディアやメンバーが"ミリオン達成"とみなすか否かが今後の注目点と考えます
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年1月26日
"ミリオン"が解りやすい言葉ゆえメディア等は容易に用いているのかもしれませんが、ならばサブスクリプションサービスで大ヒットしたOfficial髭男dism「Pretender」やそもそもCDをリリースしていないKing Gnu「白日」はどうなのかと思うなど。サブスクリプションサービスの再生回数における"ミリオン"的な言葉を早く日本レコード協会が用意しないといけないと思います。
さて、このSixTONESおよびSnow Manのデビュー曲の動向に関しては今日発表のビルボードジャパンソングスチャートにおける順位もさることながら、今後2曲が"社会的ヒット"に至るかどうかを以下の3点で判断しようと考えています。さらに今後の音楽チャートの動向について、2つの注目ポイントを提示します。
① ビルボードジャパンソングスチャート、シングルCDセールス初加算週の係数
② ビルボードジャパンソングスチャート、シングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比
③ SixTONESおよびSnow Manのデジタル解禁はあるか
④ デジタル解禁された際のオリコン合算シングルランキングの取扱
①のシングルCDセールスの係数ですが、ビルボードジャパンは2017年度よりシングルCDセールスに独自の係数を用いています。売上枚数に対して実際の購入者(ユニークユーザー数)が著しく乖離する場合(特典商法で複数買いが積極的に行われた場合等)にはCDセールスのポイント化の際に係数を掛けて適正値に移行させます。係数の計算方法は不明ですが、今回はデビュー週に当たるゆえ果たして係数が用いられるのか、またその場合はどのくらいになるのかが気になるところです。この係数について、チャート好きの方の中にはおおよその係数を算出している方もいらっしゃいますので是非確認してみてください。
②について。昨年度の週間1位獲得曲においてはシングルCDセールス加算初週での首位→翌週の急落が幾度となく発生しており、それでは真のヒットと言い難いと踏まえるに、ならばシングルCDセールス指標の全体的なウェイトを下げる必要があるのでは?と以前記載しました。
上記ブログエントリーでは週間チャートの1位および2位獲得曲の翌週の推移を表記していますが、シングルCDセールス加算2週目の総合ポイントはジャニーズ事務所所属歌手の大半が10~20%となっています。2組の推移がこの数値の中に収まるのであればやはり真のヒットと捉えるのは難しいでしょう。デビュー曲の祝儀的な意味でロングヒットと成ることも考えられますが、デジタル未解禁の状況では厳しいと思います。
③においてはSixTONESとSnow Manがそれぞれ公式YouTubeチャンネルを持っていることなどを踏まえれば、ダウンロードおよびサブスクリプションサービス解禁はあるものと思っていました。
(上記ミュージックビデオ(のYouTubeバージョン)は共にそれぞれのアカウント発。)
ゆえにこれらの未解禁はCD購入意欲を高めさせる施策とも捉えることが出来、言い換えればジャニーズ事務所(ともすればレコード会社も)がシングルCDセールスの高さを未だに強く意識しているのだということも理解出来ます。しかし現在社会的ヒットに至る曲がシングルCDセールスよりもサブスクリプションサービスでヒットする傾向にあり、また先述したKing Gnu「白日」や菅田将暉「まちがいさがし」がシングルCD自体リリースしていない状況でヒットに至ったことを踏まえれば、やはりデジタル施策は必要だと思うのです。
で、仮に③が叶ったとして、オリコン合算シングルランキングについても思うところがあります。
オリコン合算シングルランキングは元々各指標の合算で構成されるビルボードジャパンとは異なり、また実際のランキングを見ても明らかなように、シングルCDセールスが大きなウェイトを占めます。また反映方法の考え方欄を見ると、曲単位でのダウンロードについてはシングル表題曲(リード曲)がほとんどとであることを前提に設定されています。しかしその場合、リード曲が複数用意(いわゆるダブルAサイドシングルと設定)されているならば2曲購入する方は少なくないゆえ、ダブルAサイドシングルは合算シングルランキングでも優位に働くのではないでしょうか。オリコンではレコード会社の異なる作品を一緒くたにしている以上、"SixTONES vs Snow Man"と"Snow Man vs SixTONES"をひとつと見なす限り、デジタル解禁され合算された際は合算シングルランキングでさらなる優位性が与えられるものと考えるに、これはちょっと違和感を覚えるというのが私見です。
最後に⑤について。後述するファンの方のブログエントリーで知ったのですが、ファンはビルボードジャパン対策としてTwitter指標を盛り上げるための施策を行ったとのこと。既に1月20日付ビルボードジャパンソングスチャートから2組によるシングルCD収録の6曲が同指標で6位まで独占する状況が続いています。おそらく今週も間違いなく続くでしょう。しかしながらそれらは自然発生的ではなく狙って上昇させるためのツイートが主であると考えれば、Twitter指標はSNSの口コミによる社会的ヒットとみなすのは厳しいと考えます。これらTwitter指標への考えについては以前も記載しています。
上記エントリーの登場から半年あまりで、Twitter指標のウェイトは減少、もしくは米ビルボードと同様に独立させていいのではという思いが如実に強くなっています。
最後に、SixTONESやSnow Manのファンの方の、2月3日付ビルボードジャパンソングスチャートもしくはオリコンシングルランキング集計期間最終日(1月26日)まで走り続けたとあるファンの方の行動とその心理について、赤裸々に記載したブログエントリーを勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。この内容(文章のドライブ感等、長文ですが非常に読みやすいのでお勧めです)がファンの方の主たる感覚なのだとしたら、歌手そしてジャニーズ事務所側は考え直してほしいと強く思います。
それと、ビルボードジャパンとオリコンがそれぞれ分けた/一緒くたにした理由についてはきちんとそのスタンスを明示していただきたいとも思っています。