って書くとなんだか大げさかもですが。
それでも最近はTwitterの特性を利用したタイトル付けがなされていることが少なくないんですよね。特に、"ハッシュタグ"。
#記号と、半角英数字で構成される文字列のことを Twitter上ではハッシュタグと呼ぶ。発言内に「#○○」と入れて投稿すると、その記号つきの発言が検索画面などで一覧できるようになり、同じイベントの参加者や、同じ経験、同じ興味を持つ人のさまざまな意見が閲覧しやすくなる
・ツイナビ - Twitterの使い方 - ハッシュタグ(hashtag)とはより
タイトルに"#"をつけてハッシュタグ化させることで、聴いた方がその作品(への意見や感想)を共有でき、また作品を手にしていない方にとっては盛り上がる話題に入っていくべく購入する…というのがアーティストやレコード会社のハッシュタグ化の意図かもしれません。
4月にはブラック・アイド・ピーズ(The Black Eyed Peas)のウィル・アイ・アム(will.i.am)がソロアルバムをリリース、そのタイトルが『#willpower』だったり、マライア・キャリー(Mariah Carey)が今月リリースしたミゲル(Miguel)とのコラボ曲が「#Beautiful」(リンク先はいずれもWikipediaですが、ジャケットが掲載されており、そこに記載されたタイトルを確認できます)…そう考えるとタイトルのハッシュタグ化は今の時流になりつつあると言えるかもしれません。
ちなみに、『#willpower』からのシングルカット、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)を客演に迎えたこちらもハッシュタグ付きの「#thatPOWER」、そして「#Beautiful」が(執筆段階で最新となる)6/8付ビルボードシングルチャートで仲良く並んでいます(前者は19位、後者は20位)。これもハッシュタグの力?
・will.i.am feat. Justin Bieber「#thatPOWER」
日本がロケ地なのはウィルの日本好きゆえ(BEPでも前例有り)、なので解るとして、WORLD ORDER的ダンス要素まで取り入れているとは…!
・Mariah Carey feat. Miguel「#Beautiful」(Explicit Version)
この曲好きです。シングルがヒットすることによっていよいよアルバムリリースが現実味を帯びてくるのかも、と推測。
そして"ハッシュタグ"は歌詞の世界にも登場。今月11年ぶり(!)に新作をリリースしたカナダ出身のR&Bシンガー、グレン・ルイス(Glenn Lewis)。彼のその新作『Moment Of Truth』(詳細はbmrの記事を参照)に収録された「Random Thoughts」のサビ冒頭、件のフレーズが登場するんですよね。
・Glenn Lewis「Random Thoughts」(from『Moment Of Truth』(2013))
Amazon(アルバムのリンク先参照)でもiTunes Storeでも試聴できるのにサビまで到達しないなんて…なのでよかったらぜひ手にとってみてください。ハッシュタグというフレーズに最初は"!?"と思うかもですが、あまりにも美しい音世界が展開されています。
So hashtag (だから#ハッシュタグをつけて)
These random thoughts of my heart (俺の心にふいに浮かぶ想いを)
I’m in love with you baby (キミを愛してるんだ、ベイビー)
・『Moment Of Truth』歌詞・対訳より引用
歌詞全体を読んでみても、"retweet"や"timeline"が出てくるあたり、まさに今のSNS事情を反映したラヴソングですよね。ともすれば違和感を感じる言葉達も、美しいピアノの旋律とグレンの誠実な歌声で紡がれることによって、現代用語が曲の(恋愛)世界をよりリアルでよりファンタジックに聞こえ、伝わってくるから不思議です。
そのうち日本でもSNS的現代用語が用いられた歌詞がどんどん登場するのかもしれないですね。しかもそれが、実力派の方の歌声からさり気なく真面目に語られたならば、おっ!と思うかもしれません。たとえそれが難しくとも、最初の方で触れたようなハッシュタグ的なタイトルが邦楽で出てくる可能性は高い気がします。