2組のどちらがより優れているか、オリコンでは"SixTONES vs Snow Man"と"Snow Man vs SixTONES"の内訳が見えないことから一切知ることが出来ません。その不透明さも相俟って、2組の合計セールスでミリオンを獲ったとしても、果たしてそれでミリオンを言い切っていいのか説得力を有さない気がするのです。現に各種メディアでミリオンという文字が目立ちつつあるのですが(スポーツニッポン→こちら、日刊スポーツ→こちら、スオポーツ報知→こちら等)、ファン以外(いやファンの中にもおそらく)、2組一緒くたでミリオン扱いはおかしいと思う方が生まれてもおかしくないはずです。
ロディ・リッチ「The Box」の勢いが止まりません。ストリーミングは前週比13%アップの7720万を獲得、同指標3週目の首位を達成しました。この数字はリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が昨年7月27日付で記録した8620万以来の高水準となっています。尤も「Old Town Road」は昨年4月20日付で1億4300万を記録しており桁外れの人気となりましたが、「The Box」はその水準を狙えるかもしれません。というのも現段階でミュージックビデオがまだ解禁されていないためで、ミュージックビデオの登場如何では1億超えの大記録も期待出来ます。「The Box」はダウンロードが前週比26%アップの13000(同指標7位)、ラジオエアプレイが同70%アップの1850万(同50位)と全指標2桁成長を遂げています。
2位にはフューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」が初登場。ダウンロードは25000をマークし同指標制覇、またストリーミングは5070万を獲得し同指標2位発進。ストリーミング5千万超というのはかなり立派な数字ですが、ロディ・リッチには敵わなかったということに。「Life Is Good」が2位になったことで、フューチャーは自己最高位を更新。これまでは「Mask Off」(2017)の5位が最高でした。
そしてドレイクは大記録を樹立。今回の「Life Is Good」が通算207曲目となる100位以内エントリーとなり、ドラマ『Glee』の役者陣によるグリー・キャストに並び歴代最多となる100位以内ランクインを達成しています。ドレイクは2009年5月23日付で100位以内に初登場を果たしてから10年半で大記録に並んだことに。歴代3位のリル・ウェインの163曲を大きく引き離しています。またトップ10ヒットとしても36曲目となり、マドンナの38曲にあと2と迫りました。トップ40で括ればドレイクにとってちょうど100曲目のヒットとなりこちらは過去最多となります(2位はリル・ウェインおよびエルヴィス・プレスリーの81曲)。
今週『Rare』がアルバムチャートを制したセレーナ・ゴメスは、アルバムの勢いにより「Lose You To Love Me」が5ランクアップの5位に到達しました。またSpotifyから火が付いたアリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」(総合9位)はここにきてラジオエアプレイが上昇。前週比16%アップの5730万を獲得し同指標8位、ラジオエアプレイで初のトップ10入りを果たしました。なおラジオエアプレイのトップはポスト・マローン「Circles」(総合3位)で、前週比1%ダウンしたものの1億30万となり、1億超えをキープしています。
SixTONESおよびSnow Manについては”SixTONES vs Snow Man”(その逆もあり)のスプリットシングルとしてシングルCDセールスでミリオンを獲るという意気込みが感じられるため、その狙いを優先したものと思われますが、あくまで私見と前置きして書くならば、その手法ではコアなファン(ミリオンにすべく複数買いも厭わない方)とライト層との乖離を生むのではないかと思うのですが、如何でしょう。尤もこの2組についてはメディア戦略が凄まじいため、彼らの存在やデビューすることはライト層にも浸透しているとは思われます。
Real Soundで毎週掲載されている、『森朋之の「本日、フラゲ日!」』ではw-inds.「DoU」がSixTONESやSnow Manに先駆けて紹介されています。記事を読んで興味を持った方の中には(Real Soundに掲載された)ミュージックビデオやサブスクリプションサービスで「DoU」を聴くべく動く方も少なくないでしょう。彼らの興味をきちんと受け止められる接触サービスの充実は重要だと実感します。
ソニーやエイベックスといえば、先述したSixTONESおよびSnow Manの所属レコード会社となりますが、この2組は1月22日に同時デビューを果たし、しかもレコード会社の枠を超え、2組のスプリットシングルとして2社からリリースされます。となると気掛かりなのは、このシングルCDセールスがどうやってカウントされるのかということ。仮に、2組のファンの力でミリオンセールスを獲得したとしてもそれは“SixTONES vs Snow Man”としてのミリオン達成であり、グループ単独でミリオンと呼ぶのは違うと思うのです。
昨年の『NHK紅白歌合戦』まで4年連続で白組司会は嵐のメンバーが務めていますが、活動休止前の最後の年となる今年、果たして昨年披露した「Turning Up」等の楽曲はCD化されるのかが気になります。昨年ベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』をリリース済であり、ゆえに「Turning Up」等をオリジナルアルバムとして出す、またリプロダクション企画(「A-RA-SHI:Reborn」等)を企画アルバムとしてCD化するのかが興味深いところです。ひとつだけ気掛かりな点があるとしたら、『5×20 All the BEST!! 1999-2019』に新録曲を追加収録したデラックス・エディションとして後出しでリリースする可能性。日本でも昨年はTHE YELLOW MONKEYや布袋寅泰さん、アメリカでもリゾ等がデラックス・エディション手法を用いており音楽業界の主流となりつつありますが、元のアルバムを買った方には納得いかないであろうやり方だと考えます。この点については以前指摘しました。