毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。
1月13~19日を集計期間とする1月27日付ビルボードジャパンソングスチャート、5週連続で首位に就いていたOfficial髭男dism「Pretender」からその座を奪ったのは、SKE48「ソーユートコあるよね?」でした。
【ビルボード】SKE48「ソーユートコあるよね?」が初登場で総合首位 デジタル解禁されたヒゲダン「I LOVE...」が総合6位にジャンプアップ https://t.co/1jDCFn7xrR pic.twitter.com/KpZVm8D2Xb
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年1月22日
チャート構成比におけるシングルCDセールスは9割以上であり、これは昨年リリースされた2曲と同様の動きと言えますが、2曲ともシングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比が12%台、且つトップ10落ちとなっており、仮に今作でもその動きをなぞるならば「ソーユートコあるよね?」が真のヒット曲とは言えないでしょう。実際、ストリーミングおよび動画再生の接触指標群が300位以内に入っていないこと、シングルCDセールスに対するルックアップが非常に弱いこと(前者1位、後者10位)を踏まえれば、CDを複数買いするファンが少なくなく、またレンタルも少ないためライト層に広がっていないものと考えます。
シングルCDセールスが極度に高い曲に阻まれ、King Gnu「白日」は遂にOfficial髭男dism「Pretender」を逆転しながらも2位止まり。しかしながら「白日」はストリーミングで過去最高の週間再生回数を記録しました。
『King Gnuの「白日」が7,921,527回再生で歴代最高の週間再生記録を更新し、初の1位を獲得』という快挙。そしてOfficial髭男dism「Pretender」は2億回再生を突破 https://t.co/AjN3kSdPKX
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年1月22日
King Gnuのアルバム『CEREMONY』が今週のアルバムチャートで初登場首位を獲得、それも全指標首位という完勝となりましたが、そのCDセールスの途中経過が発表された段階で「白日」のストリーミング指標逆転はあり得ると書きました。
そして実際、その通りとなったわけです。
ストリーミングに長けた歌手がアルバムチャートに初登場を果たしたタイミングで、ストリーミングソングスチャートそして総合ソングスチャートで軒並みランクインを果たす傾向があります。
【今週のストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年1月22日
1位 King Gnu
2位 Official髭男dism
3位 King Gnu
4位 LiSA
5位 Official髭男dism
6位 菅田将暉
7位 Official髭男dism
8位 King Gnu
9位 King Gnu
10位 King Gnuhttps://t.co/dUeJ0mAWbD pic.twitter.com/Uwk2UYm53Y
今週のストリーミングソングスチャートトップ10はKing Gnuが5曲、Official髭男dismが3曲を占める結果となりました(なお、Official髭男dism「I LOVE...」は11位に初登場)。上記ツイートをパッと見ただけでは硬直度の高いチャートと捉えられるかもしれませんが、実際はアルバム初登場に伴い、アルバム収録曲そして新作アルバム以前の曲も存在感を増しているわけです。
というわけで、ストリーミングで強い歌手がオリジナルアルバムをリリース、アルバムチャートに初登場した週の動向をみてみましょう。STはストリーミングソングスチャートを、総合は総合ソングスチャートを指します。順位は前週→今週を示しています。
取り上げたのはいずれも昨年ヒットしたアルバムであり、ストリーミングソングスチャートではOfficial髭男dismが『Traveler』から「Travelers」と「052519」を除いた以外、アルバム収録曲はほぼすべてストリーミングソングスチャート100位以内に登場。初登場したアルバムに収録されいない曲は順位を落としているものの、新作アルバムからの大量エントリーに伴い順位が下がることを考えれば踏みとどまっているとも言えます。そして、あいみょんさんは『瞬間的シックスセンス』初登場週における、King Gnuは『CEREMONY』初登場週での総合ソングスチャートで、共に100位以内に13曲も登場。そのあいみょんさんは昨年度の歌手別チャートでストリーミング指標を制し、同年のトップアーティストチャートを制覇いるのは興味深い動きです。
ビルボードジャパン 年間ランキング2019発表~【Hot 100】は日米初の2年連続米津玄師「Lemon」、【Hot Albums】は嵐『5×20 All the BEST!! 1999-2019』#米津玄師 #嵐 #あいみょん https://t.co/1d2baC1lpr pic.twitter.com/oVIexgK4p1
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2019年12月5日
アルバムチャート初登場週のソングスチャートへの波及、特にストリーミング指標が優れている歌手にはこの傾向が生まれることが証明されたように思います。実際アメリカではよく見られる動きですが、ストリーミング指標の基となるサブスクリプションサービスの人気が高まりつつある日本でも今後この動きは増えてくることでしょう。そして『CEREMONY』がアルバム単位および曲単位でもロングヒットとなれば、今年はKing Gnuがトップアーティストを制する可能性は低くはないでしょう。