イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

1月22日はジャニーズ事務所のデジタル解禁への転換点となったのか

ビルボードソングスチャートの更新が遅れています。通常は日本時間の火曜早朝(現地時間の月曜)に速報がアップされますが、現地が月曜祝日の場合は翌日に(今回はこれに該当していました)。しかし。

これまでチャートを追いかけてきた身として、ここまで遅れるのは聞いたことがありません。弊ブログでは木曜がビルボードジャパンソングスチャート紹介日となるため、金曜にずれ込むことになることをご了承ください。

 

さて今日は1月22日。ジャニーズ事務所にとってターニングポイントになるかもしれない日だと書きました。

MISIAさんが今日リリースしたベストアルバム『MISIA SOUL JAZZ BEST 2020』には新曲として、堂本剛さんとの「あなたとアナタ」が収録されていますが、サブスクリプションで当該曲が外されるのではと懸念していました。しかしその心配は杞憂に終わっています。

当然ながら、堂本剛さんの声も聴こえています。

 

他方、今日初となるCDをリリースしたSixTONESおよびSnow Manについては双方共にサブスクリプションサービス未解禁であり、またダウンロードもありません。ジャニーズ事務所が運営しない外部レコード会社所属の場合はレコチョク等一部サービスに限ってフルバージョンでダウンロード解禁していますが、外部所属のSixTONESSnow Man共に本日の段階でレコチョクでも未掲載となっています(レコチョクジャニーズ事務所所属歌手ページはこちら)。

SixTONESおよびSnow Manについては”SixTONES vs Snow Man”(その逆もあり)のスプリットシングルとしてシングルCDセールスでミリオンを獲るという意気込みが感じられるため、その狙いを優先したものと思われますが、あくまで私見と前置きして書くならば、その手法ではコアなファン(ミリオンにすべく複数買いも厭わない方)とライト層との乖離を生むのではないかと思うのですが、如何でしょう。尤もこの2組についてはメディア戦略が凄まじいため、彼らの存在やデビューすることはライト層にも浸透しているとは思われます。

 

他方、ジャニーズ事務所先輩の嵐からは昨日、驚きのアナウンスが。

リミックスや客演ありバージョンを用意することは海外においてはデフォルトとも言え、たとえば米ビルボードソングスチャートではオリジナル版と合算されるためにチャート戦略上でも有効に作用するのですが、そのリミックス手法を嵐が採るというのにはいい意味で驚かされました。金曜リリースは日本のチャートでは有利に働かないものの(ビルボードジャパンソングスチャートの集計期間は月曜はじまり)、海外では金曜リリースが基本的なことから、嵐は世界を視野に動いていると言っていいでしょう。

ちなみにこの件を踏まえ、ビルボードジャパンには米と異なり合算しないというチャートポリシーを見直してほしいと切に願います。この合算希望の旨は今年初めに記載したのですが、あらためて。

 

1月22日とその前日の動きをみるに、ジャニーズ事務所が運営するレコード会社所属の2組(嵐および堂本剛さん)がデジタルに前向きで、外部に所属するSixTONES(ソニー)およびSnow Man(エイベックス)がCDオンリーとなるわけですが、これまでとは真逆ではないかと驚いた次第です。SixTONESおよびSnow Manはデビュー曲を特大ヒットに至らせるという目標があるだろうゆえ次のシングルからはデジタルに積極的になるかもしれませんが、ジャニーズ事務所運営レコード会社の所属歌手がデジタルにシフトする動きが出てくるのではないかという希望を感じています。

 

ジャニーズ事務所がデジタルに前向きになる以上、他事務所は旧態依然のやり方ではいけません。彼らが追いつく前にきちんとデジタル環境を整備すること、CDリリースするとしてもデジタル解禁を当然とすることが求められます。前者においては元Spotifyの松島功さんによるnoteが間違いなく参考になるはずです。

そして後者において、先週シングルCDがリリースされた三浦大知「I'm Here」の表題曲がリリース日においてサブスクリプションサービスおよびミュージックビデオ未解禁であることへの疑問を記載したところ、今週に入り数多くの賛同の旨をいただきました。

「I'm Here」はサブスクリプションサービス、ミュージックビデオ共に未だ解禁されていません。ブログへの反応をみるに、熱心なファンによる三浦さんの所属事務所(ライジングプロダクション)への疑問が強いことが解りました。CDに特化した手法が功を奏したかはビルボードジャパンのCHART insightをチェックしようと思いますが、その分析やファンの声を踏まえて芸能事務所側には省みていただきたいと強く思います。

一方、三浦大知さんと同じライジングプロダクションに所属するw-inds.は今日、最新シングル「DoU」をCDリリース。こちらはミュージックビデオが既にフルバージョンで公開され、また今日ダウンロードおよびサブスクリプションサービスでも解禁されています。

Real Soundで毎週掲載されている、『森朋之の「本日、フラゲ日!」』ではw-inds.「DoU」がSixTONESSnow Manに先駆けて紹介されています。記事を読んで興味を持った方の中には(Real Soundに掲載された)ミュージックビデオやサブスクリプションサービスで「DoU」を聴くべく動く方も少なくないでしょう。彼らの興味をきちんと受け止められる接触サービスの充実は重要だと実感します。