アレンジは原曲に(比較的)忠実でもきちんとゴスペルの要素を取り入れ、クワイアにより楽曲に希望を注入するのがカーク・フランクリンの特徴ですが、一昨年の映画『The Star』に収められたクリスマスキャロル「We Three King (邦題:われらはきたりぬ)」のカバーについては、原曲が1857年と古すぎるためか、自己流な解釈となっています。
出だしがほんの少し、ドクター・ドレー feat. スヌープ・ドッグ、コラプト&ネイト・ドッグ「The Next Episode」っぽく感じるのは自分だけでしょうか。カーク・フランクリン独特のゴスペル味付け、聴くときっと癖になることでしょう。なおカークは今日から3日間、ビルボードライブ東京でライブを開催。チケットはまだある模様なので時間等のある方は是非。
初回生産限定盤は「会いたいよ」のほかに”手塚翔太”が歌う新曲が2曲、合計3曲に加え、それぞれの楽曲のインスト音源も収録され、付属するDVDにはすでに公開されているMusic Video”ドラマ・スペシャルカットVer.”に加えて、その映像からドラマ映像を抜き、田中圭演じる手塚翔太のノーカット映像を収めたMusic Video”ノーカットVer.”や Music Videoのメイキング映像も収録される。
総合ポイントにおけるシングルCDセールス指標の割合を「馬と鹿」が6割、「BRAVE」が8割と仮定すると、同指標での獲得ポイントは「馬と鹿」が25562、「BRAVE」が28610。ここからシングルCDセールス1枚あたりのポイントは「馬と鹿」が0.059、「BRAVE」が0.040となります。シングルCD1枚あたりのポイントに差が生じているのは各作品に係数が用いられているため(詳しくは【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)。この係数の算出方法については公開されておらず、もしかしたらこの点をもってビルボードジャパンソングスチャートへの不信感を唱える方がいらっしゃるかもしれませんが、係数という概念がなければ先のオリコン合算ランキング同様、シングルCD売上枚数至上主義的な形になってしまいます。そして今回「BRAVE」の係数が高くなかった理由を考えるに、ルックアップの順位が考えられます。
チャート構成比がTwitterのみで占められた「DAN DAN Dance!!」の獲得ポイントは1664。嵐「BRAVE」のTwitter指標は全体の4.5%と推測され、Twitter指標での獲得ポイントは1609前後。これはA.B.C-ZのファンによるTwitter活動の凄さとも言えますが、ジャニーズ事務所内でも屈指のファン数を誇るであろう嵐がTwitter指標で、それも呟きやすい1単語の曲名で、これから新曲をリリースするA.B.C-Zに敗れるのは意外でした。仮に嵐ファンがTwitter活動に本腰を入れていたならば同指標で2000ポイントは余裕で叩き出せたのかもしれません。Twitter活動もある意味デジタルの一環であり、嵐のデジタル全体の強くなさが露呈した形です(それでも1600ポイント以上稼ぐのは立派ではあるのですが)。
先週水曜に発表された、最新9月16日付ビルボードジャパンソングスチャート。総合では100位未満(300位以内)ながらラジオエアプレイで6位に入っているメイベル「Don't Call Me Up」は非常に特殊なチャートアクションとなっています。
この「Don't Call Me Up」の日本における盛り上がりは三度あり、現在が最大のピークとなっているのですが、個人的にはここに大きな引っ掛かりを抱いた次第。
メイベルが2017年秋にリリースしたミックステープ『Ivy To Roses』を今年1月にリイシューした際、追加収録となった曲のひとつが「Don't Call Me Up」。2月にリミックス集がEPとしてリリースされたこともありイギリスでヒット。3月14日付ソングスチャートで最高位となる3位に達し、延べ10週間トップ10入りを果たしています。日本ではこのイギリスのチャートアクションにいち早く注目したであろうラジオ局が反応したことで、ビルボードジャパンソングスチャートの構成指標のひとつであるラジオエアプレイで最高70位を記録(3月11日付)。この最初のピーク後、レコード会社のホームページにてメイベルとは何者かの特集が組まれました。
二度目のピークは6月。6月17日付ビルボードジャパンソングスチャートのラジオエアプレイで突如32位にカムバックを果たしています。5月末にYouTubeMusicの"Artist On The Rise"に選出されたこと、ビルボードジャパンで特集が組まれたこと(下記リンク先参照)、そして新曲「Mad Love」のリリースタイミングに合わせて在阪のFM802でヘビーローテションされたことが要因とみられます。FM802が新曲ではなく「Don't Call Me Up」を選んだ理由は判りかねますが、大都市圏のラジオ局が選出したことがチャートアクションに大きく作用したことは間違いないでしょう。
アルバムリリースのタイミングで、「Don't Call Me Up」が12のラジオ局でヘビーローテションに選出(「Mad Lobe」や「Bad Behaviour」も1局ずつ選出)。しかし「Don't Call Me Up」のヘビーローテションを8月に据えたのはわずか1局のみであり、他11局は全て9月に設定しているのです。
とはいえ、ラジオ局の「Don't Call Me Up」の選出は遅いと言わざるを得ません。イギリスでヒットした時期に日本ではあまりかからなかったのみならず、ヘビーローテション選出局の大半が大量OA月間を輸入盤ではなく国内盤リリースのタイミングに据えたことも、流行を積極的に追うのではなくヒットが確約されたからかけるという守りの姿勢が見て取れます。現在はデジタルで海外と同時に配信され、インターネットで海外の流行を即座に調べられる状況ゆえ尚の事です。
このメイベル「Don't Call Me Up」1曲だけで断言するのは危険かもしれませんが、しかしながらラジオ局が新しい流行を伝えるもしくは作るという気概や理念は薄れているのではないかと考えてしまいます。レコード会社から強力なプッシュがあった曲を取り上げること(今回がそうとは限りませんが)はたしかに必要でしょうが、これは絶対流行するから先取りする!もしくは局をあげて流行らせる!という意気込みで選出は出来ないものでしょうか。それこそ局によってはDJを"(ミュージック)ナビゲーター"と呼び、良い曲を伝導する意味合いを強めているのですから尚の事です。
ちなみに「Don't Call Me Up」、現段階でラジオエアプレイ以外の指標で100位以内はおろか300位以内に入っている指標はゼロ。総合でも100位以内に入ったことはなく、ラジオを聴いてダウンロードやストリーミングに至った人が少ないことを痛感します。新しくそして好い音楽を自信を持って紹介する姿勢を強固にすれば、ラジオ局を信頼して聴く方が増え、ラジオ局から新しく好い音楽を学び所有や接触行動につなげていくはず。その意味でも、ラジオ局にはプライドを持っていただきたいと強く思います。
今週はポスト・マローン祭りとなったトップ10。アルバム『Hollywood's Bleeding』がテイラー・スウィフト『Lover』に次ぐ今年2番目の週間ユニット数を叩き出して今週首位に。489000ユニットのうち、ストリーミング再生回数のアルバム換算分(SEA)は278000。アルバム収録曲の1週間の再生回数が3億6540万となりこちらは今年最高を記録(それまでの記録はアリアナ・グランデ『Thank U, Next』の3億710万)。これがソングスチャートにも波及した形です。
7月20日付で初登場を果たしたヤング・サグとの「Goodbyes」は10→3位、前週初のトップ10入りとなった「Circles」は7→4位、以前首位を獲得したスウェイ・リーとの「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」は14→10位とそれぞれ上昇。そして新たに、トラヴィス・スコットとオジー・オズボーンを招いた「Take What You Want」が8位に初登場。ストリーミングは4曲とも3000万を突破しています。
ポスト・マローンにとっては9曲目のトップ10入りとなる「Take What You Want」は、客演のトラヴィス・スコットにとっては6曲目、そしてオジー・オズボーンは2曲目。オジーは1989年6月17日付で8位に入ったリタ・フォードとの「Close My Eyes Forever」以来30年3ヶ月ぶりのトップ10入りを果たし、返り咲き最長記録を更新しました(これまでの記録はドビー・グレイの30年2ヶ月1週)。また4曲以上同時にトップ10入りを果たしたのはポスト・マローンが6組目。ちなみに最高記録はドレイクの7曲となります(2018年7月14日付。こちらもアルバム『Scorpion』が初登場したタイミングで達成)。
今週新たにトップ10入りを果たしたのがルイス・キャパルディ「Someone You Loved」。登場18週目で遂に9位に到達しました。ダウンロードは前週比2%アップの17000(同指標4位)、ラジオエアプレイは同11%アップの7900万(同6位)、ストリーミングは同9%アップの2230万(同指標23位)。ストリーミングは前週より10ランクダウンしたもののこちらもポスト・マローンの影響を受けてのもの。前指標アップしているのは曲の勢いの証拠もありますが。