イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2024年4月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2024年4月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。

これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちらSpotifyを利用し、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 んoon「NANA

んoon(ふーん)の、哲学者の柳澤田実さんとのコラボレーションにて生まれたシングル。彼らのコメントはんoon、哲学者・柳澤田実との対話から生まれた新曲“NANA”発表 一般社団法人デサイロ主催イベントへ向けて制作した1曲  Spincoaster(4月10日付)で確認できますが、難解に感じられる楽曲解説にあって二度登場する『ノリノリであること』に納得。心身を委ねられる心地よい作品となっています。

 

・9位 ブルー・ラブ・ビーツ feat. ナタリー・リンディ「Brother」

UKジャズシーンで注目の存在によるブルー・ラブ・ビーツ、ニューアルバム『Blue Eclipse』からの作品。フィーチャーされた女性歌手は初耳でしたが、曲から感じられるのは2000年代冒頭以降に日本でヒットした良質なインディR&B、およびそれら作品をコンパイルしたコンピレーションアルバム『Soul Essentials』シリーズでした。メンバーのひとりがD・インフルエンスのクワメの子であると知り、強く納得した次第です。

 

・8位 雨のパレード「Melt」

ゴスペル等様々なジャンルを吸収し(それこそ今作のタイトルになぞらえるならば"溶かすように")、自らのものにすることに長ける雨のパレード。今作ではアフロビートを取り入れたことで、たとえば歌詞の世界観をより深く伝えることに成功しています。

 

・7位 エルミーン「Sweetness」

昨年二度に渡り私的トップ10ソングスに選出したエルミーンによる新曲。地声とファルセットのスムースな往来、そしてサビ前半における同じメロディーの反復が、曲をよりメロウに、そして聴き手の心を掴んで溶かしていくことに成功していると感じます。

 

・6位 木村カエラDAHLIA

ME:Iを輩出したオーディション番組で国民プロデューサー代表を務めた木村カエラさんの新曲。アニメソング等への提供が多い永塚健登さんによるメロディはJ-POP(もっといえば歌謡曲)のメロディの落とし込み方は残しつつも新鮮であり、そしてDE DE MOUSEがその新鮮さをさらに際立たせる、ドリーミーなテイストにてアレンジ。カエラさんのシングルにおける挑戦の姿勢にはいつも驚かされます。

 

・5位 米津玄師「さよーならまたいつか!」

米津玄師さんによる初の朝ドラ主題歌。タイアップ先の作品への解釈、時間帯を考慮したソングライティングが見事。それでいて朝には(いや朝でなくとも)相応しくない言葉(『空に唾を吐く』等)を要所要所に盛り込みいい意味でギョッとさせる姿勢も忘れていないところにニヤリとするのです。

 

・4位 ME:I「Sugar Bomb」

オーディション番組から飛び出したME:Iによるファーストフィジカルシングル「Click」のカップリング曲。個人的には表題曲よりも良い意味でJ-POPらしくない点が好みであり、トリッキーなBメロのメロディライン、そしてサビメロの締め方が歌謡曲っぽくないところ等も心地よく、Stationheadの配信番組でも以前紹介した次第です。

 

・3位 アンドラ・デイ「Chasing」

『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』でビリー・ホリデイ役を務め、アカデミー賞最優秀主演女優賞候補にもなったアンドラ・デイ。歌唱力に定評のある彼女の、オリジナル版ではおよそ9年ぶり2枚目となるニューアルバム『Cassandra』からの先行曲はアコースティックギターを基調とした穏やかなミディアムスローながら、その歌唱の確かさゆえ軽やかながらしっかりとした芯と説得力を持ち合わせています。

 

・2位 ARTMS「Candy Crush」

昨年末にデビューした韓国出身の5人組、ARTMS(アルテミス)による新曲はシティ・ポップ(シティポップ)。サビ終わりで挿入されるTOTO「Georgy Porgy」的な上モノも実に効果的。K-POPのジャンル探求の姿勢には驚かされます。

 

・1位 上白石萌音「スピカ」

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(主演3名のうち1名)や映画『夜明けのすべて』、舞台『千と千尋の神隠し』(クアトロキャストのうち1名)等の話題作に出演し、その実力が高く評価されている上白石萌音さんは音楽作品もまた見事で、ソングライトを手掛けた大橋トリオとの相性も抜群。朴訥にも聴こえる歌い出しの表現力で心を鷲掴みにされ、5分超えという近年では珍しい作品ながらもあっという間に時間が過ぎていくのです。

 

 

以下、次点として10曲。

宇多田ヒカル「Electricity」

goethe「幽霊」

・ブルー・ラブ・ビーツ feat. IDK & ジェイ・プリンス「Say Wow」

・ダナ & オールデン「Coyote, You're My Star」

・フレッド・アゲイン、デュオティーク & オリオン・サン「ItsNotREEAALLLLLLLL」

・ジョーダン・ラカイ「Friend Or Foe

・マーベル「Vitamins」

・サブリナ・カーペンター「Espresso」

・ヴェド「Your Love Is All I Need」

・ヤヤ・ベイ「Me And All My N****s」

 (曲名にNワードを含むため、伏せ字にしています。)

ブルー・ラブ・ビーツのもう一曲をこちらに(主演曲2作品同時トップ10入りは行わないようにしています)。そして気になったのが同じく2人組、マルチインストゥルメンタルアーティストのダナ & オールデン。歌モノのこの作品はお世辞にもその歌唱自体巧いと言えませんが、このゆるさがミュージックビデオの(これまたゆるい)ダンスに不思議とマッチし、そして終盤の熱い展開との見事なコントラストにも成っています。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。