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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2025年度下半期の社会的なヒット曲、もしくはチャートを語る上で欠かせない曲10選

2025年度下半期に社会的にヒットした、もしくはチャートを語る上で欠かせない曲を選びました。恥ずかしながら2024年度の記載を失念しており、今回は2023年度以来の掲載となります。2025年度上半期についてはこちら。

 

日本の楽曲については、今月発表されたビルボードジャパンによる各種年間チャートを参考にしています。

今回は6月から11月の間にヒットした作品を取り上げています。なお、リリースタイミングはこの限りではありません。

 

<2025年度下半期の社会的なヒット曲、もしくはチャートを語る上で欠かせない曲>

 

 

① 米津玄師「IRIS OUT」

ビルボードジャパン年間ソングチャート4位。しかも登場からわずか10週での到達は、YOASOBI「アイドル」やCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」以来の勢いを持った曲といえます。『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下"紅白"と表記)への出場も果たすことから、今後もこの曲のヒットが続くのではないでしょうか。

 

② 米津玄師, 宇多田ヒカル「JANE DOE」

「IRIS OUT」の翌週にリリースされたのが、同じく「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」のエンディングテーマとなる「JANE DOE」。それも宇多田ヒカルさんとのデュエットとなるとは、誰が予想したでしょう。楽曲は最高2位ながら、獲得ポイントを踏まえれば特大ヒットの部類に。下半期ソングチャート集計期間中に常時5位以内をキープしたこの曲が、いつかパフォーマンスされることを願うばかりです。

 

③ HANA「Blue Jeans」

音楽チャートで強さを発揮するBMSGにあって、その中でも特大ヒットに至ったのがHANA「Blue Jeans」。初登場時の獲得ポイントは米津玄師「IRIS OUT」(初登場から4週分)に次ぐ数値となり、下半期のソングチャートでは1週を除き常時トップ10内をキープ。BMSGからはBE:FIRST「夢中」もロングヒットに至っています。

 

Snow Man「カリスマックス」

2025年のSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手作品を代表するヒットになったのは、同事務所が得意とする"トンチキソング"。この曲を収録したアルバム『音故知新』がフィジカルリリースのタイミングまでにデジタルを解禁すればさらなるヒットに至れただろうと思いつつ、この曲のヒットからSTARTO ENTERTAINMENTが何を学び、どう活かすかに注目しています。

 

⑤ 藤井風「Love Like This」

ビルボードジャパンのアルバムチャートは2025年度序盤にストリーミング指標を導入。以前から聴かれ続けているアルバムやストリーミングに強い曲を収録した作品が上位で安定するようになった一方、新作は特に年間単位での上位登場が困難に。その中で藤井風『Prema』は、年間チャートにおいて集計期間内リリース作品の最高位を獲得。好事家の評判も高く、MUSIC AWARDS JAPAN主要部門ノミネートの可能性も十分でしょう。

 

ORANGE RANGEイケナイ太陽

ソニーミュージックに復帰したORANGE RANGEによるリバイバルヒット。あの頃をコンパイルしたミュージックビデオ、そして相次ぐメディア出演で話題をキープし、紅白にも復活出場が決定。他の様々な復帰組以上に話題となり、チャート動向も好調に推移したのはソニーミュージックの施策も大きかったといえます。

 

⑦ HUNTR/X (イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」

Netflix発の大ヒット映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』はサウンドトラックも大ヒット。特に、HUNTR/X(ハントリックス)による「Golden」は米ソングチャートで8週首位を獲得し、来年開催のグラミー賞では主要部門候補に。同じくノミネートされたロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」共々、K-POPが米でさらに浸透したことを証明したといえます。

 

⑧ オリヴィア・ディーン「Man I Need」

アルバム『The Art Of Loving』収録曲で、世界的な人気を得たオリヴィア・ディーン。母国イギリスでの大ヒットは米にも波及し、来年開催のグラミー賞では最優秀新人賞にノミネート。米ではラジオ人気も高いことから、クリスマス関連曲が後退したタイミングでソングチャート上位に返り咲く可能性は高いと考えます。

 

テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」

アルバム『The Life Of A Showgirl』のリード曲。アルバムは2025年度最終週に初登場し、わずか1週分で米ビルボード年間チャートを制覇。またアルバムの初登場時には収録曲が米ソングチャート12位までを占める等、テイラー・スウィフトの勢いが存分に示されています。ソングチャートでは様々な施策効果も相まって、初登場から8連覇を達成しています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

サブスク時代の到来、プレイリストの普及も相まってクリスマス関連曲が毎年上位に進出するように。その中でいち早く施策を徹底したこともあり、1994年リリースの「恋人たちのクリスマス」が2019年以降7シーズン連続で首位を獲得。その結果、(米では2026年度に入ってからの記録とはなりますが)米では最長となる通算21週の首位に至り(エントリー執筆段階)、マライア・キャリー自身も通算100週の首位を獲得しています。

 

 

以上10曲、いかがだったでしょうか。複合指標から成るソングチャートは上半期以前からのヒット曲も多いゆえ、上半期以前、および年間チャートも是非チェックしてください。

 

2026年度も社会的なヒット曲が生まれることを、楽しみにしています。