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【海外ビルボード】シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」、史上12曲目となる構成3指標同時制覇

現地時間の8月12日月曜に発表された、最新8月17日付米ビルボードソングチャート(集計期間:8月2~8日)。シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」が4週連続、通算5週目となる首位を獲得しています。

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」はストリーミングが前週比5%ダウンの3390万(同指標通算4週目の首位)、ダウンロードが同12%ダウンの12,000(同指標通算10週目の首位)、ラジオが前週とほぼ変わらず9050万(同指標通算2週目の首位)を記録しています。

「A Bar Song (Tipsy)」におけるダウンロード指標10週首位獲得は、BTS「Butter」(2021 18週首位)以来。BTSは「Dynamite」でも2020年から翌年にかけて通算18週首位を獲得しており、2020年代で10週以上ダウンロード指標を制したのは3曲のみとなります。

 

ビルボードソングチャートにおける構成3指標(ラジオは1990年、ダウンロードは2005年、ストリーミングは2013年1月に組み入れ)を同時に制した作品は、シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」が歴代12曲目となりました。

<米ビルボードソングチャート 構成3指標同時首位獲得曲>

ファレル・ウィリアムス「Happy」 (2014年5月3日付)

イギー・アゼリア feat. チャーリーXCX「Fancy」 (2014年6月28日付)

メーガン・トレイナー「All About That Bass」 (2014年10月11~18日付)

テイラー・スウィフト「Blank Space」 (2014年12月27日付)

・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」 (2015年2月7~21日付、3月7日~4月11日付)

・ザ・ウィークエンド「The Hills」 (2015年10月17日付、10月31日付)

・アデル「Hello」 (2015年11月28日~12月5日付、12月19日付)

・ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」 (2016年10月15日~11月19日付)

エド・シーラン「Shape Of You」 (2017年3月25日~4月15日付)

・ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」 (2017年7月22日~8月19日付)

・アデル「Easy On Me」 (2021年12月4日付)

・シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」 (2024年8月17日付)

またシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は、米ビルボードソングチャートと計算方法を同一とするホットカントリーソングチャートでも通算9週目となる首位を獲得。総合ソングチャートとホットカントリーソングチャートの双方で首位に立ち、且つストリーミング、ダウンロードおよびラジオの全指標を制した初の作品となりました。

「A Bar Song (Tipsy)」はカントリーエアプレイで3週目の首位、ポップエアプレイで首位、リズミックエアプレイで3位、アダルトポップエアプレイで5位を記録しており、これら4つのラジオチャートでいずれもトップ10入りした(さらには同時トップ5入りにおいても)史上初の作品となります。

 

ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」は2位をキープ。米ビルボードが毎夏実施するソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)において、今年度の開始以降11週連続で首位に立っています。

 

チャペル・ローン「Good Luck, Babe!」が8→6位、ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」が10→7位に浮上し、2曲とも最高位を更新。「Birds Of A Feather」においてはホットロック&オルタナティヴソングチャートおよびホットオルタナティヴソングチャートを制しており、ビリーにおいて双方のチャートを制した5曲目の作品となりました(これまでは「My Future」(2020)、「Happier Than Ever」(2021)および「What Was I Made For?」(2023)および「Lunch」(2024年6月)が首位を獲得しています)。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週1位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

2位 (2位) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」

3位 (3位) ケンドリック・ラマー「Not Like Us」

4位 (4位) サブリナ・カーペンター「Espresso」

5位 (5位) トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」

6位 (8位) チャペル・ローン「Good Luck, Babe!」

7位 (10位) ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」

8位 (9位) サブリナ・カーペンター「Please Please Please」

9位 (6位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

10位 (7位) ホージア「Too Sweet」

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。8月17日付では前週までGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.で2連覇を達成していたJIMIN「Who」が後退、ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」が双方のチャートを制しています。

ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」はGlobal 200においてストリーミングが前週比2%アップの7880万およびダウンロードが同11%アップの7,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比3%アップの5730万およびダウンロードが同18%アップの3,000を記録し、双方のチャートにおいてキャリア初制覇。これまではGlobal 200において「Therefore I Am」(2020年11月)および「What Was I Made For?」(2023年8月)の2位、Global Excl. U.S.では「Therefore I Am」(2020)および「Lunch」(2024年6月)の2位がキャリア最高位となっていました。

またビリー・アイリッシュが客演参加したチャーリーXCX「Guess」がGlobal 200で3位、Global Excl. U.S.では5位に初登場。元々はチャーリーのアルバム『Brat』(2024年6月7日リリース)のデラックスエディションとなる『Brat And It’s the Same But There’s Three More Songs So It’s Not』(6月10日リリース)に収録されていた作品で、8月1日にビリーを迎えたバージョンがリリースされたことで急伸。Global 200ではストリーミングが前週比999%アップとなる6030万およびダウンロードが同848%アップの9,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング4010万およびダウンロード4,000を記録しています(Global Excl. U.S.における構成2指標の前週比は記事未掲載)。

Global 200、Global Excl. U.S.の双方においてはチャーリーXCXはキャリア初、ビリー・アイリッシュは8曲目のトップ10入りを果たしています。

 

またGlobal Excl. U.S.では、イン・シンクによる2000年リリースの「Bye Bye Bye」が16→8位となり、トップ10入りを果たしています。

イン・シンク「Bye Bye Bye」はGlobal Excl. U.S.においてストリーミングが前週比50%アップの4240万、ダウンロードが同5%アップの3,000を記録。ライアン・レイノルズヒュー・ジャックマンが共演した映画『デッドプールウルヴァリン』に用いられたことで注目を集め、イン・シンクは前週この曲にてキャリア初となる同チャートへのエントリーを果たしていました。なお映画は世界興行収入が10億ドルを突破しています。

「Bye Bye Bye」は米ビルボードによるポップエアプレイチャートで10週首位、総合ソングチャートのラジオ指標も制し、総合ソングチャートでは2000年に最高4位を記録。Global Excl. U.S.においては『ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン4』(2022 Netflix)に起用されたケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」(1985年リリース)がドラマ公開年にチャートを制していますが、「Bye Bye Bye」は同チャートトップ10入りにおいて2番目に古い作品となります。

(なお、Global Excl. U.S.にてトップ10入りした作品の中で3番目に古い曲は、ソフィー・エリス・ベクスターが2001年にリリースした「Murder On The Dancefloor」。映画『Saltburn』に用いられ、さらにTikTokで人気となったことでリバイバルヒットに至っています。)

「Bye Bye Bye」はGlobal 200でも18→12位に上昇し、さらに米ビルボードソングチャートでは45位に再登場。米チャートではストリーミングが前週比31%アップの1000万、ダウンロードが2,000(前週比は記事未掲載)およびラジオが前週比8%アップの480万を記録しています。

2000年のMTVビデオミュージックアワードで最優秀ポップビデオ賞を受賞し、2001年開催のグラミー賞では最優秀レコード賞にノミネートされた「Bye Bye Bye」は、米においてこれまでストリーミング5億1700万回、ダウンロード130万およびラジオ48億(リーチした延べ人数)をこれまで獲得しています。