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【海外ビルボード】米はシャブージーが首位獲得週数歴代2位、グローバルは「APT.」が新記録を達成

現地時間の11月4日月曜に発表された、最新11月9日付米ビルボードソングチャート(集計期間:10月25~31日)。前週首位初登場を果たしたモーガン・ウォレン「Love Somebody」は8位へ後退、シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」が通算16週目の首位を獲得しています。

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」はストリーミングが前週比8%ダウンの2210万(同指標8位)、ダウンロードが同19%ダウンの5,000(同指標7位)、およびラジオが同1%アップの7260万(同指標通算14週目の首位)を記録しています。

今回の首位返り咲きに伴い、シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は通算16週目の首位に。2020年代においてはハリー・スタイルズ「As It Was」(2022 15週)を上回り、モーガン・ウォレン「Last Night」(2023 16週)に並ぶ最長記録となりました。また米ビルボード66年の歴史において、リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019 19週)に次ぐ歴代2位タイの記録となります。

<米ビルボードソングスチャート 歴代週間首位獲得週数一覧>

・19週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019)

・16週 シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(2024)

・16週 モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)

・16週 ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017)

・16週 マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)

総合ソングチャートが1958年8月4日付で開始して以降、16週以上の首位獲得曲はシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」が歴代1,175曲の首位獲得曲のうち5作品目となります。なお5曲すべて、米ビルボードが電子モニターによるルミネイト社のデータを採用した1991年11月以降に達成しており、この採用に伴い以前よりも長く首位を獲得することが一般的となっています。

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は総合ソングチャートと計算方法が同一となるホットカントリーソングチャートにおいて20週目の首位を獲得。これは今年最長となるのみならず、1958年以降のチャートにおいて20週以上の首位獲得は9曲目となります。

 

(上記は”Live In Las Vegas”バージョン(ライブパフォーマンス動画)。ブルーノ・マーズの公式YouTubeチャンネルに掲載されています。)

レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」が4→2位に上昇し、8月下旬に初登場した際の3位を上回り同曲最高位を更新しています。

「Die With A Smile」の上昇は、オリジナルバージョンおよび後述する3バージョンの69セント安価販売をiTunes Storeで実施したこと、”Live In Las Vegas”バージョンおよびインストゥルメンタル版を10月29日、アコースティックバージョンを10月31日にリリースしたことが影響しています。

ビルボードソングチャート(および後述するグローバルチャート)においてはすべてのバージョンが合算対象となります。今回の施策に伴いレディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」はストリーミングが前週よりほぼ1%上昇し2260万、ダウンロードが同329%アップの16,000、およびラジオが同9%アップの4530万を記録。ダウンロード指標で通算2週目の首位を獲得したほか、ラジオ指標は11→9位に上昇し、ブルーノは19曲目、ガガにとっては12曲目のトップ10入りを果たしています。なおレディー・ガガはラジオ指標にて、この10年では初のトップ10入り、また「Applause」(2013 7位)以来の高位置となります。

 

(上記は「St. Chroma」の公式オーディオ。)

タイラー・ザ・クリエイターが2曲をトップ10内に送り込んでいます。ダニエル・シーザーを迎えた「St. Chroma」が7位に初登場、また単独名義の「Noid」が43→10位に上昇。いずれも獲得ポイントの大半がストリーミングに因るものであり、前者は2430万、後者は2320万を記録(「St. Chroma」はストリーミング指標を制しています)。尤も「St. Chroma」を含むアルバム『Chromakopia』は今回の集計期間4日目に当たる10月28日にリリースされており、わずか4日分の集計でトップ10入りを果たした形です(なお『Chromakopia』も最新11月9日付米ビルボードアルバムチャートを制覇)。また「Noid」は10月21日にリリースされ、前週は集計期間4日分でストリーミング指標1060万を記録しています。

前週までに、タイラー・ザ・クリエイターは総合ソングチャート100位以内に33曲がエントリーし、2019年の「Earfquake」が過去最高となる13位を記録しています。なお「St. Chroma」にフィーチャーされたダニエル・シーザーにとっては、ジャスティン・ビーバーにギヴィオン共々客演参加した「Peaches」が2021年4月に1週首位を獲得して以来となるストリーミング指標制覇、また同曲に次ぐ2曲目のトップ10ヒットとなります。

 

テディ・スウィムズ「Lose Control」が7→6位に。これにより史上単独3位タイとなる42週目のトップ10内在籍を達成しています。

<米ビルボードソングチャート トップ10在籍記録>

・57週 ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」 (2020-2021)

・44週 ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」 (2021‐2022)

・42週 テディ・スウィムズ「Lose Control」 (2024)

・41週 モーガン・ウォレン「Last Night」 (2023‐2024)

・41週 デュア・リパ「Levitating」 (2021)

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週2位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

2位 (4位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

3位 (3位) ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」

4位 (5位) サブリナ・カーペンター「Espresso」

5位 (6位) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」

6位 (7位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

7位 (初登場) タイラー・ザ・クリエイター feat. ダニエル・シーザー「St. Chroma」

8位 (1位) モーガン・ウォレン「Love Somebody

9位 (9位) サブリナ・カーペンター「Taste」

10位 (43位) タイラー・ザ・クリエイター「Noid」

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月9日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方にて、ROSÉ (ロゼ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が初登場から2連覇を達成しています。

ROSÉ & ブルーノ・マーズ「APT.」はGlobal 200においてストリーミングが前週比8%ダウンの2億750万およびダウンロードが同40%ダウンの17,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比6%ダウンの1億8700万およびダウンロードが同40%ダウンの12,000を、それぞれ記録しています。

「APT.」はGlobal 200において週間ストリーミング再生回数が歴代6位(2020年9月のチャート開設以降)となり、また2億回超えを複数週で果たした最初の作品となります。なお上位6曲のうち2曲がROSÉのソロ、1曲がROSÉの所属するBLACKPINK名義の作品となります。

<Global 200 週間ストリーミング再生回数上位曲>

・2億8920万 BTS「Butter」(2021年6月5日付)

・2億2450万 ROSÉ & ブルーノ・マーズ「APT.」(2024年11月2日付)

・2億1710万 ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月29日付)

・2億1710万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年2月4日付)

・2億1210万 BLACKPINK「Pink Venom」(2022年9月3日付)

・2億750万 ROSÉ & ブルーノ・マーズ「APT.」(2024年11月9日付)

 

2週前までふたつのグローバルチャートで8連覇を達成していたレディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」は、双方のチャートで今週も2位に。Global 200ではストリーミングが前週比4%アップの1億2600万を記録しています。これは先述したように3バージョンの追加およびオリジナルバージョンを含むiTunes Storeでの安価販売が影響しており(ただし記事にてダウンロード数は未記載)、直近9週連続でストリーミング再生回数が1億回を突破しています。これは直近において、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」の9週(2021年8-10月)と並ぶ長期記録となります。

 

aespa「Whiplash」がGlobal 200で30→8位、Global Excl. U.S.では18→5位に上昇。これは同曲が10月21日リリースであり当週が初の1週間フル加算となったことが影響しています。ストリーミングはGlobal 200で4610万、Global Excl. U.S.では4330万を記録し、aespaはGlobal 200で初のトップ10入り、Global Excl. U.S.では「Supernova」(2024年6月 6位)に次ぐ2曲目のトップ10入りにして初のトップ5ヒットに至っています。

 

タイラー・ザ・クリエイター feat. ダニエル・シーザー「St. Chroma」がGlobal 200で10位に初登場。ストリーミングは4200万を記録しています。Global 200のトップ10入りはタイラーが初、ダニエルはジャスティン・ビーバーにギヴィオン共々客演参加した「Peaches」が2021年に2週首位を獲得して以来2曲目となります。

 

BTSのJINによるソロ曲「I'll Be There」がGlobal Excl. U.S.で10位に初登場。ストリーミング3490万およびダウンロード28,000を記録しています。JINのトップ10入りは「The Astronaut」(2022 6位)以来となります。

JIN「I'll Be There」はBTSのソロ曲として、Global Excl. U.S.で18曲目となるトップ10ヒットに。ジョングクが3曲の首位を含む最多6曲を保持し(なお記事では7曲と記載されています)、JIMINの5曲、Vの4曲に続きJINは2曲目のトップ10ヒットを輩出した形です。なおBTSとしては7曲の首位を含む11曲をトップ10内に送り込んでいます。

BTSメンバーのソロ曲 Global Excl. U.S.におけるトップ10ヒット>

・ジョングク「Stay Alive」(2022年2月 8位)

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 2位)

チャーリー・プース feat. ジョングク「Left And Right」(2022年7月 2位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 6位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 4位)

・TAEYANG feat. JIMIN「Vibe」(2023年1月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 5位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 9週1位)

・V「Love Me Again」(2023年8月 6位)

・V「Rainy Days」(2023年8月 8位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 4位)

・ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」(2023年10月 1週1位)

・ジョングク「Standing Next To You」(2023年11月 2週1位)

・V「FRI(END)S」(2024年3月 3位)

・JIMIN feat. LOCO「Smeraldo Garden Marching Band」(2024年7月 7位)

・JIMIN「Who」(2024年8月 1位)

・JIN「I'll Be There」(2024年11月 10位)