最新3月6日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、前週上位に再進出した作品が大きく後退しています。
最新3月6日公開分のIMP.「SWITCHing」、そのCHART insightは前週と同じ内容となっていますが、これは構成6指標がすべて300位圏外となり最終ランクイン週(である前週)の動向がそのまま反映されているため。フィジカルリリースがストリーミングや動画再生といった接触指標群をフックアップしているわけではないということも見えてきます。
IMP.が所属するTOBEは、フィジカルセールスの販路を限定しています。それがコアファンとのつながりを濃くしているともいえますが、広く音楽ファン、特にアイドルファンへの認知浸透に至っているかについて疑問に思う部分は否めません。接触指標群はコアファンの熱量も反映しつつ、特にライト層(歌手は好きというわけではないが曲が気になる方々)の人気を可視化したものであり、このライト層への浸透が重要と考えます。
IMP.「SWITCHing」については前週フィジカルセールス指標が初加算された際、このようなことを記しました。フィジカルセールス加算2週目に総合チャートで急落する曲は多く、CHART insightからヒットを読む カテゴリーの記事一覧で毎週のように紹介しているのですが、しかし「SWITCHing」についてはフィジカルセールスの販路を限定していることが、最新チャートにおける300位未満につながったのかもしれません。
今後、フィジカルの販路を限定する歌手や芸能事務所が増えていくのではと考えます。その際、デジタルが充実していることを訴求してライト層を獲得し、フィジカルも購入可能なことを伝えてコアファンへの昇華を促すことが重要ではないでしょうか。
一方で、TOBE公式ショップのデータが反映されていない可能性も、ともすればゼロではないのかもしれません。
気になるのは、この段階で #Number_i「#GOAT」が入っていないということ。#IMP.の2枚のフィジカルシングルについては「GOAT」同様水曜にリリースされ、先ヨミ記事でも登場していました。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年3月7日
「CRUISIN'」→https://t.co/JdTThdkt82
「SWITCHing」→https://t.co/rJHIkb5M1H https://t.co/1fOuIzwC1u
IMP.と同じくTOBEに所属するNumber_iのフィジカルシングル「GOAT」が3月6日にリリースされましたが、ビルボードジャパンが昨日公開した速報値(水曜までの前半3日間のデータを”先ヨミ”として紹介)では5位までに登場していません。尤も、5位の売上枚数(6,403枚)に達していない可能性もゼロではないかもしれませんが、元King & Princeの3名で構成されたグループが6千枚を下回ることは考えにくいというのが私見です。
この理由を想像するに、①TOBE側のデータが遅れている、②ビルボードジャパンが販路限定分を除外するようになった(オリコンに近くなった)、③ビルボードジャパン側がNumber_i「GOAT」のデータを含めていなかった、という可能性が挙げられます。ただし現状のビルボードジャパンによるリストには”TOBE OFFICIAL STORE”が掲載されており、②の可能性は低いといえるでしょう。
ビルボードジャパンのフィジカルセールス指標、セールスデータ集計対象店リストはこちら。https://t.co/RkgFgKb4sP
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年3月7日
なお、オリコンによるCD・DVD/Blu-rayランキング調査協力店一覧はこちらです。https://t.co/ddweW9oApF
仮に③が理由ならば、ビルボードジャパンは訂正およびそのアナウンスを行う必要があります。また①が最新3月6日公開分でも発生し、IMP.「SWITCHing」のフィジカルセールス指標が実際は300位圏内だったならば、同曲のCHART insightを更新しアナウンスすることも必要です。IMP.については、「SWITCHing」のリリースに伴いフィジカルセールス指標が浮上していた「CRUISIN'」も、当週は300位未満となっています。
IMP.による「CRUISIN'」および「SWITCHing」は、最新3月6日公開分におけるビルボードジャパンソングチャートのフィジカルセールス指標がいずれも300位未満に。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年3月7日
「CRUISIN'」https://t.co/gS2PS0hYyF
「SWITCHing」https://t.co/LwWR2lHr3g
(画像未添付につき、ポストを一度削除し再掲しました。) pic.twitter.com/55tPuceo6P
ただし、④IMP.のシングル群およびNumber_i「GOAT」のフィジカルセールスに関するデータは正しい、という可能性もゼロではありません。ゆえに、3月13日公開分ビルボードジャパンソングチャートのフィジカルセールス週報(3月11日発表)等を注視する必要があります。
次週3月13日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、=LOVE「呪って呪って」、Sexy Zone「puzzle」およびNumber_i「GOAT」がトップ10内に初登場(「GOAT」は再登場)することが見込まれます。「呪って呪って」および「puzzle」は既にフィジカルセールス20万超えを果たしており、総合でのトップ10入りは確実といえるでしょう。
フィジカルセールス指標上位3曲の総合トップ10入りは、最新3月6日公開分でも同様です。この点は昨日付のエントリー(【ビルボードジャパン最新動向】「Bling-Bang-Bang-Born」6連覇、フィジカル上位3曲の結果からみえること)でも紹介していますが、そこでも紹介したXのポストを、このエントリーの最後に掲載します。
一方で、重要なのは週間単位での上位進出以上に、複数週(特にフィジカルリリース曲はフィジカルセールス指標加算2週目以降)での上位安定、そして年間チャートにおける上位進出です。その重要性を紹介するべく、#イマオト では毎週このようなエントリーを用意しています。https://t.co/rbiLJmdJxK
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年3月5日
複数週での上位安定、年間チャートでの上位進出に大事なのは、ライト層が曲を聴くということです。彼らの中からコアファンが誕生すれば尚の事、歌手が中長期的に活動できやすくなります。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年3月5日
コアファンの熱量が自らの頑張り以上に、ライト層獲得(のためのアイデア実践)に注がれることが重要と考えます。