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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】ジャック・ハーロウが米で、ベンソン・ブーンがグローバルで首位、ビヨンセ等が初登場

現地時間の2月19日月曜が祝日のため翌20日に発表された、最新2月24日付米ビルボードソングチャート(集計期間:2月9~15日)。ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」が2週連続、通算6週目の首位を獲得しました。

ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」はストリーミングが前週比7%ダウンの2160万(同指標5位)、ダウンロードが同7%ダウンの5,000(同指標11位)、ラジオが同2%アップの7780万(同指標5週目の首位)を記録しています。

 

ビヨンセ「Texas Hold 'Em」が2位に初登場。ストリーミングは1920万、ダウンロードは39,000、ラジオは480万を記録しています。「Texas Hold 'Em」は2月11日にオリジナルバージョン(クリーンバージョンも含む)が、2月14日にインストゥルメンタル、オリジナルバージョンおよびクリーンバージョンのアカペラ版がリリースされており、ダウンロード指標では11曲目となる首位を獲得しています。また「Texas Hold 'Em」と同時リリースとなった「16 Carriages」は38位に初登場を果たしています(ストリーミング1030万、ダウンロード14,000、ラジオ9万を記録)。

ビヨンセによる2曲は、2月11日に開催されたスーパーボウルの中継内CMにて告知され、同日リリース。2曲を収録したニューアルバム『Renaissance Act II』は3月29日にリリースされます。

「Texas Hold 'Em」の2位初登場に伴い、ビヨンセのトップ10ヒットは22曲に。またホットカントリーソングチャートにおいても「Texas Hold 'Em」が首位、「16 Carriages」が9位に共に初登場を果たし、ビヨンセは同チャートキャリア初登場にして2曲同時トップ10入りを果たしています。

「Texas Hold 'Em」はカントリーのラジオ局でもプロモートされており、カントリーエアプレイチャートでは54位に初登場を果たしています。

 

なお「Texas Hold 'Em」のホットカントリーソングチャート制覇については別途記事が公開。ビヨンセはソロ歌手として、ホットと名の付く複合指標に伴うチャートのうち、総合ソングチャート、ホットカントリーソングチャート、ホットダンス/エレクトロニックソングチャート、ホットゴスペルソングチャート、ホットラテンソングチャート、ホットR&BソングチャートおよびホットR&B/ヒップホップソングチャートの7種を制した形です。

なおジャスティン・ビーバーは8種の複合指標ソングチャートで首位を獲得しています(総合ソングチャート、ホットカントリーソングチャート、ホットダンス/エレクトロニックソングチャート、Holiday 100チャート(クリスマス関連曲だけを抽出したチャート)、ホットラテンソングチャート、ホットラップソングチャート、ホットR&BソングチャートおよびホットR&B/ヒップホップソングチャート)。

また、1958年10月に全ジャンルを包含するソングチャートがスタートして以来、ビヨンセは、ホットカントリーソングチャートおよびホットR&B/ヒップホップソングチャートの双方を制した最初の女性歌手となりました。男性歌手ではモーガン・ウォレン、ジャスティン・ビーバー、ビリー・レイ・サイラスおよびレイ・チャールズが記録しています。

ホットカントリーソングチャートを初登場で制したのはビヨンセ「Texas Hold 'Em」が16曲目、ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」(2023年9月)以来となります。女性歌手単独による曲としては、ビヨンセテイラー・スウィフトに次ぐ2組目の記録達成となります(テイラーは「Love Story (Taylor's Version)」および「All Too Well (Taylor's Version)」(共に2021)で記録)。

なお、州名がタイトルに付く曲でのホットカントリーソングチャート制覇は、クリス・ステイプルトン「Tennessee Whiskey」(2015 2週)以来、女性歌手ではジェイミー・オニール「There Is No Arizona」(2001)以来となります。またテキサス(州)がタイトルに付いた曲での首位獲得は、トレイシー・ローレンス「Texas Tornado」(1995)以来となります。

 

総合ソングチャートに話を戻すと、イェー(以前の名義はカニエ・ウェスト)とタイ・ダラー・サインのユニットによる「Carnival」が3位に初登場(同作品の公式動画は現時点で見当たらず、掲載できません)。ストリーミング2350万、ダウンロード4,000を記録し、ストリーミング指標を制しました(イェーは4曲目、タイ・ダラー・サインは初の同指標制覇)。同曲はユニットによるアルバム『Vultures 1』(2月10日リリース)に収録され、同作品は最新2月27日付米ビルボードアルバムチャートを制しています。この作品は以下の事由に伴いメジャーレーベルを離れてのリリースとなります(イェーの言動や行動およびその結果については、米ビルボードによるこちらの記事にて時系列を確認できます)。

『Vultures 1』は、カニエ、タイ・ダラー・サイン両者にとってメジャー・レーベル以外からリリースされた初のスタジオ・アルバムで、カニエがヘイトスピーチ反ユダヤ主義的発言を繰り返し、アディダスやデフ・ジャム(ユニバーサル・ミュージック・グループ)が距離を置いて以来、初めてリリースされた作品となる(上記のアルバムはすべてデフ・ジャムからリリースされた)。

「Carnival」に伴い、イェーは21曲目、タイ・ダラー・サインは3曲目のトップ10入りを果たしました。なおタイ・ダラー・サインにとって、主演曲でのトップ10入りは初となります(これまではフィフス・ハーモニーに客演参加した「Work From Home」が2016年に4位、ポスト・マローンにフィーチャーされた「Psycho」が2018年に1週首位を獲得しています)。

 

ノア・カーン「Stick Season」が11→10位に。ストリーミングは前週比7%アップの1780万、ダウンロードは2,000(記事にて前週比の記載なし)、ラジオは前週比17%アップの1590万を記録しています。

「Stick Season」はノア・カーンにとって、キャリア初となるトップ10ヒットに。これまでにポスト・マローンを迎えた「Dial Drunk」が昨年6月に25位、そしてザック・ブライアンに客演参加した「Sarah's Place」が昨年10月に14位を記録しています。「Stick Season」はノアが単独でソングライティングを手掛けており、自身が単独で手掛けた作品でのトップ10ヒットはザック・ブライアン「Something In The Orange」(2023年1月 10位)以来となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

2位 (初登場) ビヨンセ「Texas Hold 'Em」

3位 (初登場) イェー(カニエ・ウェスト) & タイ・ダラー・サイン「Carnival」

4位 (3位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

5位 (2位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

6位 (4位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

7位 (5位) シザ「Snooze」

8位 (6位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

9位 (7位) テイト・マクレー「Greedy」

10位 (11位) ノア・カーン「Stick Season」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。2月24日付ではGlobal 200にてベンソン・ブーン「Beautiful Things」が2連覇を達成、また同曲はGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.にて初の首位を獲得しています。

ベンソン・ブーン「Beautiful Things」はGlobal 200にてストリーミングが前週比10%アップの5780万、ダウンロードが同11%ダウンの12,000を記録し同チャート2連覇を達成。またGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比16%アップの3610万、ダウンロードが同10%アップの4,000を記録し、前週からワンランクアップし初の首位を獲得しています。

 

イェー(カニエ・ウェスト)とタイ・ダラー・サインによる「Carnival」がGlobal 200で2位に初登場。ストリーミング4600万、ダウンロード4,000を記録しています。またGlobal Excl. U.S.ではストリーミング2250万、ダウンロード2,000を記録し10位に初登場を果たしています。Global 200でのトップ10入りはイェーが4曲目、タイ・ダラー・サインが初となり、Global Excl. U.S.においては共に初のトップ10ヒットとなります。

ビヨンセ「Texas Hold 'Em」はGlobal 200で4位に初登場。ストリーミング3190万、ダウンロード48,000を記録しています。このチャートにおけるトップ10入りは「Break My Soul」(2022 6位)以来、2曲目となります。

 

Global Excl. U.S.ではCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が3→2位となり、同チャート最高位を更新しました。