米ビルボードが日本時間の昨日発表した1月27日付グローバルチャート。そのうちGlobal 200では日本の楽曲が5作品、200位以内にランクインを果たしていたと伝えられました。
1月27日付 #Global200 200位以内のJ-POPの動向
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2024年1月23日
(集計期間:2024年1月12~18日)https://t.co/bnHJ3cRsn2
・77位 (初登場) #CreepyNuts「#BlingBangBangBorn」
・60→82位 #YOASOBI「#アイドル」
・81→126位 #Ado「#唱」
・99→130位 #KingGnu「#SPECIALZ」
・200位 (初登場) #tuki.「#晩餐歌」
実はその後、米ビルボードはチャートの訂正を行っています。これは当初、JIMIN「Like Crazy」がエントリーから漏れていたため。訂正に伴いtuki.「晩餐歌」は200位圏外となりましたが、おそらく201位ではないかと思われます。
1月27日付 #Global200 200位以内のJ-POPの動向
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2024年1月23日
(集計期間:2024年1月12~18日)https://t.co/V9xSSzRgid
・77位 (初登場) #CreepyNuts「#BlingBangBangBorn」
・60→82位 #YOASOBI「#アイドル」
・81→127位 #Ado「#唱」
・99→131位 #KingGnu「#SPECIALZ」
(現時点で、米ビルボード側が訂正した旨のアナウンスは見当たりません。訂正アナウンスはチャート管理者としての責任を果たすことだと考えます。)
グローバルチャートについては下記エントリーにて紹介しています。今回は最新動向を踏まえ、自分なりの見方を記していきます。
(上記はテレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期のノンクレジットOPムービー。)
Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」については、同曲が世界的なムーブメントになりつつあることについて以前ブログで取り上げました。
デイリー200位までの順位を可視化するSpotifyでは好調な「Bling-Bang-Bang-Born」ですが、ともすれば今回のGlobal 200における同曲の順位が思ったほど高くないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。この順位については、他の作品の初登場動向を知った上で判断する必要があります。
最新1月27日付ではアリアナ・グランデ、そして21サヴェージの活躍が目立ちました。アリアナ・グランデ「Yes, And?」が米、グローバル双方のチャートを制したことも大きいのですが、21サヴェージによる米およびGlobal 200トップ10への2曲同時エントリーも象徴的です。
1月27日付米ビルボードアルバムチャートは21サヴェージ『American Dream』が制し、収録曲が米ソングチャートにも大挙登場。同作品がストリーミングに強く、米ビルボードではアルバムチャートにストリーミングのアルバム換算分(SEA)も含まれるというチャートポリシー(集計方法)が、アルバム/ソングチャートの強さにつながっています。そして21サヴェージはGlobal 200にも、アルバム収録曲の大半を送り込んでいます。
強力なアルバムが初登場することで収録曲も大挙エントリーするため、これまでランクインしていた曲が押し出されるほか、他の初登場作品にも影響を及ぼします。一方でアルバムから大挙エントリーを果たしても、翌週以降はリード曲や今後シングル化されるだろう(チャートアクションの好い)曲を除き急落する傾向も目立ちます。よって、たとえば「Bling-Bang-Bang-Born」については次週の動向を見極める必要があるのです。
(ただし以前のエントリーでも述べたように、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」においては公式動画が現時点で見当たらず、またアニメのノンクレジットオープニングムービーはビルボードジャパンにおける動画再生指標、グローバルチャートにおけるストリーミング指標において加算対象外の模様です。仮に公式オーディオだけでも用意していれば、今回の順位は比較的大きく上昇したものと考えます。)
さて、Global 200では最新1月27日付にて日本の楽曲5作品が200位以内に登場したと当初発表されましたが(その後4曲に訂正)、仮に5曲がランクインしたならば昨年11月4日付以来の多さとなりました(日本の楽曲の動向を紹介したポストはこちら)。そして5作品とも別の歌手によるとなると昨年1月14日付以来、ほぼ1年ぶりの事態となったのです。
1月14日付 #Global200 200位以内のJ-Popの動向
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年1月10日
(集計期間:2022年12月30日~2023年1月5日)https://t.co/EQhGDSJuEY
・80→48位 #米津玄師「#KICKBACK」
・71→57位 #Official髭男dism「#Subtitle」
・131位 (再登場) #藤井風「#死ぬのがいいわ」
・136位 (再登場) #Ado「#新時代」
(続く)
1月14日付 #Global200 200位以内のJ-Popの動向 (続き)
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年1月10日
(集計期間:2022年12月30日~2023年1月5日)https://t.co/EQhGDSJuEY
・177位 (再登場) #SEKAINOOWARI「#Habit」
クリスマス曲がほぼ一掃され、ほとんどの曲が上昇もしくは200位に再登場。
(上記ポストにもあるように、昨年1月14日付ではクリスマス関連曲が一掃されたことが、日本の楽曲を押し上げた要因となります。強力なアルバムの登場に加えて、イベントによる関連曲の上昇および下降を知ることもまた重要です。)
さて、重要なのはGlobal 200のみならず、そのGlobal 200をベースにビルボードジャパンが昨秋新設したGlobal Japan Songs Excl. Japanの動向を知り、比較することにもあります。
Global Japan Songs Excl. JapanはGlobal 200から日本市場の分を除き、その上で日本の楽曲上位作品を紹介するというチャート。Global 200は日本で人気(の一方で海外人気はそこまでとはいえない)という曲も入る傾向にあり、Global 200とGlobal Japan Songs Excl. Japanとを比較し日本と海外との人気差を知ることで、曲の動向を多角的に理解し、今後の施策に活かすことが可能と考えます。
1月27日付Global 200ではおそらく201位と思しきtuki.「晩餐歌」については、おそらく他の日本の楽曲よりもGlobal Japan Songs Excl. Japanとの差が大きいと思われます。この曲の構造が5曲の中では最もJ-POP的ゆえというのも仮定の一因ですが、ミュージックビデオにはアニメーションが用いられているため、この動画が海外で親しまれるきっかけになるかもしれません。
1月は米を含む海外で強力なリリース作品が多くない傾向にあり、そのこともGlobal 200にて日本の楽曲が多数チャートインした一因と考えられますが、このことをきっかけに各歌手そして日本の音楽業界全体が、視野をグローバルへと拡げることを願います。そしてビルボードジャパンはグローバルチャートの紹介や、日本の音楽チャートのチャートポリシーをグローバルに沿わせることを前向きに検討することを今一度願います。