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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

YOASOBIに「Cry Baby」、「napori」そして「ツキミソウ」...以前紹介した作品の最新動向をチェック

7月3日の音楽特番で注目を集めたOfficial髭男dism「Cry Baby」、7月4日の配信ライブが多くの方に視聴されたYOASOBI。最新7月14日公開(7月19日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおいて共に、その勢いが反映されました。作品および歌手の動向は以前から幾度か記載しています。

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「Cry Baby」は順位こそひとつ落としたもののポイント前週比111.9%、6367ポイントを獲得。解禁後初の1週間フル加算となった5月19日公開(5月24日付)における6894ポイントに次ぐ記録となっています。

YOASOBIについては今週も3曲がソングスチャートトップ10入りを果たし、BTSと合わせればこの2組でトップ10の過半数を占める結果に。4位をキープした「三原色」はポイント前週比116.2%となり1万ポイントを突破、「夜に駆ける」は同103.4%、「群青」は同112.8%等となっています。前週割れとなった「怪物」でもポイント前週比は97.7%と高いのが特徴で、やはり歌手自体の注目の高さが反映された結果と言えます。

無論、「三原色」は解禁後初の1週間フル加算であること、また「夜に駆ける」は英語版「Into The Night」の合算効果に因るところも大きいのですが、リリースやライブスケジュールの巧さが功を奏したと言えるでしょう。EP『THE BOOK』も13→9→4位と躍進しています。そして次週、「三原色」の英語版「RGB」が本日リリースされたことで、「三原色」の勢いが持続することが予想されます。

注目はストリーミング再生回数。最新7月14日公開(7月19日付)では「三原色」は9,903,948再生、「夜に駆ける」は9,817,272再生を記録しましたが1千万の大台には乗れませんでした。「夜に駆ける」は「Into The Night」との合算に伴い再生回数が2週連続で前週比110%を超えましたが、英語版のリリースがオリジナルから時間が経っていたことが1千万に満たない理由かもしれず、ゆえに「三原色」に期待したいところです。

 

 

さて、そのストリーミングでは今週、2曲が1億回再生を突破したとアナウンスされています。

この2曲の動向は注目すべきものがあります。

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リリース日やチャートの盛り上がり方、ミュージックビデオ制作の有無等の差はあれど、「napori」も「ツキミソウ」も一度として総合でトップ20に入っていない点が共通しています(「napori」は最高27位、「ツキミソウ」は同23位)。「napori」はTikTokでのバズにより浮上、「ツキミソウ」はTHE FIRST TAKEでのパフォーマンスも貢献し、同週1億回再生を突破しました。この2曲については以前ブログで取り上げています。

 

ともすれば、総合ソングスチャートでトップ20に入っていない曲をヒットと言えるのかと問う声があるかもしれません。しかし1億再生は紛れもない今のヒットの形。今後は1億回再生がヒット、ビリオン(10億回)が特大ヒットという基準になるかもしれませんが、「napori」も「ツキミソウ」もどこかで耳にしたことのある方は多いはずであり、ストリーミングのヒットが社会的なヒット曲によりリンクしていると言えるでしょう。

しかしこのような声の登場は予想されるため、総合チャートで高位置に登場しない曲についてもスポットライトを当てることは必要です。たとえばビルボードジャパンのポッドキャストにおけるチャート紹介はトップ3と注目曲のみにとどまるため、大手メディアによるチャート深堀り番組が必要と考えます。下位曲への注目、さらにはビルボードジャパンの認知度も向上するはずで、そのようなメディアの登場を願うばかりです。