『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の追加出演者がこの1週間ちょっとの間に続々発表されていますが、一昨日の発表にはそうきたかと唸らされました。
/#milet×#Aimer×#幾田りら×#Vaundy
— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) 2022年12月11日
紅組出場決定!
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「第73回 #NHK紅白 歌合戦」に、milet×Aimer×幾田りら、そしてVaundyが紅組から出場。
「おもかげ(produced by Vaundy)」
を歌唱することが決定しました!
みなさんからのメッセージを
こちらで掲載しています👇https://t.co/WfKxuCwYtk pic.twitter.com/bRQa06dsil
YouTubeチャンネル、THE FIRST TAKE発のユニット曲。YOASOBIが出場していないことから企画として難しいかもしれないと考えていたのですが、幾田りらさんがYOASOBIのikura名義も含め3年連続で出場することによって、叶うこととなりました。
スポーツ紙ではこのような記事もあり、紅白にてTHE FIRST TAKEが大きく打ち出されるとも言える今回の出場決定。ここからみえてくるものをまとめてみます。
milet×Aimer×幾田りら「おもかげ (produced by Vaundy)」は昨年12月17日にTHE FIRST TAKEに登場。ビルボードジャパンによる2022年度年間ソングチャートでは94位、週間最高11位をマークしました。
【ビルボードジャパン CHART insight紹介】#milet × #Aimer × #幾田りら「#おもかげ (produced by #Vaundy)」
— Kei (@Kei_radio) 2022年12月13日
週間最高11位 (2021年12月29日公開分)
最終ランクイン 11月30日公開分
2022年度年間ソングチャート94位https://t.co/TgVeZMl0kG pic.twitter.com/5z5ujqSAjW
このチャートアクションそのものは強いとはいえないかもしれないというのが率直な私見ではあります。THE FIRST TAKEの歴代再生回数上位一覧をみると、「おもかげ」は9位。この1年の間に発信されたものとしては最上位となったものの、5千万回に達していないのは寂しいと言えるかもしれません。
(※上記は12月14日午前5時4分時点の再生回数上位一覧。この紹介のためにキャプチャしています。問題があれば削除いたします。
この状況下で、今回「おもかげ」が紅組として披露されることになりました。この意義についてはいくつか考えられます。
1つ目はTHE FIRST TAKEの箔付け。11月5日にチャンネル開設から3周年を迎えたYouTubeチャンネルですが、先述したように直近1年間における特大ヒットがともすれば出ていないと捉えられかねません。コンスタントに再生回数を獲得することは素晴らしいものの、THE FIRST TAKE側が今一度チャンネルの箔を付けたいと考えていたかもしれません。その思惑が叶うことになります。
そういえば、#THEFIRSTTAKE に似たコンセプトを持つYouTubeチャンネル、#blackboard が更新を止めて半年近くになるのですが、両チャンネルは出演歌手のバッティングがほぼなかったと記憶しています。https://t.co/0vQnOafN59
— Kei (@Kei_radio) 2022年11月30日
その状況下で先月末に #PUFFY が出演したことの意味は大きいでしょう。 https://t.co/Slid4VP55g
YouTubeの一発録り音楽チャンネルのひとつだったblackboardはおそらく終息。これまでこのチャンネルでの出演者がTHE FIRST TAKEに登場することはなかったはずですが、PUFFYがTikTokでもバズを起こした「愛のしるし」にてTHE FIRST TAKEに登場したことでその枷はなくなったと思われます。このタイミングで、一発録り音楽チャンネルといえばTHE FIRST TAKEであると今一度打ち出したかったのではないでしょうか。
【#THEFIRSTTAKE】
— THE FIRST TAKE (@The_FirstTake) 2022年1月1日
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No.180
SixTONES
"Imitation Rain"
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2022年初の「THE FIRST TAKE」は、#SixTONES が登場。
彼らのデビュー曲「#ImitationRain」を
美しくも力強い楽曲の世界観をそのままに、
一発撮りパフォーマンス。
▼22:00~ YouTubeプレミア公開https://t.co/YhO7mvRQRY
基本的に水曜および金曜に新作が公開されるTHE FIRST TAKEは、元日にも発信。今年はSixTONES「Imitation Rain」が登場し、ジャニーズ事務所からの登場という意味でも大きな話題となりました(一方で、デジタル環境が整備されていないゆえ話題性がサブスクやダウンロードに移行できていなかったのは勿体なかったと考えます)。チャンネルの箔付けが、紅白の翌日に公開されるであろう新作動画の注目度も高めることでしょう。
2つ目は紅白の箔付け。「おもかげ」は今回の紅白が初のテレビパフォーマンスとなります。今回の正式発表には驚きましたが、実は一度ブログにて希望を記していました。
11月14日公開 ブログ #イマオト より。
— Kei (@Kei_radio) 2022年12月13日
『今一度紅白ならではのコラボレーションへの期待を記します。(中略) Aimerさんやmiletさん、YOASOBIそしてVaundyさんが出場するならばVaundyさんプロデュースの「おもかげ」をセッションしてほしいと願います。』https://t.co/82xp7hIVJi
実際、昨年の紅白では映画『竜とそばかすの姫』メインテーマであるmillennium parade × Belle (中村佳穂)「U」が初のテレビパフォーマンスの場となりました。紅白でしか観られないもの、紅白だから観られるものという価値の創出を、紅白側が意識している姿勢がみえてきます。無論、パフォーマンスの反響やチャートアクションへの反映等を踏まえれば歌手側にもプラスとなることでしょう。
パッケージから解放されて、いつでもどこでも半永久的に非劣化複製された音楽が楽しめるサブスクリプション時代には、対極に位置するものとして、ヴァルター・ベンヤミンの言ったような「アウラ(一回性)」の価値が浮上してくるように思います。
— 徒然研究室✍🏻 (@tsurezure_lab) 2022年12月11日
「二度とない」と思える組み合わせが増えそうですね。
様々なデータを可視化する徒然研究室さんが述べたアウラ、非常に興味深い概念です。この一回性はTHE FIRST TAKEにおいても同種と考えるに、紅白とTHE FIRST TAKEの幸せな合致がみえてくるかもしれません。
そして3つ目は、YOASOBIの箔付け。幾田りらさんはYOASOBI(でのikura名義)として2年連続で紅白に出場していました。今後YOASOBIとしても追加発表があるかもしれませんが、そのYOASOBIはビルボードジャパンの2022年度年間トップアーティストチャート(Artist 100)で2年連続の2位を獲得しています。
上記は2022年度最終週までの60週分を示した、トップアーティストチャートにおけるYOASOBIのCHART insight。2年連続で2位となった一方、黒で示される総合順位は緩やかに下降しています(この2ヶ月で持ち直したのは「祝福」のヒットに因るもの)。優里さんも似た状況であることを踏まえ、2022年度ビルボードジャパン年間チャート総括時に歌手側における課題を挙げた上で、このようなことを記しました。
⑦ ソニーミュージックの強さと、牽引した2組の今後の課題
(中略)
なお2組とも、今年の『NHK紅白歌合戦』に出場しません(ただし現段階では、であり今後追加発表される可能性はあります)。この番組が音楽チャートに与える影響の大きさを考えれば、出場打診があったならば来年の活動を見据えて前向きに検討する必要があったのではないでしょうか。
「おもかげ」披露に伴い幾田りらさんが紅白に出場することで、YOASOBIの人気再拡大を招くことも可能かもしれません。幾田りらさん名義でのソロ活動においても、来年NHK総合で放送される連続ドラマ『大奥』に主題歌を提供していることから、その注目度上昇に一役買うことでしょう。
幾田りら、NHK『大奥』主題歌担当「力強く生きていく女将軍の姿を、楽曲に込めたいと」 タイトルは「蒲公英」(写真 全2枚)https://t.co/6fC6K9ZEwV
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2022年12月5日
#幾田りら #NHK #ドラマ #大奥 #蒲公英 #KOHTAYAMAMOTO @ikutalilas
今回のmilet×Aimer×幾田りら「おもかげ (produced by Vaundy)」の紅白披露は「おもかげ」そのもののチャートアクションの上昇、またプロデュースしたVaundyさんの才能を知らしめる機会としても十分な役割を果たすはずです。初のテレビパフォーマンスに注目すると共に、紅白がその年を代表する音楽番組としての存在感を高めていることを尚の事感じています。